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クロイスターズ美術館




 10月30日(金曜日)快晴ですが、昨日とうってかわって肌寒い1日になりました。
 最高気温は16℃になるということですが、風がちょっと強めで思いの外寒いです。

 メトロポリタン美術館の入場券の半券を見せると一週間以内なら一度だけ無料になるというメトロポリタン美術館の別館「クロイスターズ美術館」に出掛けてみました。

 別館といっても隣にあるわけではありません。路線バスを使って、マンハッタンの一番北の端の終点まで1時間ほど行ったところです。セントラルパークの北端まで行き、ハーレムの端を横切り、観光で行くニューヨークとはかけ離れた雰囲気の中を進んでいきます。ちょっとした日帰り旅行です。

 終点を降りると、目の前にクロイスターズ美術館が現れます。現れるというより、他には何もない丘の上の突端です。
 フランスのいくつかの修道院を移築して造られ、中世の修道院の遺物を集めた美術館です。
 とても穏やかな気持ちになる落ち着いた雰囲気の素敵な場所でした。

クロイスターズ美術館


回廊 


イエスキリスト 


ユニコーンのタペストリー 


 ハドソン川を挟んだ対岸はニュージャージー州になります。
 息を呑む絶景というのは正にこういうことを言うのでしょうか。ちょうど見頃を迎えた一面の紅葉が対岸に延々と続きます。
 こんな素晴らしい紅葉は初めて見ました。

ジャージーサイドの紅葉 


 明日は、この対岸のニュージャージー州に向かう予定です。





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テーマ : 旅の写真
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オータム・イン・ニューヨーク



 心配していた天気も回復し、今日は朝からいい天気です。
 この時期のニューヨークは、最高気温が15〜22℃、最低気温が5〜10℃程度と寒暖の差が激しいです。
 朝晩が寒いかなと思って少し暖かめ服を用意してきましたが、
 スチーム暖房のニューヨークはホテルの部屋が暑くてビックリです。
 外気温の割には、地下鉄やバスは日本人には寒すぎるぐらいの冷房が入っているし、
 部屋は半袖半ズボンでも過ごせるぐらい暖かいしでちょっと困っています。

 それでも季節は秋。
 まさに、オータム・イン・ニューヨークです!

 広いセントラルパーク内をメトロポリタン美術館から歩いてみました。


セントラルパーク4 


セントラルパーク2 


セントラルパーク3 


セントラルパーク 

 紅葉は日本が一番綺麗なんだと今まで勝手に思っていましたが、
 ニューヨークもとっても綺麗です。
 黄色が美しく、落葉を見てもメイプルリーフなどで葉の形が日本と随分違います。

どんぐり 

 「どんぐり」も日本ではみたことがないものでした。
 帰ってから鉢植えで育ててみようかなといくつか拾ってきました。

ストロベリー・フィールズ 

 セントラルパークの西側72St.付近に「ダコタ・アパート」という超高級マンションがあります。
 ジョン・レノンとオノ・ヨーコが暮らしていたマンションで、
 この建物のエントランス前でジョン・レノンは凶弾に倒れました。
 その目の前のセントラルパーク内には、ジョン・レノンの死後、オノ・ヨーコがデザインしたモザイク「ストロベリー・フィールズ」が設置されています。今日も大勢の人が集まり「イマジン」が唄われていました。








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雨のニューヨークに到着しました





 長いフライトでしたが、無事ニューヨークに到着しました。
 今回は、成田でチェックインの際にプレミアムエコノミー席に空きがあり、アップグレードを薦められました。
 ニューヨーク便の当日アップグレードは追加料金30000円です。
 プレミアムエコノミー席は、フラットシートが出来る前のビジネスクラスの座席に近いものです。
 喜んでアップグレードさせてもらいました。

 快適そのものの空の旅で、時間を忘れさせてもらえます。
 ノイズキャンセリングヘッドフォンなので映画も集中して鑑賞出来ました。

 到着したニューヨークは、10月28日。もう一度水曜日を過ごします。
 JFK空港からエアトレインでジャマイカステーションへ行き、ここでEラインの地下鉄に乗り換えます。
 前回ちょっと大変だった難関のジャマイカステーション乗り換えもなんなくこなしマンハッタンへ。
 結構激しい雨降りのニューヨークに到着です。

