2015年 歌舞伎観劇〜INDEX〜
2015年 歌舞伎観劇〜INDEX〜
01月03日 「石川五右衛門」 新橋演舞場(海老蔵)
01月09日 「祇園祭礼信仰記〈金閣寺〉」 歌舞伎座昼(七之助)
01月09日 「蜘蛛の拍子舞」 (玉三郎)
01月09日 「一本刀土俵入」 (幸四郎)
01月14日 「番長皿屋敷」 歌舞伎座夜(吉右衛門)
01月14日 「女暫」 (玉三郎)
01月14日 「黒塚」 (猿之助)
01月23日 「仮名手本忠臣蔵 五、六段目」 浅草二部 (松也)
01月23日 「猩々」 (種之助)
01月23日 「俄獅子」 (松也)
01月27日 「南総里見八犬伝」 国立劇場 (菊五郎)
02月06日 「吉例寿曽我」 歌舞伎座昼(歌六)
02月06日 「彦山権現誓助劔」 (菊五郎)
02月06日 「積恋雪関扉」 (幸四郎)
02月11日 「一谷嫩軍記」 歌舞伎座夜(吉右衛門)
02月11日 「神田祭」 (菊五郎)
02月11日 「水天宮利生深川〈筆屋幸兵衛〉」 (幸四郎)
03月06日 「梅雨小袖昔八丈〈髪結新三〉」 国立劇場 (橋之助)
03月06日 「三人形」 (錦之助)
03月17日 「菅原伝授手習鑑 加茂堤、筆法伝授、道明寺」 歌舞伎座昼(仁左衛門)
03月25日 「菅原伝授手習鑑 車引、賀の祝、寺子屋」 歌舞伎座夜(染五郎)
04月08日 「双蝶々曲輪日記 角力場」 平成中村座(彌十郎)
04月08日 「勧進帳」 (橋之助)
04月08日 「新皿屋舗月雨暈〈魚屋宗五郎〉」 (勘九郎)
04月10日 「梶原平三誉石切〈石切梶原〉」 歌舞伎座夜(幸四郎)
04月10日 「成駒家歌舞伎賑 鴈治郎襲名披露口上」 (鴈治郎)
04月10日 「心中天綱島〈河庄〉」 (鴈治郎)
04月10日 「石橋」 (染五郎)
04月17日 「碁盤太平記」 歌舞伎座昼(扇雀)
04月17日 「六歌仙容彩」 (菊五郎)
04月17日 「廓文章 吉田屋」 (鴈治郎)
04月22日 「梶原平三誉石切〈石切梶原〉」 歌舞伎座夜(幸四郎)
04月22日 「成駒家歌舞伎賑 鴈治郎襲名披露口上」 (鴈治郎)
04月22日 「心中天網島〈河庄〉」 (鴈治郎)
04月22日 「石橋」 (染五郎)
05月08日 「慶安太平記 丸橋忠弥」 歌舞伎座夜(松緑)
05月08日 「蛇柳」 (海老蔵)
05月08日 「神明恵和合取組〈め組の喧嘩〉」 (菊五郎)
05月11日 「摂州合邦辻 合邦庵室」 歌舞伎座昼(菊之助)
05月11日 「天一坊大岡政談」 (菊五郎)
06月10日 「天保遊侠録」 歌舞伎座昼(橋之助)
06月10日 「新薄雪物語 花見・詮議」 (菊之助)
06月15日 「新薄雪物語 広間・合腹・正宗内」 歌舞伎座夜(仁左衛門)
06月15日 「夕顔棚」 (菊五郎)
06月18日 「壺阪霊験記」 国立劇場 (孝太郎)
07月02日 「三人吉三」 シネマ歌舞伎(勘九郎)
07月05日 「絵本合法衢」 大阪松竹座夜(仁左衛門)
07月06日 「絵本合法衢」 大阪松竹座夜(仁左衛門)
07月07日 「御存鈴ヶ森」 大阪松竹座昼(孝太郎)
07月07日 「雷船頭」 (時蔵)
07月07日 「ぢいさんばあさん」 (仁左衛門)
07月13日 「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」 歌舞伎座夜(海老蔵)
07月13日 「怪談牡丹燈籠」 (玉三郎)
07月17日 「義経千本桜 渡海屋・大物浦」 国立劇場 (菊之助)
07月24日 「南総里見八犬伝 芳流閣屋上・円塚山」 歌舞伎座昼(獅童)
07月24日 「与話浮名横櫛 見染め・源氏店」 (海老蔵)
07月24日 「蜘蛛絲梓弦」 (猿之助)
07月24日 「怪談牡丹燈籠」 歌舞伎座夜(玉三郎)
08月07日 「ひらかな盛衰記 逆櫓」 歌舞伎座二部(橋之助)
08月07日 「銘作左小刀〈京人形〉」 (勘九郎)
08月12日 「ひらかな盛衰記 逆櫓」 歌舞伎座二部(橋之助)
08月13日 「おちくぼ物語」 歌舞伎座一部(七之助)
08月13日 「棒しばり」 (勘九郎)
08月19日 「芋掘長者」 歌舞伎座三部(橋之助)
08月19日 「祇園恋づくし」 (扇雀)
09月14日 「伽羅先代萩」 歌舞伎座夜(玉三郎)
09月19日 「双蝶々曲輪日記」 歌舞伎座昼(梅玉)
09月19日 「紅葉狩」 (染五郎)
09月19日 「競伊勢物語」 (吉右衛門)
09月24日 「操り三番叟」 赤坂歌舞伎(勘九郎)
09月24日 「於染久松色読販〈お染の七役〉」 (七之助)
10月02日 「高野聖」 シネマ歌舞伎(玉三郎)
10月07日 「伊勢音頭恋寝刃」 国立劇場 (梅玉)
10月14日 「壇浦兜軍記〈阿古屋〉」 歌舞伎座夜(玉三郎)
10月14日 「梅雨小袖昔八丈〈髪結新三〉」 (松緑)
10月19日 「壇浦兜軍記〈阿古屋〉」 歌舞伎座夜(玉三郎)
10月19日 「梅雨小袖昔八丈〈髪結新三〉」 (松緑)
10月21日 「音羽嶽だんまり」 歌舞伎座昼(松也)
10月21日 「矢の根」 (松緑)
10月21日 「一條大蔵譚」 (仁左衛門)
10月21日 「人情噺文七元結」 (菊五郎)
10月23日 「ワンピース」 新橋演舞場(猿之助)
11月11日 「江戸花成田面影」 歌舞伎座夜(堀越勸玄)
11月11日 「元禄忠臣蔵 仙石屋敷」 (仁左衛門)
11月19日 「神霊矢口渡」 国立劇場 (吉右衛門)
11月25日 「源平布引滝〈実盛物語〉」 歌舞伎座昼(染五郎)
11月25日 「若き日の信長」 (海老蔵)
11月25日 「曽我綉侠御所染〈御所五郎蔵〉」 (菊五郎)
12月07日 「東海道四谷怪談」 国立劇場 (幸四郎)
12月10日 「本朝廿四孝 十種香」 歌舞伎座昼(七之助)
12月10日 「赤い陣羽織」 (中車)
12月10日 「重戀雪関扉」 (松緑)
12月24日 「妹背山婦女庭訓」 歌舞伎座夜(玉三郎)
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春の足音
怒濤の歌舞伎月間が終わり、やっと落ち着いた日々を過ごせるようになりました。
観劇は大好きですが、結構疲れます。
明日から天気が崩れるようなので、生田緑地をぐるっと偵察に行ってきました。
日当りが悪いところは、けっこう雪が残っていたり、ぬかるんでいたりで足元は要注意です。
数年前に生田緑地で靭帯断裂の怪我をしてしまってから、注意深くなりました。

