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幸四郎の「一谷嫩軍記」と染五郎の「春興鏡獅子」




 今週は、「歌舞伎に始まり歌舞伎に終わる!」といった感じです。
 締めくくりは、国立劇場の歌舞伎です。


 『ドブ』から見える舞台
どぶ席
 座席は、初めての『ドブ』です。『ドブ』とは、舞台に向かって花道の左(下手)側を指します。
花道を行き来する役者の背中を観ることになりますが、役者との距離が近く息づかいや衣装から立ち上る香りを感じることができます。
 花道を照らすスポットライトを正面から浴び、まさに役者の気分、高揚感が味わえる? ある意味役者になったような勘違いとも言える気分になれます。



 ポスター
10月国立ポスター 
 最初の演目は『一谷嫩軍紀(いちのたにふたばぐんき)』の中の「陣門・組討・熊谷陣屋」です。「熊谷陣屋」は毎年必ず上演される超人気の有名な演目であり、歌舞伎演目中屈指の難解な作品です。四月の新歌舞伎座杮茸落公演では、吉右衛門が迫真の演技で会場を圧倒したのが記憶に新しいですが、昨年は三月に国立劇場で故市川團十郎が演じています。
 今回は、松本幸四郎が挑みます。23日幸四郎は、上演中態勢を崩した馬から落ちるというハプニングにもかかわらず怪我ひとつせず、何事も無かったかのように舞台を続けたとのこと。さすが歌舞伎役者! 
 その影響が無いかという心配は、杞憂に終わりました。花道の幸四郎をドブから眺めると、いつもと一味も二味も違って見えるもの。背中でも演技をしていることも理解出来ました。

 次の演目『春興鏡獅子(しゅうきょうかがみじし)』は、最近では中村勘九郎、七之助の舞台を観ています。今回の染五郎の舞踊は優雅で流れるような踊りで、勘九郎のメリハリのある力強い踊りとは違った上品さを感じました。またドブから豪快な獅子の精が出てくるのを見た瞬間、ドラマの『ぴんとこな』の場面を思い出し、さらなる興奮がわき起こりました。
 胡蝶の精を染五郎の長男・金太郎と市川中車(香川照之)の長男・團子が勤めています。團子は物に動じない気質のようで、これが吉と出るか?凶と出るか?は、今後の成長にかかってくると思います。金太郎は端正な顔立ちと細やかな神経を持ち合わせ、将来が楽しみです。




 「六代目菊五郎」の鏡獅子
六代目菊五郎春興鏡獅子 
 国立劇場ロビーに飾れている像は、日本近代彫刻界の巨匠、平櫛田中(「ひらくしたなか」ではありません。「ひらくしでんちゅう」です。)が20年の歳月をかけて作った大作です。
 二十五日間劇場に通い、六代目尾上菊五郎を毎日場所を変えて観察し、作品として表現する姿を六代目と相談しながら試作を重ねた力作です。力強いこの姿に引き寄せられ、写真を撮る人が絶えません。


 国立劇場は、チケットもリーズナブルな価格で手に入りますし、会場内の食事やお弁当も良心的な値段です。
 開演1時間前に入場可能で、スペースもゆったりしていて、観劇もゆっくりと楽しめます。




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No title

『ドブ』迫力ある席ですね!!
観てて興奮しちゃいそうですね。
もう台風は来ないかな。穏やかな秋を味わいたいですね

tamayaccoさん

『ドブ』席は、初めてでしたけど、興奮度大な席です。
しかも、国立のドブ前方は1等席の半額でとってもリーズナブル!
花道を多用する演目には利用価値大ですね。
今回の演目には狙い通りピッタリでした。
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南十字星

Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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