雨のニューヨーク 



雨のニューヨーク2

 ホテル周辺はこんな感じです。
 初日なので買い出しにスーパーへ行き、初日は終了です。
 NFLアメフトに続き、NBAバスケ、NHLアイスホッケーと開幕するのでテレビを見るのも楽しみです。








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秋空に映える「セイタカアワダチソウ」



 
 秋空に良く映える「セイタカアワダチソウ」。
 多摩川河川敷では、ススキとの戦いにほぼ勝ったのか、全面的に黄色で埋まっています。

セイタカアワダチソウ



アキアカネ 
 トンボの季節もまもなく終わりです。今年最後の「アキアカネ」に逢えました。


 明後日から、再びニューヨークに行ってきます。
 ニューヨークまでは、直行便で行きは13時間、帰りは14時間半。。。ふぅ〜って感じです。
 地球の真裏なので長いフライトですけど、新作映画をたくさん見て、3食出る食事を楽しみに乗り切れば、
 オータム・イン・ニューヨーク!

 秋のニューヨークを満喫してきます。

 29日(現地28日)からは、N.Y.の様子をアップする予定です。







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新レンズ試し撮り



 そろそろ冬鳥がわたってくる季節。
 新レンズのニコン300㎜ f/4の試し撮りに多摩川へ行ってきました。
 まだ数は少ないですが、鴨達が渡ってきてました。
 コガモがほとんどな感じですが、オナガガモ、ヒドリガモもちょこちょこいるようです。
 新レンズを試すことばかり考えていたので、双眼鏡を持っていくのを忘れ遠くまではよく確認出来ませんでした。

コサギの喧嘩
 単焦点300㎜は明るくて、AFが早く、キリッとした感じで素晴らしいです。コサギの喧嘩シーンです。


コガモ♀ 
 コガモの雌です。写真が小さくて分かりにくいですが、羽の模様がくっきりし顔の細かい毛まで鮮明に写ります。この写真もトリミングで拡大してますが、まだまだ大きく出来そうです。
 

ヒドリガモ♂ 
 中央がヒドリガモ雄です。F値が4になったので、クローズアップが鮮明になってきました。


 今までの、55-300㎜ズームレンズと違い長さも重さも格段に大きく重くなりましたが、なんとか手持ちで頑張れるギリギリといったところです。いままでのレンズではテレコンバーターを着けられませんでしたが、こんどのレンズは、念願の1.4倍のテレコンバーターを装着出来ます。装着すれば420㎜までアップ出来るのでこれまた楽しみです。








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スーパー歌舞伎「ワンピース」




 新橋演舞場では、今月・来月続けてスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『ワンピース』が上演されます。

 大ヒットマンガ「ONE PIECE』を市川猿之助が、歌舞伎にしちゃいました。

ワンピース板絵2


ワンピース板絵1 
 演舞場前に掲げられたポスターは、どちらも迫力あってワクワク感が募ります。演舞場はまさに外も内もワンピースランドと化しました。


開演前の舞台 
 開演前は、舞台上に等身大?のルフィーの人形がお出迎え! 写真を撮らずにはいられません。


ワンピース定式幕 
 幕間の定式幕も、いかしています。


製作中のフィギュア原型 
 ルフィのフィギュアも、歌舞伎役者風!来年発売するそうで、その原型だそうです。


海賊弁当 
 お弁当まで、特製品が登場。


ワンピースグッズ 
 ワンピースグッズの限定発売が、いっぱい(20種類以上)あります。すでに完売したものが、いくつもあってビックリ!


 さて舞台の方は・・・第一幕を観た時は、「あれ、あれ、あれ・れ・れ?」正直ずっこけてしまいました。ちょっと心配してた「学芸会になっちゃうのでは?」という予感的中のガッカリ感でいっぱいになりました(汗)。

 第二幕では、本水を使った滝の中で激しい立ち回り。迫力・面白さ満載で、興奮もどんどんエスカレートしていくばかり。しかも、1階前列はたぶんずぶ濡れ。配られたビニールも役に立たなかったのではないでしょうか。たたみかけるように、次から次へと変わる場面展開の速さに引きずり込まれていきます。極めつけは、大きなクジラの客席上空空中浮遊、ルフィの会場を斜めに渡る宙乗りとスーパー歌舞伎の醍醐味であるケレンをふんだんに取り入れた舞台で圧巻の幕です。

