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マリインスキーの『白鳥の湖』



 今年最後を飾るバレエは、『白鳥の湖』です。バレエは、やっぱり『白鳥の湖』に始まり、『白鳥の湖』に終わるのではないか?と思います。曲の素晴らしさ、芸術性の高さ、どれをとっても最高峰と言えます。いよいよフィナーレを飾るマリインスキーの『白鳥の湖』の開幕です。


白鳥の湖

 まずは、オデット/オディール役のウリヤーナ・ロパートキナについて語らなければはじまりません。

 ロパートキナは、まさにオデットのために存在するようなダンサーです。内に秘めた感情が、動きの一つ一つに込められ丁寧で正確な踊り。それでいてとても繊細な舞いです。上品で優美なロパートキナのオデットは、どの瞬間を切り取っても美しい姿です。
 ゆったりとした動きは、回転が遅いとも言えますが、遅い方が難しいと思えるようなバランス。ジャンプは高くないのに、とても大きく見える優雅な白鳥の姿。40歳を超えたロパートキナにしか踊れない、気品のあるオデットです。
 一方オディール(黒鳥)は、気高さが勝っていてクールさが際立っています。決して媚びない気位の高さを強調したオディールで、きりっとした美しさを感じます。

 次に特筆すべきは、コールド・バレエの見事さです。一人一人のバレエ技術の高さが成せる技でもあります。さまざまなフォーメーションの数々。円を描いて、流れるような美しい動き。第3幕の、白鳥と黒鳥が並ぶフォーメーションは、特に色使いの効果を最大限に生かした素晴らしいものです。

 舞台装置が安普請であることや、衣装のセンスに問題があることを差し引いても、マリインスキーの『白鳥の湖』は、最高の芸術作品と言えます。

 あえてボリショイ・バレエと比較するならば、ボリショイの豪華で華やかな舞台と衣装、そしてザハーロワの会場全体を圧倒してしまう程の表現力(妖艶で魔性の力を持った演技力)と、正統なバレエを重視し控えめな演出の中に技術と芸術性の粋を集めてギュッと閉じ込めたようなマリインスキーのバレエとは、双璧をなしています。好みは別として、バレエとしての芸術性の高さから言えば、マリインスキーの『白鳥の湖』の方が、上であると思います。

 ちょっと付け加えると、席が2階でちょっと遠かったせいかもしれませんが、男性ダンサーが埋もれたように目立たなかったのが不思議です。王子様は添え物のようであり、ロットバルトも陰が薄くて・・振付けのせいなのか?席のせいなのか?わからなくなっちゃいます。


 『白鳥の湖』で、マリインスキー・バレエの評価がグッと上がったのは間違いありません。
 どの演目を観るか? 誰を観るか?で、もっともふさわしい、自分の好みに合ったバレエを選べるようになったら最高です。











テーマ : バレエ
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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