谷戸の田圃もまだまだ凍っています。

広場にある蠟梅は、見事に咲いていました。

そして、同じく広場にある白梅もこんなに咲いています。
梅園までは行かなかったので様子は分かりませんが、広場の梅よりわずかに遅く咲く梅園もそろそろいい時期を迎えるような気がします。
春が待ち遠しいですね。
中車、愛之助、大阪・初春大歌舞伎で頑張ってます!
今年は、一月から大阪観劇ツアーを決行しました。一月というのは、歌舞伎が最も多い月で五座(歌舞伎座、新橋演舞場、浅草公会堂、国立劇場、大阪松竹座)で開催されています。
この中でも大阪で上演される演目は、いつも面白いので目が離せません。今回も1泊2日で昼・夜の部両方を観劇する弾丸ツアーで行ってきました。


まずは夜の部で、一番楽しみにしていた演目が『研辰の討たれ』です。これは平成十七年に、十八代目中村勘三郎襲名公演で『野田版:研辰の討たれ』で観て以来です。野田版は、スピーディで舞台演出も斬新で、勘三郎の面白さが余す所無く発揮された新感覚の歌舞伎です。今回は、本来の歌舞伎の『研辰の討たれ』がどんなものか?とっても楽しみでした。
職人上がりの侍、守山辰次を片岡愛之助、敵討ちをする兄弟、平井九市郎を市川中車、弟・才次郎を中村壱太郎が演じています。愛之助の辰次は、想像以上に面白くて役柄に合っていることに驚きます。
倶利伽藍峠の「ふご渡し」の宙乗り、本水を使った仕掛けなど凝った演出で、物語も面白く楽しめる演目です。何故か?上演回数も少なく、特に東京での公演は平成三年が最後です。こういう面白い演目は、もっと頻繁に上演してほしいと思います。
夜の部最後の演目『芝浜革財布』は、人情噺を元にした、笑いあり、涙ありの世話物の作品です。中車と中村扇雀が、とっても良い味を出しています。中車の世話物は、目を見張る凄さがあります。なかなか世話物が巧く演じられる役者が少なくなっているので、とても貴重な存在になっていくと思います。お酒の飲み方、酔い方が見事で、演技なのか?地でいっているのか?区別がつかないほどです。

今回の目玉演目が、昼の部の『らくだ』です。平成二十三年に京都南座で初めてこの演目を観た時の衝撃が、今も忘れられません。なかなか東京での上演が無く、待ちに待っていたら大阪でやると知って、ここまで来てしまいました。その期待に反しない舞台です。
紙屑屋久六の中車は、大阪弁で演じていますが、情けない役も天下一品です。やたけたの熊五郎の愛之助も、この役にピッタリで中車とのやりとりが、素晴らしい。間合いのとりかたや呼吸もあっているのは、TVドラマ「半沢直樹」からの影響もあるのでは?と思わせるほどです。
ここでも中車の酔っぱらいの演技が、爆発します。気の小さい久六は、どんどんお酒が回ってゆくにしたがい、気が大きくなって人が変わってきます。熊五郎の愛之助との主従関係が逆転してゆく様子は見物です。
らくだの宇之助の死体を担いで、カンカンノウ踊りをするなど笑わずにはいられない場面も沢山あって、わらい溢れる舞台です。
この演目も、ぜひもっともっとやってほしいです! 一度観たら忘れられない作品です。歌舞伎には、こういうお芝居もあるのかとビックリします。