 次の幕間中、興奮状態の観客がお土産物やへ殺到! グッズ売場の前は、まさにラッシュ状態。第二幕は、大成功でした。

 第三幕は、いよいよ海賊VS海軍の全面戦争に突入です。ものすごい紙吹雪、ルフィと仲間たちの船など華やかな幕でフィナーレにふさわしい満足感があります。

 猿之助が、ルフィ役、ハンコック役など美味しい役をやってますが、特に光っていたのは、坂東巳之助のボン・クレー役です。何しろカマーのボンクレーちゃんですから面白いのなんの。巳之助はゾロ役もやっているのですが、声が全く違うし、まるで別人が演じているみたいです。「巳之助やる〜!」ちょっと興奮気味です。ニューカマーランドのカマーショーは必見です。それからエース役の福士誠治が、なかなかいいのです。クールで、影もあるエースにピッタリで、格好いい。特に素晴らしかったのが、大きな赤い旗を使った立ち回りです。これは圧巻!


 この舞台は歌舞伎と言えるか?と聞かれると、微妙な気もしますが、これも歌舞伎です。第一幕はちょっと子供向け演劇風ですが、二幕目のアングラ風から段々と歌舞伎風に。歌舞伎は懐が深くて大きいと言えるでしょう。今回のスーパー歌舞伎は、まさに「ザッツ・エンターテイメント」です。小・中学生や初めて歌舞伎を観る方、アニメファンにもオススメかもしれません。歌舞伎鑑賞教室もこういう舞台だと、歌舞伎ファンがもっともっと増えると思います。

 マンガと歌舞伎のコラボレーションとは、猿之助も目のつけどころがGoodです。いろいろなものに挑戦してゆく姿勢が好きです。



 テレビや雑誌等で紹介されているスチール写真は、色とりどりの安っぽい衣装で麦わら一味が海賊船に乗り込んでいる場面が多く紹介されていますが、あの写真の印象がどうもいけません。どうしても学芸会の印象になってしまいます。私達も観に行く前は疑心暗鬼でした。原作を読んだ方はピンときますが、実際には「頂上戦争編」には麦わら一味はルフィー以外は一人も出てきません。話の繋がり上、一幕目と最後にあの扮装で出てくる麦わら一味が登場します。
 一幕目がこれからもっと練れていくと更に面白い「ワンピース」になると思うので期待しています。
 






テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

やっぱり菊五郎の世話物は、最高!




 歌舞伎座の「芸術祭十月大歌舞伎」昼の部も見どころが、たくさんあります。
 今月の歌舞伎座は、昼夜を通して今年一番の充実した観劇になりました。

一條大蔵板絵

 『一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』は、平家全盛期、平清盛の愛妾だった常盤御前を妻に迎えた一條大蔵長成を取り巻く物語です。源氏の忠臣吉岡鬼次郎夫婦は、常盤御前の本心を探ろうと大蔵卿の館に潜り込みます。阿呆として知られる一條大蔵卿は、実は源氏の血筋で源平の争いに巻き込まれないため作り阿呆をしています。その作り阿呆と本性の演じ分けが、この演目の一番の見どころです。
 今回の片岡仁左衛門の大蔵卿は、品があって高貴な公家の雰囲気が素晴らしいです。前半の天真爛漫な阿呆ぶりを装っている時の柔らかな笑顔が美しくて、チャーミング。ふざける仕草も可愛らしく、とってもキュートです。こういう柔らかな雰囲気は仁左衛門ならではですね。他の役者ではなかなかこうはいきません。
 そして後半の威厳と品格のある大蔵卿の姿が、これまた凛々しく、姿形も華やかな格好良さです。最後にまた作り阿呆に戻る様子がまた魅力的で素敵です。仁左衛門にしか出せない見目麗しい大蔵卿で、惚れ惚れします。


