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通し狂言の魅力



 歌舞伎座杮葺落公演が続いていますが、年末までの公演が発表されました。
 歌舞伎座では珍しい通し狂言が続く、ファン垂涎の出し物です。


 歌舞伎の三大名作は、「菅原伝授手習鏡」「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」です。
 この三つの作品は、人形浄瑠璃のために作られた作品で同じ作者トリオが三年連続で書き下し、当時大ヒットした作品です。その後人形の代わりに人間を使ってそっくりの脚本で歌舞伎化し、現在でも上演回数が最も多い人気作品です。
 
 ところが、この三作品は話しの筋がとても複雑で長い長い物語になってます。しかも各幕各段は、それぞれ独立で上演しても成り立つように作られていて、完成度が高く、通常の歌舞伎では特に人気の高い幕だけを上演することがほとんどです。なので、初心者には分かりにくく三大名作と言いつつもとっつきにくい作品と言えるでしょう。
 今回は、これを通しで上演してくれるまたとない機会となりました。
 これらの名作をそれぞれの当たり役者で演じ、通しでやりきるなど新歌舞伎座の杮葺落でないと二度出来ないと思います。


芸術祭十月大歌舞伎

   通し狂言 義経千本桜

      【昼の部】
          序幕    鳥居前       
          二幕目   渡海屋       
                大物浦       
          三幕目   道行初音旅     

      【夜の部】
          四幕目   木の実       
                小金吾討死     
          五幕目   すし屋       
          大詰    川連法眼館     
 「義経千本桜」は題名に義経とありますが、義経の話しではありません。義経はあくまでも狂言まわし。平知盛、維盛、教経のほろびゆく運命を軸に、三つの話しで構成されています。吉右衛門、仁左衛門、菊五郎のそれぞれの当たり役を同時に観れる最後の機会かもしれません。



 十一月、十二月は、日本人は誰でも知っている「忠臣蔵」です。
 十一月はそれぞれの当たり役者を揃えて、十二月は次代を担う花形役者を玉三郎と三津五郎が支えて上演されます。ベテランと花形役者の芸を比べて観られる贅沢な二ヶ月連続公演です。
吉例顔見世大歌舞伎(十一月)

   通し狂言 仮名手本忠臣蔵

      【昼の部】
          大序    鶴ヶ岡社頭兜改めの場
          三段目   足利館門前進物の場
                同 松の間刃傷の場
          四段目   扇ヶ谷塩治判官切腹の場
                同 表門城明渡しの場
          浄瑠璃   道行旅路の花聟

      【夜の部】
          五段目   山崎街道鉄砲渡しの場
                同 二つ玉の場
          六段目   与市兵衛内勘平腹切の場
          七段目   祇園一力茶屋の場
          十一段目  高家表門討入りの場
                同 奥庭泉水の場
                同 炭部屋本懐の場      

十二月大歌舞伎

   通し狂言 仮名手本忠臣蔵

      
【昼夜共、前月と同じ】

 「仮名手本忠臣蔵」の見所はいくつもありますが、初めての方には是非「大序」を観てもらいたいと思います。 幕開きの前に口上人形が登場し、独特のせりふ回しで配役を紹介します。東西声がかかると徐々に幕が開きますが、この段階では舞台上の登場人物は全員「人形振り」で顔を伏せています。義太夫が役名を語ると人形に魂が入るように少しずつ顔を上げて行くという、長大な作品に相応しい儀式化された非常に珍しい演出となっていて必見です。


 
 私達はもちろん、全ての演目を観に行きますが、悩みは何等席で何回行くか?ということです。
 特に十月の公演は観る側としても力が入ります。





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南十字星

Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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