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待ちに待った、幸四郎の『不知火検校』!




 三年前、新橋演舞場で『不知火検校』が上演された時は、その面白さにはまり4回も観に行きました。
 後からもっと観ておけばよかったと後悔(笑)するほどの舞台でした。
 それからというもの、新歌舞伎座のアンケート用紙にせっせせっせと『不知火検校』の再演の要望を書きまくり。
 願いはかなうものですね〜 ♪
 な・な・なんと!ついに希望が叶い、今月「昼の部」で『不知火検校』が上演されています。

四月板絵


不知火検校 

 歌舞伎俳優・立役の醍醐味は、「悪の華」を演じることです。その「悪の華」の中でも『不知火検校』は最大級の悪党で、それを松本幸四郎が勤めています。この役をできるのは、幸四郎を置いて他にはいません。極悪非道も極めると、ここまで来るのか?という、ある意味清々しさを感じます。

 配役は三年前とほとんど変わりませんが、前回の方がパーフェクトな配役でした。検校を取り巻く悪党三人のうち二人が、中村橋之助→市川染五郎、中村亀鶴→尾上松也へと変わったことにより、「悪」が弱まってしまった気がします。

 正直、三年前に観た時ほどの衝撃はありませんでした。なんでも最初に観た時は、インパクトも感動も一番大きいものです。それでもこの舞台は、やっぱり素晴らしい。勝新太郎が演じていた『座頭市』の原作にあたるものです。見比べてみるとわかりますが、不知火検校は桁外れの大悪党で、勝新太郎の座頭市は、つまらない小悪党だな〜と感じてしまいます。

 悪の限りを尽くした検校がお縄になり、引込みの花道で最後に吐く台詞は、圧巻です。

 『てめぇら俺のことを人でなしと言うたな。人非人と言うたな。
  確かに俺は、人非人の人殺し。だが人をののしるその前にてめぇのことを考えてみろ。
  おめぇたちゃ、ちっぽけな肝っ玉に生れついたばっかりに、俺のようなまねも出来ず、
  目明きのくせに面白いことの一つも見ず、せいぜい祭りを楽しむのが関の山。
  そこにいるお役人方も同じだぁ。
  みんな毎年無駄に一つずつ年をとり、こぎたねぇババアやうすぎたねぇジジイとなり、
  挙げ句の果てにゃ、くだらなく野たれ死んでしまうんだ。
  思えば不憫でみじめなやつらだ。
  どうだ! 思い上がったか! わっはっははははははは〜!』


 これを聴くと、何だかスカッとします。これを聴くために来ているといっても過言ではありません。
 最初は笑っていた場内の観客も、途中からシーンと静まり返ります。
 この台詞、役者冥利に尽きるでしょうね。
 満座の客席に向かって一度言ってみたい台詞です。
 悪いことはもちろんいけませんが、人生の最後にこれだけの啖呵が切れるだけの自信をもった、やりたいことをやり尽くした人生をおくりたいものです。

 この舞台は、もう一度一階席で観に行きます。それが『不知火検校』の見納めになるかもしれません。
 この演目をやる俳優は、当分出てこないでしょう。幸四郎も年齢がいっているので、多分この役は最後だと思います。この舞台を観ないと後悔するかもしれません。もし観てみたいという方、席はまだ空いているようなのでチャンスはまだあります。

 昼の部最後の演目、身替座禅もとても面白いですよ。



四月大歌舞伎 歌舞伎座 昼の部
   一 松寿操り三番叟
   二 沖津浪闇不知火《不知火検校》
   三 身替座禅



テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

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南十字星

Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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