文七元結板絵 

 『人情噺文七元結』は、落語家の三遊亭円朝口演をもとにした江戸っ子の義理人情に溢れる名作です。

 尾上菊五郎の演じる左官長兵衛は、大の博打好きで借金が嵩み、年を越せそうにないありさま。家の苦境を救おうと娘のお久は、吉原に身を売って借金を返そうします。孝行娘がこしらえてくれた大事な五十両。すっかり心を入れ替えた長兵衛は、大金を懐に家路を急ぎますが、途中の大川端で出会った文七の命を救うため、この大金をあげてしまいます。
 自分も大変な時に、困った人を助けるため娘が身を売って作ってくれたお金をあげてしまうお人好しの長兵衛。江戸っ子の気っ風の良さ、義理人情の細やかさをここまで演じることができる役者は、菊五郎を置いて他にはいません。菊五郎は、本当に世話物の演技が見事です。「良い芝居を観たな〜」と、しみじみと感じるのも世話物を観た時が多いように思います。世話物は、江戸歌舞伎の真骨頂の演目です。菊五郎の後に続く役者が出てきてくれることを切に願っています。

 今月の歌舞伎座は、昼の部、夜の部ともに傑作揃い。こういう時は、お金に糸目をつけず何度も何度も観たいのものですが、そうもいかないところが悲しいところです(泣)。





芸術祭十月大歌舞伎 歌舞伎座 昼の部
  一 音羽嶽だんまり
        浄瑠璃「四君子」清元連中

  二 矢の根
        大薩摩連中

  三 一條大蔵譚
      檜垣茶屋の場
      大蔵館奥殿の場
  四 人情噺文七元結




テーマ : 歌舞伎
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玉三郎の『阿古屋』にもう一度逢いたくて!



 玉三郎の『阿古屋』が、あまりにも素晴らしくてもう一度観にきちゃいました。
 今回は、奮発して一階の二等席を取りました。いつも三階からの観劇なので、一階で観られると思うと数日前からワクワクします。

歌舞伎座


演目 


升本弁当 

 座席をグレードアップすると、観劇弁当もちょっと贅沢したくなります。「亀戸升本」のお弁当は絶品です。この日は、鴨すきご飯をチョイスしました。



 玉三郎の『阿古屋』は、一階で観ると一層あでやかで、三曲の音色もより際立ってダイレクトに耳に響きます。

 六十歳を越えた玉三郎は、若い頃の華奢ではかなげな美しさでは無く、自然体の中に年齢を重ねた秘めた品格と艶っぽさがあります。歌舞伎役者は、六十歳になってからと云われますが、この年齢に達した玉三郎を観ることができたのは幸せです。芸を極め、厚みと深さを増した表現力で、最高の舞台に出逢うことができます。もし、三島由紀夫が生きていたなら、玉三郎のために新作歌舞伎を作りたいという創作意欲をかき立てられたのではないでしょうか。
 玉三郎には、こだわりがあって六十歳を過ぎたら『道成寺』は踊らないと言っていますが、ファンとしては「ぜひ、今の玉三郎の『道成寺』や『鷺娘』の舞踊が観たい!」と強く願わずにはいられません。


 尾上松緑の「髪結新三」は、大家・左團次との呼吸も合ってきて増々良くなっています。松緑の新三は、スカッとした気分になります。観れば観るほど、松緑の新三が好きになります。惚れちゃいますね(笑)。新三の役は、三十代半ばから四十歳前後の脂ののった花形役者が最もふさわしいと松緑を見ていると感じます。
 今後、中村勘九郎が新三の役をやってくれると思います。松緑のカラッとしたタイプの新三に対して、亡くなった勘三郎の新三は、ちょっと陰のある陰湿な悪党・新三だったので勘九郎は、このタイプの新三を継ぐかもしれません。どちらが好みの新三か?見極めてみたくなりました。役柄の年齢に近い役者が演じてくれると、そのキャラクターが引き立ち、より一層舞台にのめり込める気がします。新三は、演じる役者によって、全く見え方が異なるので本当に面白いキャラクターです。

 今まで観た新三は、中村勘三郎、坂東三津五郎、尾上菊五郎、中村橋之助そして今回の尾上松緑と、これからどれだけの新三が観られるか、とっても楽しみです。









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凛々しいカンカンがいよいよ大歌舞伎のポスターに!




