ボリショイシネマ「白鳥の湖」
今シーズン最後のボリショイシネマ。最後は、もちろん「白鳥」です。
昨年の11月に観たボリショイバレエの「白鳥」。ザハーロワの『白鳥の湖』をライブ・ビューイング・シネマで再度観ることができるのは、とっても嬉しいです。

映像では、ザハーロワの舞台上のみならず会場全体を圧倒してしまう程のオーラや輝きを感じることができないのは残念ですが、生で観た時の感覚が蘇ってくるのでその分は記憶がカバーしてくれました。
その一方映像ならではの良さもありました。ダンサーをアップで映し出すので、より細かい表情や指先の動きまで鮮明に確認ができ、ザハーロワの完璧な動きの凄さを改めて冷静に見ることができます。また、衣装の豪華さや彩りの美しさも再発見しました。
冷静になれたと言えば、他のダンサーの素晴らしさもちゃんと理解できました。配役は生で観た時とほとんど同じですが、印象がずいぶん違います。特にロットバルトを踊ったアルテミィ・ベリャコフの巧さと存在感に驚きました。身体の大きさを活かしたダイナミックな動きと跳躍の高さ、ジークフリード王子の影の部分をえぐり出すような表現力の素晴らしさに王子役のデニス・ロヂキンを超えるものを感じます。
ザハーロワが、第2幕でオディールとなって王子を誘惑するシーンは圧巻です。強烈な視線に一発で悩殺されてしまった王子の頭の中は真っ白!ヘロヘロに骨抜きにされてしまったような・・・。もしかしたらロヂキン自身が本当に勘違いしているのではないか?と思われる程の悩殺ぶりです。
今年はマリインスキーバレエが来日し、ロパートキナが『白鳥の湖』を踊る予定です。情熱的で官能的なザハーロワ、どこまでも気高くクールビューティーを貫くロパートキナは対照的で別次元のオデット、オディールを魅せてくれます。同時代に二人の天才ダンサーを比較して観られることを幸せに思います。ロパートキナは、年齢的に日本公演では最後の『白鳥の湖』になるかもしれないと勝手に思っているので、絶対見逃さないようにしたいです。
この二人の『白鳥の湖』は、観られるだけ観たいものです。まさに不世出のバレエダンサーだと思います。
バレエの素晴らしさ、ザハーロワの素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいとYouTubeの画像を載せてみました。8分程になりますが、是非最後までご覧戴ければと思います。
ボリショイバレエ『白鳥(オディール)とジークフリート王子のパ・ド・ドゥ』
オデット/ザハーロワ、ジークフリート王子/ロベルト・ボッレ
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No title
こんにちは。
前回、ロミジュリの時にもコメントを登校した者です。
時々、このブログを訪問しては、お話を楽しんでいます。
ザハロワの白鳥、素晴らしかったでしょうね。
ビデオでしか見たことはありませんが、まるで足先が語っているような感じがします。
好みのタイプのダンサーというわけではないですが、現在最高のダンサーで、いつみても完璧ですね。
グリゴローヴィチ先生の白鳥も、ロミジュリと同様、構成や、物語の運び方がとても気に入っています。この作品では、主人公はオデットではなくジークフリートですね。
1幕では、パ・ド・トロワをお友達ではなく王子が躍りますし、お母さまの登場の仕方は圧巻です。王子とお母様の関係も、他のバレエ団のバージョンとは異なる感じがします。他のバージョンでは大方王子様は、まだ若くて頼りなさげ。お母さまの登場にあわてます。けれど、グリゴローヴィチ版は、王子がもう少し大人で、これから王になる自覚とまでは言いませんが、自身があるように見えます。男性ダンサーだけで始まる乾杯の踊りも迫力があります。
2幕では、世界各国のお姫様候補が、ダンサーを連れてやってきます。この設定が独特ですが、ストーリーとしてとても自然な感じがします。舞踏会で踊るロットバルト達も良いです。
書き出したら止まらなくなってしまいました。
昨日、NHKのプレミアムシアターでボリショイのマルコ・スパダをやりました。ご覧になりましたか? 私は録画したので、これからゆっくり観賞会です。
前回、ロミジュリの時にもコメントを登校した者です。
時々、このブログを訪問しては、お話を楽しんでいます。
ザハロワの白鳥、素晴らしかったでしょうね。
ビデオでしか見たことはありませんが、まるで足先が語っているような感じがします。
好みのタイプのダンサーというわけではないですが、現在最高のダンサーで、いつみても完璧ですね。
グリゴローヴィチ先生の白鳥も、ロミジュリと同様、構成や、物語の運び方がとても気に入っています。この作品では、主人公はオデットではなくジークフリートですね。
1幕では、パ・ド・トロワをお友達ではなく王子が躍りますし、お母さまの登場の仕方は圧巻です。王子とお母様の関係も、他のバレエ団のバージョンとは異なる感じがします。他のバージョンでは大方王子様は、まだ若くて頼りなさげ。お母さまの登場にあわてます。けれど、グリゴローヴィチ版は、王子がもう少し大人で、これから王になる自覚とまでは言いませんが、自身があるように見えます。男性ダンサーだけで始まる乾杯の踊りも迫力があります。
2幕では、世界各国のお姫様候補が、ダンサーを連れてやってきます。この設定が独特ですが、ストーリーとしてとても自然な感じがします。舞踏会で踊るロットバルト達も良いです。
書き出したら止まらなくなってしまいました。
昨日、NHKのプレミアムシアターでボリショイのマルコ・スパダをやりました。ご覧になりましたか? 私は録画したので、これからゆっくり観賞会です。
Mihoさん
コメントありがとうございます。
まだまだバレエ鑑賞初心者ですが、その中でも『白鳥の湖』は多く観てきたつもりでしたが、奥が深いですね。いろいろな版があるのを知ったのも最近で、違いがよくわりません。いつもオデットやオディールにばかり目がいって、ジークフリード王子が主人公という見方をしたことがなく、まさに目から鱗です。それにザハーロワの踊りが「足先が語っているような感じ・・・」って、「おぉ〜、凄い!」と思いました。
コメントを頂いて、とっても勉強になります。次回『白鳥の湖』を観る時は、また別の見方ができそうです。
ボリショイの『マルコ・スパーダ』は、録画しました。後日ゆっくり観る予定です(笑)。
まだまだバレエ鑑賞初心者ですが、その中でも『白鳥の湖』は多く観てきたつもりでしたが、奥が深いですね。いろいろな版があるのを知ったのも最近で、違いがよくわりません。いつもオデットやオディールにばかり目がいって、ジークフリード王子が主人公という見方をしたことがなく、まさに目から鱗です。それにザハーロワの踊りが「足先が語っているような感じ・・・」って、「おぉ〜、凄い!」と思いました。
コメントを頂いて、とっても勉強になります。次回『白鳥の湖』を観る時は、また別の見方ができそうです。
ボリショイの『マルコ・スパーダ』は、録画しました。後日ゆっくり観る予定です(笑)。
南十字星さま
ボリショイの『マルコ・スパーダ』、マリンスキーの『シンデレラ』についても、ぜひ感想をお聞かせくださいね。楽しみにしています。