崎陽軒の「特製シウマイ」は、本当に美味しいです。これを食べたら、普通のシウマイに戻れません。

今が旬の鯖。八十島の鯖寿司は、絶品です。今まで食べた中で、一番美味しい!と感じました。穴子寿司もふわふわでこれも美味しいです。
食い倒れの街「大阪」は美味しいもの、関東にはない珍しいものが一杯でいつも楽しみです。
壽初春大歌舞伎 大阪松竹座
昼の部
一 鳴神
二 枕獅子
三 らくだ
夜の部
一 桂川連理柵 帯屋
二 研辰の討たれ
三 芝浜革財布
幸四郎、染五郎、金太郎、親子三代揃い踏み「初春大歌舞伎:夜の部」
歌舞伎座で開催されている「初春大歌舞伎」夜の部では、松本幸四郎、市川染五郎(幸四郎の長男)、松本金太郎(染五郎の長男)の親子三代で大舞台に挑んでいます。


今月の歌舞伎座は、昼・夜の部ともに充実した演目です。
「夜の部」最初の演目『猩々』は、中国の伝説の霊獣で酒好きの猩々(中村橋之助と中村梅玉)が、酒を飲みながら舞踊を披露します。中村橋之助は踊りが巧く切れのある力強い舞いを、中村梅玉は柔らかく形の美しい舞いを踊ります。お正月にふさわしい華やかな踊りで、ほろ酔い気分が漂います。
第二の演目『二条城の清正』は、幸四郎の加藤清正、金太郎の豊臣秀頼の二人芝居とも言える舞台です。二条城で徳川家康に対面する秀頼に、病身を押して清正は秀頼にお供して守り抜きます。
秀頼役の金太郎は、最初から最後まで一時間余の舞台、出ずっぱりです。まず、家康に招待されて二条城に到着して挨拶をし、豪華な二条城の一室での家康とのやりとり、対面を済ませ帰りの船上で清正としんみりとかわす会話。わずか十歳の金太郎は、この大役を立派に勤め、「あっぱれ!」としか言いようがありません。端正な顔立ち、品格を兼ね備えた雰囲気、良く通る声、長い台詞もきっちりとこなし、凄い役者になりそうで本当に楽しみです。
清正の幸四郎も孫と一緒に舞台に立っている喜びを、全身で表現するかのような力の入れようです。まさに役者冥利に尽きるというものです。会場からも、微笑ましい笑いが起こります。
この演目は、舞台演出がとっても美しく、特に船上の場面は印象的です。夜から明け方へと変化する照明の色合い、松明を燃やす明かり、朝もやの中大坂城が近づいて来る風景と実に見事です。
第三の演目『廓文章:吉田屋』は、中村鴈治郎の藤屋伊左衛門、坂東玉三郎の夕霧。この演目は、玉三郎と片岡仁左衛門のコンビが一番好きですが、鴈治郎と玉三郎のコンビには違う味わいがあってなかなか良いです。鴈治郎のひょうきんで、おちゃめな伊左衛門がキュートです。いつもは、父・坂田藤十郎の夕霧ですが、玉三郎の夕霧の方が鴈治郎の良さを感じたのは、気のせいではないと思います。
第四の演目『雪暮夜入谷畦道:直侍』 歌舞伎の舞台でもっとも素晴らしい演出は、「雪」です。この舞台は、江戸情緒あふれる浮世絵の世界を描いているような美しさです。雪がちらちら舞う様。傘からこぼれ落ちる粉雪の様。木戸の上に積もった雪が、ドサッと落ちる様。どれもが、一服の絵になりそうです。
雪が降り積もって、雪のちらちら舞う中の入谷の蕎麦屋は、風情があります。直次郎役の染五郎の蕎麦屋のシーンは、江戸庶民の細やかな描写や小道具としっとりした風情です。
小悪党で色男の直次郎は、染五郎にとっても良く合っていて「はまり役」です。染五郎の良さがこれだけ際立つのも、脇を固める役者がピタリとはまり、一人一人が巧いからです。何気ない蕎麦屋の夫婦も自然で、しっくりとくる心地よさがあります。中村東蔵は、何をやっても巧い名脇役で欠かせない役者です。この東蔵の丈賀は、情と深みのある按摩で舞台に厚みが出てきます。
直次郎と恋仲の三千歳を中村芝雀が演じていますが、頽廃的な遊女の役柄が板についていて、程よい色艶がちょうど良い感じです。芝雀は三月、雀右衛門も襲名しますが、もっともっと芸の幅が広がると良いと思っています。
そしてちょっと気になった役者が、暗闇の丑松を演じた中村吉之助です。ポスターの写真にも載っていないのですが、声の張りも良く、押し出しもあって存在感のある丑松を演じています。芝居の流れに添った役作りをしており、直次郎(市川染五郎)との掛け合いも調和のとれたやりとりで、非常にバランス感覚の優れた役者です。吉之助とは、何者か?(笑)調べてみると、中村吉右衛門の部屋子として修行を積み、平成6年に中村吉之助と改め名題昇進し、翌年中村吉之丞の芸養子となったという経歴です。
歌舞伎は、主役だけ良くても良い舞台は作れません。名脇役から端役まで揃ってこそ、「あ〜、良い舞台だったなぁ!」と思えるものです。そういう意味で、最後の演目は実に満足感のある素晴らしい舞台でした。「夜の部」はどの演目も見応えもあり、演目の選び方のバランスも良く、どれも秀逸の出来映えです。なかなかこれだけ三拍子そろうのは、珍しいことです(笑)。
宿り木
冬の生田緑地は、陽がよく差し込んで明るいです。
見通しもよくなり、今まで見えなかったものがよく目につくようになってきます。
見上げれば、この時期には珍しい青々とした茂みが見つかると思います。
「宿り木」です。
丸い玉のように広がっています。
この写真は少し前のものなので、今頃は実がなっていると思います。
この実を目当てに、キレンジャクやヒレンジャクたちが集まって冬の貴重な餌としています。
食べた粘り気のある実を糞として落とすと、樹皮上に張り付いてそこから発芽し、次の寄生が始まります。

