鎌倉「建長寺」
昨日は久しぶりの好天に恵まれ、
友達と始めた鎌倉三十三観音霊場巡りの第三回目を敢行。
北鎌倉の八ヶ寺を一気に参拝してきました。
縁切寺として有名な「東慶寺」からスタートし、
途中、亀ヶ谷坂切通の難所を抜け、紫陽花寺「明月院」まで。
札所の御朱印は16時までなので、ギリギリの達成でした。
名所の多い北鎌倉ですが、そんな中から「建長寺」の珍しい至宝をご紹介します。

パキスタン政府から寄贈された「釈迦苦行像」です。パキスタンのラホール中央博物館に安置された像をもとに制作されたものだそうです。この像が建長寺に寄贈される際に関わりがあった叔母や、パキスタンのラホールにいる友達など何かと因縁深い関係から、どうしても見ておきたかった像です。


修復したばかりでピカピカの唐門は、元芝増上寺にあったものです。現在、ザ・プリンス・スパークタワーが建っている場所には、かつて徳川秀忠の広大な霊廟がありました。現在の増上寺には、霊廟の表門であった惣門だけがポツンと残っています。

鎌倉五山の第一の「建長寺」には、私たちにとって非常に縁の深いものが多数存在していました。
建長寺内には、「龍峰院」「妙高院」という二つの鎌倉観音巡礼の札所があります。
関係者以外立入禁止の場所ですが、巡礼者のみ入ることが許されています。
小さな木戸をくぐって入る境内は観光客の立ち入れない場所です。ちょっと得した気分でした。
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「ネジバナ」

季節の花の代表的存在「ネジバナ」です。
生田緑地のネジバナはほんと小さくて、まったく目立ちません。
鎌倉にいくと、大きな迫力のあるネジバナが見られます。
花の咲き初めなのでちょっと捻れが分かりにくいですが、
よーく見ると、一番右端は捻れ方向が違います。
別にひねくれている訳ではないんです。
右ねじりと左ねじり、ねじれないなんてのもあって結構適当に生きてます。
私たちみたいだけど・・・。
「オカトラノオ」


ふわぁ〜っとした姿形が美しい「オカトラノオ(丘虎の尾)」が咲く季節になりました。
生田緑地では群生している場所がありますが、群生地では少し小振りな気がします。
和名のごとく虎の尾のようなもっと大きな房が見られる場所もありますが、
そこは遊歩道から少し入った場所に咲いているので望遠レンズが必要です。
茎に近い方から順に咲き始め、房が先端で垂れ下がり奇麗な円弧を描いた房が完成します。
奇麗な写真を撮るにはもう少し経ってからの方がいいかもしれません。
夏は「四谷怪談」なんだけど!?
歌舞伎の中で最も好きな演目の一つが、『東海道四谷怪談』です。夏の納涼歌舞伎では、よく上演されてましたが中村勘三郎が亡くなってから、「お岩さんをやる良い役者がいないなぁ〜」と残念に思っていました。そんな中、歌舞伎ではなく現代劇として新国立劇場で開催されることを知り、即予約して「この日がくること」をとっても楽しみにしていました。