 先週、歌舞伎座に行ったら来月の大歌舞伎の巨大ポスターが貼ってありました。
 そして、下段中央にカンカンの凛々しい写真が!
 目が大きくてクリクリしてて可愛いです。
 「堀越勸玄」。
 初お目見得は、まだ襲名していないので本名です。
 市川海老蔵の本名は「堀越孝俊」ですから、その長男勸玄は「堀越勸玄」となります。
 ちなみに、右の「尾上左近」は「尾上松緑」の長男。昨年8歳に尾上左近を襲名しました。
 カンカンはいつ新之助に襲名するのかな〜。楽しみです。

勸玄ポスター

 来月は、ちゃんと毎日歌舞伎座に来てね〜。祈っています!







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待ちに待った、玉三郎の「阿古屋」!




 今月の「夜の部」は、坂東玉三郎が『阿古屋』をやります。待ちに待った演目なので、とっても楽しみにしていました。やっとこの日が来た〜!という、興奮状態で歌舞伎座に乗り込みました(笑)。

10月歌舞伎座


阿古屋板絵 


玉三郎ポスター 

 『壇浦兜軍記=阿古屋=』:平家の武将悪七兵衛景清が平家滅亡の仇を討とうと源頼朝をつけねらっています。景清の愛人・遊君阿古屋(玉三郎)が、景清の行方を知っているものと捕えられ問注所に引き出されます。代官の岩永左衛門(坂東亀三郎)は、拷問にかけようとしますが、詮議の指揮をとる秩父庄司重忠(尾上菊之助)は、阿古屋に三曲(琴、三味線、胡弓)を演奏させ、その音色に乱れがないのは、真実行方を知らないものと認め釈放するという話です。
 阿古屋は、歌舞伎女方屈指の難役中の難役で、3つの楽器をこなせなければつとまりません。花魁の衣装(鬘と衣装を合わせて約30kg)を着たまま、舞台上で実際に三曲を演奏しながら唄い、心情を表現するというもっとも難しい女形の大役です。この役をこなせるのは、当代では玉三郎だけです。八年前に歌舞伎座で観て以来の久しぶりの上演で、とても楽しみにしていました。実は、歌舞伎座のアンケート用紙にも何度も、玉三郎の『阿古屋』を観たいと希望を出したくらいですから(笑)。

 八年前なので細かい事は忘れてしまいましたが、その時の印象は、張りつめたような雰囲気でドキドキしながら観ていた覚えがあります。今回は、はるかにゆとりがあって、華やかな雰囲気が際立っています。それぞれの楽曲も前回より数段腕を上げているように思われます。観ている方は、まるでお座敷に招かれて、当代随一の花魁の究極の演奏に聴き惚れているようなゆったりとした気分です。 琴の音色も素晴らしく、小唄は味わい深く、三味線のアンサンブルは、耳に心地よく、胡弓のむせび泣くような響きは心を揺さぶります。演奏時間は三曲で四十分超に及びますがどれもプロ並みの腕前です。特に、胡弓はリサイタルを開いてほしいと思えるほど見事でした。玉三郎の卓越した才能に、ただただ驚嘆するばかりです。三島由紀夫が玉三郎を「奇蹟の待望」の存在として絶賛していることもうなずけます。
 円熟味を増した玉三郎の芸術性は、まさに頂点を極めたように感じます。未だ衰えぬ美貌、はかなく繊細な優美さと楽曲を奏でる確かな技量をすべて兼ね備えた最高の『阿古屋』を超える役者は、この先出て来ないのではないか?と、思わずにはいられません。
 現在、歌舞伎女形で胡弓を上手に弾ける役者は玉三郎只一人。芸が途切れないよう誰かが継いでいってもらいたいものです。