松也を中心に『新春浅草歌舞伎』。次世代の花形歌舞伎役者、頑張る!
快晴の浅草寺は、お正月飾りも華やかでで気持ち良いです。「新春浅草歌舞伎」を観に来る時は、浅草寺で初詣をしながら散策するのが楽しみの一つになっています。年々外国人観光客が増えていて、この日も日本人より外国人の方が多いのでは?と思える程でした。


「新春浅草歌舞伎」は、若手の歌舞伎役者を中心に上演されていますが、今年は、尾上松也、坂東巳之助、板東新悟、中村隼人、中村米吉、中村国生の六人です。若手役者は、なかなか主役を演じる機会が回ってきませんが、浅草歌舞伎で主役を勤め修行を積んでいきます。実力、人気をつけてゆく重要な舞台です。
今回は、第二部の舞台を観に行きました。
『毛抜』は、歌舞伎十八番の演目で主役の粂寺弾正を坂東巳之助が勤めています。役柄は巳之助に良く合っているのですが、力が入り過ぎているのか?張り切り過ぎているのか?、声を大きく張り過ぎて、芝居が一本調子になってしまっています。もっと強弱をつけ、力を抜くところは抜かないと、この役の良さが出てきません。粂寺弾正は、ちょっとスケベな色気と愛嬌、豪快さを持った役柄です。そういう味は、年齢と経験を要するところです。亡き十二代目市川團十郎は、「おおらかで品と色気のある弾正だったなぁ〜」となつかしく思い出していました。
巳之助の父、三津五郎もしなやかで色気のある役者でした。いつか父親や先輩役者に並ぶ演技ができる素質を十分に持っています。これからの巳之助を見守りたいです。
『義経千本桜 =川連法眼館の場=』 『義経千本桜』は、歌舞伎演目の中でも屈指の名作で人気のある作品です。『川連法眼館』は『四ノ切(しのきり)』と通称されていますが、「切場」ではありません。最初に本物の忠信が出て、ついで狐忠信が出てきます。この役を尾上松也が勤めています。
この狐忠信をケレンで魅せる市川猿之助の芸が印象に残り、その動き、早替わりや宙乗りの記憶が正しい評価の妨げになりますが、本来ケレンをみせるのが目的ではなく、親子の情愛を描くことが目的の場面です。そのことを踏まえた上で松也の忠信を観ると、素晴らしい出来だったと思います。
本物の忠信は、武士らしい威厳と格式を重んじる重厚さがあり、あとの狐忠信はかわいらしく声色も全く異なり、父母の皮で作られた鼓に対する愛着と情愛を細やかに表現しています。その演じ分けも見事で、ストーリーに引き込まれていきます。ケレンがメインであると、動きばかりに目を奪われ物語に浸るということがなくなります。どちらが良いか?ということではありませんが、歌舞伎本来の楽しみ方は、親子の情愛を訴えかけてくる舞台だと感じました。
義経を演じる中村隼人は、見目麗しく義経役にピッタリです。静御前の坂東新悟は、語りかける言葉に情愛が込められ、親を慕う子狐(狐忠信)の心情を思いやる優しに溢れています。この二人の役者の台詞が、よく通る声で語られるのでわかりやすく物語をグッと盛り上げてくれています。とてもバランスの良い配役で、しっくりとはまった感覚がありました。
若手役者でも、ここまでできるというところを示した素晴らしい舞台だったと思います。

