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ミハイロフスキー劇場バレエ『ローレンシア』



 新春バレエは、ミハイロフスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)が来日しています。まず最初のバレエは、『ローレンシア』からスタートします。





ローレンシア 


 実は、『ローレンシア』というバレエ演目は初めて耳にするもので、セット券で購入すると「とってもお得!」だったので観ることにしました。そんな訳で、ほとんど期待をせずにペレンが出るということだけは期待してましたが(笑)、気軽な気分で観ていました。

 『ローレンシア』は、スペインを舞台にした自由を求める民衆劇で、ソビエト時代のロシア・バレエの代表作です。初演は、キーロフ(現マリインスキー)劇場で、1933年3月に行われました。振付け演出したのは、キーロフ・バレエの名舞踊手ワフタング・チャプキアーニです。傑出した踊りの才能が振付けの才能と合致し、超絶技巧の連続する踊りです。この超絶技巧を踊るのが、ボリショイ・バレエから2011年にミハイロフスキー劇場バレエに移籍したイワン・ワシリーエフ(上記の写真のダンサー)で、初めての来日公演になります。

 イワン・ワシリーエフが出てきた瞬間から、驚きの連続です。まず、背が高くなく、通常王子様を踊るダンサーのような長くて細いスマートな脚ではなく、カエルのようなパンパンに張った太ももで短い足、引き締まっているがプリッとした大きなお尻。スタイルもスマートとは言えない全身筋肉で覆われたような筋肉質の体感が、バレエダンサーではなく別のスポーツ選手を感じさせます。
 踊り始めて、さらに驚きが続きます。まるでトランポリンの上で踊っているような、弾むようなバネのある跳躍や回転に目が釘付けになりました。力強い英雄的なダイナミックな動き、超絶技巧を楽々とこなし、男性的で野性味溢れる激しさに引き込まれていきます。少女マンガに出てくるような甘く美しい王子様ダンサーが多い中、全く異なる力強いヒーローのような圧倒的な存在感があって、心を揺さぶられる強烈な印象が残ります。
 これほどまでに、男性ダンサーが際立っている舞台も珍しいと思います。

 ローレンシア役のイリーナ・ペレンは、美しく可憐で高い技術力あります。後半のボロボロの衣装になって踊るシーンは、ジャンヌ=ダルクを彷彿とさせる神々しさを感じました。

 この舞台は、バレエの美しさを追究するというよりも理不尽な権力に立ち向かう民衆の力を表現した社会性の強いものだと思います。終盤、主役の二人が、ボロボロの衣装のまま闘い踊る様子は、今までイメージしていたバレエの世界を超えて、訴えかけてくるものがあります。「供に闘おう!」という気分になり、何かスカッとしたさわやかさと奮い立つような気力が沸いてくるような舞台でした。

 「こりゃ〜、春から良い舞台を観たな〜!」という感じで、とっても楽しめて新年最初の演劇にふわわしいものでした。






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テーマ : バレエ
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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