髪結新三板絵 

 夜の部でのもう一つの演目『梅雨小袖昔八丈=髪結新三=』は、二世尾上松緑二十七回忌追善狂言として、当代の尾上松緑が新三を勤めました。

 『髪結新三』は、大好きな演目で何人もの役者の新三を観てきました。正直、松緑がここまで凄い新三を魅せてくれるとは!予想していませんでした。髪結新三は亡くなった勘三郎の当たり役で、私達の基準となる髪結新三は勘三郎のものになっています。三津五郎の家主と勘三郎の新三とのコンビが最高で、これを超える舞台はもうないと思っていました。しかし、今回松緑の新三を観て、本当の新三に出逢ったような衝撃を覚えました。はちきれんばかりの若さと無謀さ、小悪党が大悪党(ちんぴらが親分)へ上り詰めてゆこうとする気概のようなものが、初めて理解できた気がします。今までは、家主と新三との面白いやりとりばかりに目がゆき、新三本来の姿が見えていなかったようです。
 松緑のおかげで、新三の人間像が浮き彫りになり、より新三を楽しむことができました。「松緑、なかなかやるなぁ〜!」と感心しました。
 また、松緑を固める周りの役者が素晴らしい。家主の市川左團次、弥太郎源七に市川團蔵、この二人は役と年齢も近くピッタリのはまり役。ちょい役に片岡秀太郎、片岡仁左衛門兄弟も出演しています。一番面白いのは、尾上菊五郎が魚売りで、初鰹を捌いていることです。鰹売りの役は通常は弟子達がやる端役ですが、これが菊五郎とは大御馳走です。
 配役も見事!演出も見事!あっぱれな舞台です。

 今回は、一回だけではもったいないほどの舞台でした。席を格上げして二回目の観劇チケットを今日購入しました。












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流石!成田屋の初御目見得



 11月は顔見世大歌舞伎。
 今年は、十一世市川團十郎五十年祭と銘打って十一世の当り役を孫の海老蔵が演じます。

勸玄初御目見得

 そして、この月の最大の注目は・・・、
 なんと!勸玄ちゃんが「初お目見得」します。

 勸玄ちゃんは、海老蔵の長男で、まだ2歳8ヶ月。
 くりくりっとした大きな瞳に特徴がある、歌舞伎界期待のプリンスです。

 初お目見得には、まだ早い感じがしますが、そこは成田屋。
 ファンや各方面の期待を一身に集めて、
 まだ一般発売前のチケットが歌舞伎会会員だけで勸玄ちゃんが出る夜の部は土日は完売間近の勢いです。

 「初お目見得」とは、舞台の上で初めてお客さんに顔を見せることです。
 特に、何もしません。なんといっても2歳8ヶ月ですから(笑)
 親や役者達と供に手を引かれたり、抱っこされたりしながら、
 25日間歌舞伎座に通い続けることが一番の目的です。

 歌舞伎役者は、こうやって日々産まれながらにして慣らされていきます。
 役者になるかどうかはいずれ本人が決めることですが、
 踊りや三味線などのお稽古事とともに舞台に少しずつ馴染ませていく大切な過程です。

 勸玄ちゃんが、市川新之助になり、市川海老蔵になり、どんな團十郎に育っていくのかいかないのか楽しみです。
 私達が観られるのは、海老蔵が團十郎になり、勸玄ちゃんが海老蔵になるときぐらいまででしょうか?
 歌舞伎役者も三代観るのは容易ではありません。
 そして、歌舞伎役者も大変です。







 
 


テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

通し狂言「伊勢音頭恋寝刃」〜国立劇場〜



 雲一つない秋晴れで、こんな日に観劇とういうのもちょっともったいない気がします(笑)。

国立劇場


伊勢音頭ポスター 


刀剣 


 今月「国立劇場」では、『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』が上演されています。この演目の通し上演は、なんと五十三年振りだそうです。しかも、国立劇場では初の上演というのもビックリです。

 この物語は、寛政八年(1796年)五月、伊勢国古市の遊女屋・油屋で起こった地元の医者による殺傷事件を題材にして作られた作品で、阿波国の大名家のお家騒動を背景にして、遊女との恋を絡めて上手に描かれています。
 歌舞伎では、大詰めの部分『油屋』の一幕で上演されることがほとんどです。

 名刀と折紙(鑑定書)を入手するため奔走する主人公・福岡貢役を中村梅玉が勤めます。貢というのは、二枚目で人情味があり、何とか主筋の万次郎のために骨を折る献身的な人です。柔らかさと力強さの両面を持ち、名刀の妖気によって何人もの人を殺してしまう狂気を「通し」で演じるのは、かなり難しい役柄です。この役を梅玉は、自然体で全く違和感もなく、貢そのものになりきっているように演じています。梅玉は、品があって、声に艶もある好きな役者の一人です。今回は、その良さを十分に生かした素敵な貢です。