浅草公会堂から見える風景は、絶景です!浅草寺が一番奇麗に見えるビューポイントですね。
新年にふさわしい眺めと舞台を堪能した一日でした。
NHKラジオ第2「これが歌舞伎だ!」の放送予定
NHKラジオ第2放送の文化番組では、様々なジャンルの放送をやっていて、カルチャーラジオとしてとても勉強に役立ちます。曜日毎にジャンルがあり、3ヶ月単位で放送。30分〜40分ぐらいと放送時間も短く、テキストも書店で手に入りやすいので興味のある分野だけ聞きかじるだけで随分参考になることが多いと思います。
1月から新番組が始まりますが、歌舞伎が登場したのでちょっとご紹介します。
◯毎週日曜の朝放送の「こころをよむ」という番組で、1〜3月のテーマが、
『これが歌舞伎だ!』極みのエンターテイメントと題して全13回放送予定です。
放送時間 (日)6:45〜7:25 再放送:翌週(日)13:20〜14:00
第1回 ようこそ歌舞伎の世界へ (1/10 再1/17)
第2回 創生から華やかなる道まで (1/17 再1/24)
第3回 劇場と舞台機構 (1/24 再1/31)
第4回 芝居はまず役柄ありき (1/31 再2/7)
第5回 魅せる表現と演出 (2/7 再2/14)
第6回 團十郎と歌舞伎十八番 其の一 (2/14 再2/21)
第7回 團十郎と歌舞伎十八番 其の二 (2/21 再2/28)
第8回 まずは知るべき三代名作 (2/28 再3/6)
第9回 これが歌舞伎のヒーローだ (3/6 再3/13)
第10回 外題(げだい)は楽しい言葉遊び(3/13 再3/20)
第11回 心にひびく名せりふ (3/20 再3/27)
第12回 技が光る大道具・小道具 (3/27 再4/3)
第13回 歌舞伎キーワードあれこれ (4/3 再4/10)
今は様々な録音方法があって便利ですね。
我が家はラジオを聞く事が多いので、USBメモリーへ録音出来るUSB端子付きのミニコンポで録音しています。
パソコンでもラジオ録音が出来るようですが、まだチャレンジしていません。
ちなみに、今月のカルチャーラジオで私達が気になるところをピックアップしてみました。
毎週(水)芸術とその魅力 ジャズの帝王マイルス・デイビスを全12回で
毎週(金)科学と人間 いのちのゆりかご 海の生物の不思議を全12回で
毎週(日)日曜版 レイチェル・カーソンに学ぶを全4回で
他にもたくさんありますので、放送時間等はご確認ください。
海老蔵の弁天小僧「知らざぁいって聞かせやしょう!」
新橋演舞場では、初春花形歌舞伎を上演しています。海老蔵の弁天小僧が見所です。

今回の一番の見所は、『弁天娘女男白浪=白浪五人男=』です。これは本外題を『青砥稿花紅彩絵』といいますが、五人男の見立絵に想を得た河竹黙阿弥の七五調の名台詞で歌舞伎屈指の人気の作品です。通し上演時は『青砥縞花紅彩絵』、〈浜松屋〉と〈勢揃い〉の場だけの時は『弁天娘女男白浪』、通称は『白浪五人男』といっています。
五世尾上菊五郎の出世作で、『知らざぁ言って聞かせやしょう』に続くせりふの中に「ここかしこの寺島で小耳に聞いた祖父さんの」という部分がありますが、「寺島」とは尾上菊五郎家の本名で、「祖父さん」とはこの役を初演した五代目菊五郎を指していると言われています。
現・菊五郎や菊之助が演じる時はこのせりふですが、他の家の人が演じるときは「小耳に聞いた音羽屋の」と言い替えていいます。海老蔵も「音羽屋の」と言い換えていました。
それ程この役は、菊五郎家のはまり役で特に現・菊五郎の弁天小僧は、声の張り、江戸の世話ものらしい言い回しが素晴らしく絶品です。
海老蔵もこの弁天小僧を何度か演じていますが、その度ごとに進化を遂げています。
海老蔵の女方は、硬質な美しさと凄みがあって結構好きです。武家の娘に化け、呉服屋(浜松屋)で万引きとみせかけゆすりを働きますが男と見破られ、開き直る瞬間の睨んだ目が凄いです。このあと「知らざぁ言って聞かせやしょう」と啖呵を切る名台詞は、歌舞伎を知らない人でも耳にしたことがあるくらい有名です。
男になってからの海老蔵は、サバサバとして格好良く菊五郎とは違う味があります。極楽寺の山門の上の立ち回りは、さすが見事です。傾斜の屋根の上で、縦横無尽に暴れ回る姿が一つ一つ決まっています。
今回の海老蔵の弁天小僧は、上出来と言えるでしょう。花形歌舞伎ということで、脇を固める役者も若くきびきびとした動きは良いのですが、ちょっと間が悪かったり、「脇が甘い」と感じることも目立ちました。花形歌舞伎で修行を積んで、歌舞伎座の大舞台を勤めるのですから、そこは大目に見てあげるしかありません。
『白浪五人男』を観終わって感じたことは、色気があって、ちょっとべらんめぇな菊五郎の弁天小僧が、無性に観たくなったことです。菊五郎にしか出来ない弁天小僧です。息子の菊之助が、年を重ねてもたぶんできないでしょう。
「◯ ◯ のこの役が観たい!」と言わせる役者は凄いです。それだけのはまり役を持っている役者は、役者冥利に尽きるとも言えます。そういう舞台に、一つでも多く出逢いたいものです。

『白浪五人男』の大きな羽子板が、正面入り口に飾られています。「お正月らしい」と感じさせてくれます。

今日の見物のお供は、初物の「桜餅」。道明寺です。
新春花形歌舞伎 新橋演舞場
一 菅原伝授手習鑑 車引
二 弁天娘女男白浪 白浪五人男
三 七つ面
初春大歌舞伎は、玉三郎の『茨木』から!
新年の歌舞伎座は、垂れ幕や中央の房が新しくなり紫色がことの外美しいです。自然と身が引き締まる思いで、大きな門松の中央を通りながら正面玄関をくぐります。新年最初の歌舞伎の始まりです。


