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松也を中心に『新春浅草歌舞伎』。次世代の花形歌舞伎役者、頑張る!




 快晴の浅草寺は、お正月飾りも華やかでで気持ち良いです。「新春浅草歌舞伎」を観に来る時は、浅草寺で初詣をしながら散策するのが楽しみの一つになっています。年々外国人観光客が増えていて、この日も日本人より外国人の方が多いのでは?と思える程でした。


申年の浅草寺


浅草歌舞伎 
 「新春浅草歌舞伎」は、若手の歌舞伎役者を中心に上演されていますが、今年は、尾上松也、坂東巳之助、板東新悟、中村隼人、中村米吉、中村国生の六人です。若手役者は、なかなか主役を演じる機会が回ってきませんが、浅草歌舞伎で主役を勤め修行を積んでいきます。実力、人気をつけてゆく重要な舞台です。

 今回は、第二部の舞台を観に行きました。

 『毛抜』は、歌舞伎十八番の演目で主役の粂寺弾正を坂東巳之助が勤めています。役柄は巳之助に良く合っているのですが、力が入り過ぎているのか?張り切り過ぎているのか?、声を大きく張り過ぎて、芝居が一本調子になってしまっています。もっと強弱をつけ、力を抜くところは抜かないと、この役の良さが出てきません。粂寺弾正は、ちょっとスケベな色気と愛嬌、豪快さを持った役柄です。そういう味は、年齢と経験を要するところです。亡き十二代目市川團十郎は、「おおらかで品と色気のある弾正だったなぁ〜」となつかしく思い出していました。
 巳之助の父、三津五郎もしなやかで色気のある役者でした。いつか父親や先輩役者に並ぶ演技ができる素質を十分に持っています。これからの巳之助を見守りたいです。


 『義経千本桜 =川連法眼館の場=』 『義経千本桜』は、歌舞伎演目の中でも屈指の名作で人気のある作品です。『川連法眼館』は『四ノ切(しのきり)』と通称されていますが、「切場」ではありません。最初に本物の忠信が出て、ついで狐忠信が出てきます。この役を尾上松也が勤めています。
 この狐忠信をケレンで魅せる市川猿之助の芸が印象に残り、その動き、早替わりや宙乗りの記憶が正しい評価の妨げになりますが、本来ケレンをみせるのが目的ではなく、親子の情愛を描くことが目的の場面です。そのことを踏まえた上で松也の忠信を観ると、素晴らしい出来だったと思います。
 本物の忠信は、武士らしい威厳と格式を重んじる重厚さがあり、あとの狐忠信はかわいらしく声色も全く異なり、父母の皮で作られた鼓に対する愛着と情愛を細やかに表現しています。その演じ分けも見事で、ストーリーに引き込まれていきます。ケレンがメインであると、動きばかりに目を奪われ物語に浸るということがなくなります。どちらが良いか?ということではありませんが、歌舞伎本来の楽しみ方は、親子の情愛を訴えかけてくる舞台だと感じました。
 義経を演じる中村隼人は、見目麗しく義経役にピッタリです。静御前の坂東新悟は、語りかける言葉に情愛が込められ、親を慕う子狐(狐忠信)の心情を思いやる優しに溢れています。この二人の役者の台詞が、よく通る声で語られるのでわかりやすく物語をグッと盛り上げてくれています。とてもバランスの良い配役で、しっくりとはまった感覚がありました。
 若手役者でも、ここまでできるというところを示した素晴らしい舞台だったと思います。



浅草公会堂からの浅草寺 
 浅草公会堂から見える風景は、絶景です!浅草寺が一番奇麗に見えるビューポイントですね。

 
 新年にふさわしい眺めと舞台を堪能した一日でした。




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テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

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 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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