今回の『東海道四谷怪談』の演出は、森新太郎氏です。お岩以外はすべて男性俳優が演じるという・・・ちょっと歌舞伎に近いものか?全く異なるものか?現代劇の舞台では、どんな仕掛けがあるのか? いろいろな期待が膨らんだまま、新国立劇場に到着です。
民谷伊右衛門/内野聖陽、お岩さん/秋山菜津子をはじめ、平岳大、山本亨、有薗芳記、花王おさむ、小野武彦など蒼々たる役者が揃っています。
お岩が毒薬を飲んで顔が崩れ、刀に刺さり死ぬまでの前半を観ていて、正直ガッカリしてしまいました。歌舞伎に捕われているせいかもしれませんが、役者の声の出し方からして全く違います。舞台演出がとってもシンプルで、衝立て一枚を巧く使っているのには感心しましたが、歌舞伎のような大仕掛けも無く、早業も無いためか?つまらなく思えてしまう場面も多くありました。
後半の立ち回りは、歌舞伎と比べると速くて迫力がある部分もあるのですが、型の一つ一つが決まってないため雑なものに感じてしまいます。歌舞伎を真似て(?)、同じ道具を使っているのがかえって災いしていたのかもしれません。
四谷怪談は、怪談としての部分がクローズアップされがちですが、そこに至るまでの人間の業の深さと内に潜む残虐非道さ、心の闇の部分を浮き彫りにさせ、最後にお岩の「うらみ」に集約させるという人間の情念を描いたものの中でも最高の傑作演目です。
すべては歌舞伎が基準です。残念ながら歌舞伎を超えるものは演出にしても演技にしても一つもありませんでした。むしろ、歌舞伎を全く離れてもっと型破りな演出を考えてほしかった気がします。
内野聖陽さんは、色悪である伊右衛門役を全くこなせていませんでした。お岩を可愛がる色の部分にしても、心変わりした後の悪の部分にしても中途半端です。この伊右衛門がしっかり出来ていないと、この芝居の「うらみ」の部分が生きず、全体として迫力不足の締まりのない舞台になってしまいます。
また、お岩の秋山菜津子さんはよく出来ていましたが、現代劇役者にありがちな発声のままなので、声が張ってしまって役柄が違うものに出来上がってしまっています。
歌舞伎に近い演出をした限りは、言葉に頼らない演技で魅せる表現方法のほうが凄みが出たように思います。
今回の舞台は、今年の「三大ガッカリ」にノミネートされそうです。そのトップは、N.Y.のアメリカンバレエシアターのバレエ『ラ・バヤデール』ですが、その次がこの『東海道四谷怪談』かな?という感じです。
歌舞伎の凄さと素晴らしさをしみじみと感じた舞台です。うれしいことに、年末国立劇場で歌舞伎の『東海道四谷怪談』が上演されることになりました。本当は納涼歌舞伎でやってほしいのですが、そもそも『東海道四谷怪談』は「赤穂浪士四十七士」の外伝にもあたるもので年末でも良いのですが、夏の暑い時に観て「ゾクッ!」とするのが好きです。
「ムラサキツメクサ(アカツメクサ)」と「シロツメクサ」


植物の写真の撮り方はなかなか悩ましくて、いつも撮り方を考えてしまいます。
その時の気合いの入り方にもよりますけど、
一枚目の「ムラサキツメクサ」のように写真として綺麗に撮ろうとすると全体が分かりません。
二枚目の「シロツメクサ」のように葉、茎、花とパーツがちゃんと入っていないと同定には不向きです。
撮りためてきた写真を整理し、一つの成果として残そうとすると、
植物のライフサイクルごとの写真が揃わないとだめだなぁとも思ったり。。。
図鑑にも色々な切り口で様々な図鑑があることがよく分かるようになりました。
花の図鑑があったり、葉だけの図鑑、実の図鑑、場所限定の図鑑などなど。
季節の移ろいは早く、観劇などの合間を縫っての撮影がいつもワンチャンスになってしまうのが悩みの種です。
梅雨らしい梅雨

地球温暖化の影響なのか、ここ数年はっきりした梅雨を感じられませんでしたが、
今年は久しぶりに梅雨らしい梅雨って感じがします。
あまり多く降られるのも困りますが、
自然界にとっては恵みの雨もそこそこ必要です。
潤っている証拠に、紫陽花が元気です!
今日の一枚は「渦紫陽花」を載せてみました。
ぽってりとした萼が内側にくるっと丸まって可愛らしい品種です。
歌舞伎鑑賞教室(国立劇場)
今年も国立劇場「歌舞伎鑑賞教室」の時期がやってきました。「夏がやってきた!」と感じるのは、歌舞伎ファンならでの季節感(笑)かもしれません。