歌舞伎座内でしか食べられない「めで鯛焼き」。紅白のお餅が入っています。一年中売っていますが、私達は毎年お正月の最初の歌舞伎観劇で食べることに決めています。お正月の「めで鯛焼き」は、ひと味違って感じます。
「昼の部」の一番楽しみにしていた演目は、『茨木』です。この演目は、新古演劇十種の一つで五代目菊五郎が市川宗家の十八番に対抗して練り上げた演目で、松羽目舞踊の名作です。
伯母真柴(実は鬼女の茨木童子)を坂東玉三郎、渡辺源次綱を尾上松緑、太刀持音若を尾上左近(松緑の長男)で勤めています。
最初に目につくのは、お正月らしく、華やかな舞台構成です。
舞台中央の背景に巨大な松を描いた松羽目物。正面に長唄囃子連中がずらっと並びました。緋毛氈を掛けた山台に唄い方9人、三味線9挺。山台前下に左から太鼓1、大鼓1、小鼓4、笛1と総勢25人の大合奏はあまり観る機会がありません。あまりの多さに思わず数えてしまいました。勧進帳よりも多い気がします。
松緑、左近親子が舞台に出、長唄のお囃子の後、まず、老婆・真柴の出が、能そのものです。花道を歩いて来る姿の中に、静謐で品格のある老婆であることを印象づけます。真っ白な髪の毛、白く塗り込められ灰色の陰のある顔は、面(おもて)を付けているのかと思わせます。玉三郎を観に来た観客は、「これが玉三郎なの?本当に?」という疑いと、あるいはガッカリ感を持ったかもしれません。美しい玉三郎ではないからです。しかし、ほとんど表情の無い老婆に漂う気品、甥を大切に育ててきたことを切々と訴える伯母のやりきれない思い、一旦は館に入ることを拒まれたものの甥の源次綱が招じ入れてくれた時に見せる笑顔、淡々と上品に演じていきます。しかも、片腕を渡辺源次綱に切りとられているので、片腕が無い状態で演じているのです。
館に入った後に一差し舞う時も片腕だけで踊ります。源次綱に所望し、切りとった片腕を見せてもらう真柴が、鬼女に変わる瞬間の凄みは、背筋がゾッとする妖気が漂います。その後、鬼女・茨木になって(鬼の隈取りをして)登場する時よりも、この時の方が鬼女らしく思えます。
玉三郎に若い赤姫や美しい踊りを求めていた人たちには、ちょっと耐えられなかったのか?途中で退席して帰ってしまうお客さんが多かったことが残念です。もちろん、私たちも玉三郎の『道成寺』や『鷺娘』が観たいと強く思います。ぜひ、もう一度踊ってほしいと願っています。しかし、老婆と鬼女を踊りこなす玉三郎も素晴らしいです。能の動きや舞いは、とても難しいです。相当研究し、練習を積まなければここまでの踊りはできなかったでしょう。己を良く知っていて、厳しい人だからこそ年齢に合った役柄と、その年齢でないと踊れないものにこだわっていることがわかります。そのために挑戦をし続けていることも伝わってきます。観る側ももっと玉三郎を理解し、目を養ってほしいと感じずにはいられませんでした。
次に挙げたいのは、太刀持・左近の踊りです。まだ9歳なのに、9歳とは思えない扇を使った完璧な踊りを披露しました。松緑は踊りの名手です。その長男ですから才能もあるでしょうが、ここまで踊る稽古の厳しさは、如何ばかりかと考えてしまうほどです。父親の松緑と玉三郎の二人から教わったのかもしれませんが、将来がますます楽しみな左近です。
最後に源次綱の松緑ですが、人情味溢れ豪快な武将で格好良い役柄を自分のものにしています。特に、幕切れに飛び去った鬼のゆくえを見送って、抜き放った太刀を前に流し、大口を開けて見得をするところは、格好良すぎなくらい素晴らしい型です。松緑の見得は、美しく絵になるポーズです。
『茨木』以外、『梶原平三誉石切』の吉右衛門、芝雀、歌六は、何度も演じている役柄なので、安心して観ることができます。人気の時代物の作品でよく上演されます。面白い趣向がちりばめられ、楽しめる作品です。梶原景時役は、吉右衛門、幸四郎がやっていて良く合っていますが、今後若手のどの役者がこの役ができるのか?ちょっと心配になってもきます。
いろいろな思いが交錯しながら、新たな歌舞伎の一年がはじまりました。
壽新春大歌舞伎 歌舞伎座 昼の部
一 廓三番叟
二 義経千本桜 鳥居前
三 梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場
四 茨木
カワウ
天気もよく暖かなので、多摩川で野鳥でもと思って出掛けてみれば、
なんと!
消防署の出初式で大賑わい、対岸の東京都側でも出初式をやってます。
これじゃ、鳥もいないかと思って見渡せば、案の定一羽も見当たりません。
少し離れたところで、シジュウカラとオオバンを見かけたくらいでした。
仕方がないなと帰ろうと思ったら、カワウが一羽飛んできました。
目がグリーンで綺麗なので、ちょっと一枚。


飛び立つ瞬間は、ちょっとピンが外れてしまいました。
こちらに向かってくるときは難しいです。
ルジマトフの『海賊』(ミハイロフスキー劇場バレエ)
新春バレエ第2弾は、ミハイロフスキー劇場ルジマトフの『海賊』です。