 よく上演される『油屋』の場面では、仲居の万野(中村魁春:梅玉の弟)とのやりとりが見事です。少しづつ追い詰められ、恋仲の遊女・お紺(中村壱太郎)にまで愛想尽かしをされ、満座の中で恥ずかしめられ貢の怒りと感情が次第に高まっていく様子が圧巻です。色気があって、底意地の悪さを絶妙なさじ加減でたたみかけていく魁春の万野は、絶品の出来栄えです。
 恋仲のお紺を演じる壱太郎が、予想以上の素晴らしさに目を見張りました。今まで、「ちょっと〜? まだまだ・・・」と思っていた女形ですが、今回は、この満座の中で匂い立つような色っぽさと抑えた演技が見事な華を添えています。

 また、特筆すべきは五十三年振りの上演となった『太々講』という喜劇の場面です。三枚目の敵役・正直正太夫(中村鴈治郎:坂田藤十郎の長男、壱太郎の実父)が、おかしみ溢れる役柄で何度も笑えます。面白くて、お茶目な役は、鴈治郎はんにとっても良く合っています。笑わせる役をできる役者が少なくなってしまった現在、本当に貴重な存在です。
 『太々講』は楽しい場面なので、もっと上演してほしいと強く思いました。

 今回は、「通し狂言」ならではの味わい深い舞台でした。場面場面の面白さと、その時々で変化する感情の動きを同じ役の中で演じる難しさを感じることができました。「通し」で上演してもらうことによって、物語の理解がさらに深まったり、その役柄の人間性がより浮き彫りにされてくるものだと思います。次回『伊勢音頭恋寝刃』を観る時は、今までとちょっと違う見方ができるような気がします。



国立劇場 10月歌舞伎公演
  通し狂言 伊勢音頭恋寝刃
    序幕  第一場 伊勢街道相の山の場
        第二場 妙見町宿屋の場
        第三場 野道追駆けの場
        第四場 野原地蔵前の場
        第五場 二見ヶ浦の場
    二幕目     御師福岡孫太夫内太々講の場
    大詰  第一場 古市油屋店先の場
        第二場 同   奥庭の場






テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

東高根森林公園は蝶の楽園





 東高根森林公園の水辺は、陽当たりが良く季節の花が群生しているので、一度に沢山の蝶に出逢えます。
 この日は10種以上は見れたと思います。
 狭い範囲で、これだけの蝶達に出逢えたのは初めててちょっと興奮しました。


カラスアゲハ
 この日一番のレアものは「カラスアゲハ」。なかなか留ってくれなかったのでこれ一枚です。ビロードのような綺麗な光沢で輝いています。


ツマグロヒョウモン 
 「ツマグロヒョウモン♀」。雌雄で色合いが全然違います。


ツマグロヒョウモン♂ 
 こちらが「ツマグロヒョウモン♂」です。雌の方が力強い感じですね。


アオスジアゲハ 
 「アオスジアゲハ」。美しい蝶の代表格でしょうか。


キタキチョウ 
 「キタキチョウ」。いつもは翅を閉じた写真ばかりですが、求愛で夢中なため綺麗な翅を撮ることができました。


コミスジ 
 「コミスジ」。生田緑地では薄暗いところで出逢うことが多いため、こんな綺麗な身体をしていることに初めて気が付きました。


キタテハ 
 「キタテハ」。初めて見た時は、なんてボロボロな蝶なんだろうと思いましたが、産まれながらの翅なんです。


ウラギンシジミ 
 「ウラギンシジミ」。これも、いつもは翅を閉じてることが多くて綺麗な翅をやっと撮れました。



 蝶や昆虫を専門に撮影している人がたくさんの東高根森林公園です。
 教わることも多く勉強になりました。









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東高根森林公園の草花達





 東高根森林公園の明るい湿地帯には、生田緑地では見られない(まだ、発見してないだけかもしれませんが)草花をいくつも見ることが出来ました。

カリガネソウ
 「カリガネソウ(雁金草)」。雄しべと雌しべが上に長く突き出しています。


ワスレナグサ 
 「ワスレナグサ(忘れな草)」。ワスレナグサ属の植物は日本では北海道に自生するエゾムラサキのみだそうで、これは園芸品種が野性化したものらしいです。


キツリフネ 
 「キツリフネ(黄釣船)」。このキツリフネには驚きました。今まで紫色の釣船草しか見たことがなかったので、黄色があるとはびっくり。


シュウカイドウ 
 「シュウカイドウ(秋海棠)」。色合いから日本のものじゃない気がしました。調べてみると、中国やマレー半島原産で園芸用に持ち込まれたものが野生化したようです。


イヌショウマ 
 「イヌショウマ(犬升麻)」。ちょっと離れていたので、触れることは出来ませんでしたけど、白い毛がふわふわしたブラシのようです。日本固有種です。




 季節によってはまだまだ新しい発見が出来そうです。
 もしかしたら、生田緑地では絶滅した「カタクリ」にも逢えるかもしれないので、来年の春が楽しみになりました。










テーマ : 花の写真
ジャンル : 写真

シネマ歌舞伎『高野聖』



 「知ってた?映画館で歌舞伎が毎月観られるって!」をキャッチフレーズに、月イチ歌舞伎を上映しています。
 ちょうど歌舞伎座の月代わりの間、月末から月初めが月イチ歌舞伎の上映期間です。
 今回は、博多座で平成23年2月に上演された『高野聖』を見に二子玉川の映画館に行って来ました。


高野聖ポスター

 『高野聖』は、泉鏡花の作品で坂東玉三郎が演出、主演の歌舞伎です。若い修行僧(中村獅童)が山道で道に迷い、山奥の一軒家にたどり着き、一夜の宿を乞います。そこに住む美しい女(玉三郎)に魅せられた、若き修行僧の煩悩に揺れる心を描いた作品です。

 美しく妖艶で、気高くも妖しい魔性の女を演じる玉三郎は、この役柄にピッタリです。さすが「泉鏡花」が好きというだけあって、幻想的な世界をこれ程演じることができる役者は、玉三郎をおいて他にいないと思います。

 若い修行僧を演じる獅童も、良く合っていて玉三郎の演じる世界にとけ込んでいます。また、おじいさん役の中村歌六が良い味と深さを添えています。配役が見事にはまっていて、違和感を感じるところが全くありません。

 これは、シネマ用に撮り直していることもあり、音響や映像、アップが効果的に使われています。生の舞台では、どうだったのか?逆に、舞台が観たくなります。
 
 泉鏡花は好きな作家です。玉三郎の舞台を観るとまた読んでみたくなりました。








テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

東高根森林公園




 昨日は、秋晴れでとてもすがすがしく良い天気でした。
 生田緑地と多摩川をフィールドに綴ってきたブログですが、もう少し幅を広げてみようと神奈川県立東高根森林公園に出掛けてきました。我が家からは歩いて20分ほどの距離ですが、訪れたのは何年振りになるでしょう?ついついすぐ近くの生田緑地に行ってしまうのでほんとに久しぶりです。


 いきなり「カワセミ」の歓迎を受けました。生田緑地ではなかなか出逢えない「カワセミ」も、ここではいつでもいるようです。ボランティアの方に色々教わると、3つある池のどれかに必ずいるそうです。しかも、人馴れしているのか距離がとても近いです。こんなことなら新しいレンズを持ってくれば良かったと後悔しましたが、いつものズームレンズでも距離が近いのでこんなに綺麗に撮れました。

カワセミ


カワセミ2 
 2枚とも雄です。雌は、下の嘴の色が違うのですぐ分かります。


東高根森林公園案内板 
 東高根森林公園は、生田緑地と同じく多摩丘陵の一部です。面積は、約11ha。生田緑地の方が遥かに広いですが、植生は少し違うみたいです。天然記念物のシラカシ林があり、その周りを陽射しがよく入る明るい湿地帯が谷戸を形成しています。生田緑地の谷戸は鬱蒼としたハンノキ林であまり陽がささないので、この谷戸の環境の違いが植物や昆虫の生息状況に微妙な違いがあるように思います。


東名高速 
 我が家から20分ぐらいの距離の割に、滅多に訪れないのは、急坂を上り東名高速道路を越えなければならないからです。

東高根森林公園 
 明るい陽射しがたっぷりの湿地帯は、歩いていてとても気持ちがいいです。

 生田緑地では見られない植物や、沢山の蝶達に出逢えたので順次アップしていきます。










テーマ : 野鳥の写真
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 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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