ファルフ・ルジマトフと言えば、『海賊』アリ役でコバルトブルーの衣装が強烈な印象で記憶の中にあります。全くバレエを観ていなかった頃でさえ、彼の名前とこの衣装だけは知っていたという程ですから、いかに凄かったかがうかがえます。今回、52歳のルジマトフがコンラッド(海賊の首領)役として出演し、自らの演出ヴァージョンによる『海賊』を披露しています。
正直、「全盛期のルジマトフの『海賊』が観たかった!」という後悔が先にたちました。体型、容姿は年齢を感じさせませんが、跳躍、回転、動きの速さや切れは、年齢に勝てないことを証明しています。ただ、決めポーズの美しさだけが目立ち、逆に寂しさと時の流れの残酷さを際立たせてしまいます。バレエ界のスーパースターの在りし日の姿を求めるファンの気持ちが、伝わってきます。
歌舞伎役者でも、バレエダンサーでも、最高の時期の最高のはまり役の舞台を観れることは、本当に幸せなことです。「早いもの勝ち!」って、思うのです。「今から観ても遅くないと思いたい一方で、やっぱり早いもの勝ち」だと思い知らされた瞬間でもあります。
アリ役のヴィクトル・レベデフは若くて才能の片鱗を感じるものの、衣装はシャンパン色でコバルトブルーではなく、踊りの出番が少なくて添え物でしかありません。彼の踊りをもっと観てみたかったという気がします。
メドーラ役のイリーナ・ペレンは、美人で踊りも美しいのですが卓越したものを持っている訳ではなく、何か?物足りなさを感じてしまいます。むしろ、美しいギュリナーラ役のアナスタシア・ソボレワの踊りの方が、手足が長くのびやかでて大きく優雅な印象を受けました。たぶん技術力の差がなく、衣装や踊りの場面によっては、ペレンを超えているのかもしれません。
誰が主役なのか?はっきりしないまま、何となく華やかな舞台演出と衣装にごまかされたような印象が残ります。
一昨年から始まった私たちの「バレエ祭り」は、ボリショイ・バレエのザハーロワに始まり、シネマ・バレエを含め、NYのアメリカン・バレエ・シアター、ニューヨーク・シティ・バレエからシュツット・ガルトetc.と、今回のミハイロフスキー劇場バレエで、ひとまず終了します。集中して観てきたお陰で、バレエ団による特徴、技術の高さの程度、衣装や舞台の演出の豪華さorシンプルさ、演出や振付による違いなど色々比べて観ることができました。自分たちの好みもわかり、今後のバレエ鑑賞の選択方針が見えてきました。
我ながら充実したバレエ鑑賞ができたと思っています。生で観ないと感じられないもの、わからないものが沢山あります。その時々で感じた驚きや感動は、大事な宝物です。「出逢えて良かった!」と思えるダンサーを何人も見つけられたことは、とっても嬉しいことです。
ミハイロフスキー劇場バレエ『ローレンシア』
新春バレエは、ミハイロフスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)が来日しています。まず最初のバレエは、『ローレンシア』からスタートします。

実は、『ローレンシア』というバレエ演目は初めて耳にするもので、セット券で購入すると「とってもお得!」だったので観ることにしました。そんな訳で、ほとんど期待をせずにペレンが出るということだけは期待してましたが(笑)、気軽な気分で観ていました。
『ローレンシア』は、スペインを舞台にした自由を求める民衆劇で、ソビエト時代のロシア・バレエの代表作です。初演は、キーロフ(現マリインスキー)劇場で、1933年3月に行われました。振付け演出したのは、キーロフ・バレエの名舞踊手ワフタング・チャプキアーニです。傑出した踊りの才能が振付けの才能と合致し、超絶技巧の連続する踊りです。この超絶技巧を踊るのが、ボリショイ・バレエから2011年にミハイロフスキー劇場バレエに移籍したイワン・ワシリーエフ(上記の写真のダンサー)で、初めての来日公演になります。
イワン・ワシリーエフが出てきた瞬間から、驚きの連続です。まず、背が高くなく、通常王子様を踊るダンサーのような長くて細いスマートな脚ではなく、カエルのようなパンパンに張った太ももで短い足、引き締まっているがプリッとした大きなお尻。スタイルもスマートとは言えない全身筋肉で覆われたような筋肉質の体感が、バレエダンサーではなく別のスポーツ選手を感じさせます。
踊り始めて、さらに驚きが続きます。まるでトランポリンの上で踊っているような、弾むようなバネのある跳躍や回転に目が釘付けになりました。力強い英雄的なダイナミックな動き、超絶技巧を楽々とこなし、男性的で野性味溢れる激しさに引き込まれていきます。少女マンガに出てくるような甘く美しい王子様ダンサーが多い中、全く異なる力強いヒーローのような圧倒的な存在感があって、心を揺さぶられる強烈な印象が残ります。
これほどまでに、男性ダンサーが際立っている舞台も珍しいと思います。
ローレンシア役のイリーナ・ペレンは、美しく可憐で高い技術力あります。後半のボロボロの衣装になって踊るシーンは、ジャンヌ=ダルクを彷彿とさせる神々しさを感じました。
この舞台は、バレエの美しさを追究するというよりも理不尽な権力に立ち向かう民衆の力を表現した社会性の強いものだと思います。終盤、主役の二人が、ボロボロの衣装のまま闘い踊る様子は、今までイメージしていたバレエの世界を超えて、訴えかけてくるものがあります。「供に闘おう!」という気分になり、何かスカッとしたさわやかさと奮い立つような気力が沸いてくるような舞台でした。
「こりゃ〜、春から良い舞台を観たな〜!」という感じで、とっても楽しめて新年最初の演劇にふわわしいものでした。
もう春!?
なんという暖かさでしょう!
沖縄では、25℃以上の夏日になり、
北極では−25℃から一気に0℃になったそうです。
どこまでいくのか地球温暖化・・・冬鳥達も少ない訳です。
早春に咲く、「ホトケノザ」も間違って咲いてしまいました。
去年の暮れから、「オオイヌノフグリ」「タンポポ」と咲き、ついにお前もか!?って感じです。

大晦日の『ジルベスターコンサート』
東海大学の猛追撃で応援にも熱が入ってきた箱根駅伝の最中ですが、年末のジルベスターの様子をアップします。
最近の大晦日恒例行事は、『MUZAジルベスターコンサート』が定番になっています。一年間の締めくくりに、とっても充実したひと時を過ごせます。

今回の指揮者は、秋山和慶氏です。秋山さんの指揮を見ていると、「日本のカラヤンのようだ!」と感じます。オーケストラの持っている最大限の音量で押し寄せてくるような迫力、音に包まれる気持ちよさを身体中で受け止めることができます。

前半の見所は、ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」をオーケストラとピアニストの清塚信也さんとで共演します。初めて浸る世界観に圧倒されます。清塚さんのピアノの音色は、力強く華やかで、クラッシックとジャズの世界をその音の中に同時に感じることができます。まるで、グレン・グールドです。ジャズバーでバーボンを飲んでいるような気分で「ラプソディー・イン・ブルー」を聴いていると思ったら、ウィーンのニューイヤーコンサートを正装で聴いているような雰囲気を同時に味わっているみたいです。
目にも止まらぬ速さの指さばきに驚き、変幻自在のピアノの音色があらゆるジャンルの音楽を飲み込んでいくような感覚に酔い、ピアノの新たな世界に足を踏み入れたような気がします。
アンコールで弾いたピアノが、また凄いんです! 超高速で世界一周したような、スピード感と疲労感と感動が怒濤のような勢いで駆け抜けていきます。「こういうピアニストもいるんだ!出逢えて良かった!」と感じた瞬間です。
後半は、リチャード・ロジャースの「サウンド・オブ・ミュージック」より、オーケストラをバックにミュージカル風にアレンジした舞台です。マリア役の知念里奈は、はまり役で魅入ってしまいました。ミュージカルの役者は、歌が上手いことも必要ですが、それ以上に役柄に合っていることと演技力が重要です。歌一つ一つは、すべて日本語のなのでわかりやすかったですが、良く知っている曲ばかりなので英語で歌ってくれても良かったかな・・・とも思います。しかし、それぞれの配役も合っていて、歌も上手かったので素晴らしい最高の舞台でした。ミュージカルを一本観たような充実感と、ミュージカルの最高峰を実感でき満足感で満ち足りた時間を過ごせました。終わった時には、「サウンド・オブ・ミュージックのミュージカルを観に行こう!」と決意していました。
MUZAジルベスターコンサート2015
バーンスタイン「キャンディード」序曲
ガーシュイン「ラプソディー・イン・ブルー」
ピアノ : 清塚信也
リチャード・ロジャース「サウンド・オブ・ミュージック」より
マリア : 知念里奈
トラップ大佐 : 福井昌一
長女リーズル : 笠松はる
長男フリードリッヒ : 菊池銀河
次女ルイーザ : 広岡鈴
次男クルト : 横山温人
三女ブリギッタ : 加藤菜穂子
四女マルタ : 篠原志優
五女グレーテル : 種村梨百花
「サウンド・オブ・ミュージック」
「ディキシット・ドミヌス」(主は言われた)
「私のお気に入り」
「ドレミの歌」
「ひとりぼっちの羊飼い」
「エーデルワイス」
「すべての山に登れ」
「何かいいこと」
「行列聖歌〜マリア」
「さようなら、ごきげんよう」
指揮 秋山和慶
管弦楽 東京交響楽団
パイプオルガン 近藤岳
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
元日の朝、生田緑地の枡形山から富士山を眺めるのがここ数年の習慣になってます。
今年も行ってきました。空気が澄んでいて気持ちよかった〜。

展望台には、干支の方角にそれぞれの像が建ってます。ちょっと知的で何か考えてるような申でした。

皆さん、今年の目標は立てましたでしょうか?
続くか続かないかはともかく、何か一つはチャレンジをと毎年思っています。
今年は何にチャレンジするか・・・現在、思案中です(笑)
私達の先輩に、東海道五十三次を10年以上の歳月を掛け、徒歩で歩いている方がいます。仕事をしながらですから、少しずつ少しずつ行ける時に続きを歩き続けるというスタイルですが、ついに後2回行けばというところまで到達したようです。
一口に、東海道五十三次といっても、日本橋から京都三条大橋までは、約492kmあります。歩数にして82万歩だそうです。
昔の人はこの行程を約2週間で歩いたそうですが、平均1日35kmですから現代人にはあり得ません。箱根や鈴鹿の峠越えもあり、平坦な道ばかりではないですからね。それを完全制覇するという目標を立て、そのとおり実行するという気持ちの強さと行動力に敬意を表し、全力で応援したいと思います。
この意志を引き継ぎ、復路にチームでチャレンジ出来たらいいなと企んでいるところです。チームメンバーは、チーム内の和やかな和を尊重し、何年かかっても一緒にやりとげてくれる意思の強さと体力が必要です。頭の中に数人の顔が浮かんでます ^^
もし招待状が届いた方はご検討の程よろしくお願いします ^^/
さあ、何にチャレンジするか!
2016年が始まりました!