今回の演目『壺坂霊験記』は、歌舞伎では珍しく二人芝居。お里(片岡孝太郎)と幼少期に視力を失った座頭の沢市(坂東亀三郎)夫婦の愛情物語です。地味ですがしっとりした良い物語です。二人とも初役ですが、息も良く合っていて好演しています。
この物語の舞台が、「西国三十三ヶ所」の第六番札所・南法華寺(通称:壺阪寺)で、眼病に霊験あらたかな十一面観音菩薩が本尊です。「三十三ヶ所の札所」でもあり、眼病に効くとなれば、ぜひ行ってみたくなります(笑)。
今回も沢山の高校生が観にきてました。『壺坂霊験記』が悪い訳ではありませんが、初めて歌舞伎を観る学生には、ちょっとふさわしいとは思えません。
1年前の鑑賞教室が、6月「ぢいさんばあさん」7月「傾城反魂香」
2年前の鑑賞教室は、6月「紅葉狩」 7月「芦屋道満大内鑑」
3年前の鑑賞教室は、6月「俊寛」 7月「毛抜」
う〜ん、これはちょっとなぁ〜って感じです。
学生でなくとも、大人でも初めての人に勧められるラインナップではない感じがします。
生まれて初めて歌舞伎を見にきて、皆最初は目をキラキラさせながら入場してきます。そして最初の30分間の解説が終わる頃にはワクワクしながら期待に胸を膨らませています。今日もそうでした。解説では、舞台装置を動かしたり、女形が舞台上で化粧をして衣装を着て、鬘をかぶり、男が女に変身する過程をたっぷりと魅せていきます。ここまではいつも大正解なんです。
そしていざ歌舞伎が始まると、10分もすればほとんど起きてません。先生からして同じです。無理もないと思います。
歌舞伎にはもっと面白いものがたくさんあるのに、なんでこの演目なの?って毎年思います。
確かに名作揃いではありますが、鑑賞教室には「歌舞伎って、面白い!」「また、歌舞伎が見たい!」って、思えるような演目を選んでほしいと思います。せっかくの素敵な機会を最高の機会にしてほしいと感じました。船を漕いでいる学生がいなくなるような「鑑賞教室」になったらいいな〜と思います。
「イチヤクソウ(一薬草)」

目立たないところにまとまって咲いていた「イチヤクソウ(一薬草)」。
よく通る場所なのに、どうして今まで気が付かなかったのか?
調べてみると、個体数が少ないのもありますが、花期が10日間程しかありません。
毎回通る場所ではないので、タイミングが難しいです。
和名のごとく、一本まるまる乾燥させて生薬になるそうです。
歌舞伎『新薄雪物語』後半!
先週の水曜日に引き続き「六月大歌舞伎」(夜の部)、『新薄雪物語』の後半を観てきました。
前回、花形歌舞伎役者がやった時は「昼の部」で通し狂言として上演しましたが、今回は昼・夜の部にまたがっての上演です。そのため、たぶん苦情も出たのではないか?と思われますが、入り口で「夜の部に至るこれまでのあらすじ」を配布していました。人間関係が入組み、同じ役者が複数の役をやったり、同じ役を別の役者がやったりと益々わかりづらくなるので、一日中通しで観る人以外は混乱も大きいと思います。苦肉の策で配布されたチラシが、どれだけ役にたったのか?はわかりませんが、お客様の要望に応えようとした努力は良かったです。

『新薄雪物語』の一番の見所は、「合腹」(三人笑いの場)です。
すでに腹を切った幸崎伊賀守(松本幸四郎)が、それを衣装の下に隠し首桶を抱えて花道から現れます。これを迎える園部兵衛(片岡仁左衛門)も蔭腹を切って首桶を抱いて出てきます。二人とも本心を隠し、腹を切っていることを悟られまいとします。園部の妻・梅の方(中村魁春)は、伊賀守の持って来た首桶は息子・左衛門の首が入っているものと思い込み、悲しみと憎しみで伊賀守の様子も夫の様子の変化にも気づかないでいます。両者が首桶を開けると首ではなく、願書が入っています。子供の命を助けようと親たちが命を投げ出そうとします。三人が三様の笑いを披露しますが、切った腹の痛みに耐える笑い、夫が命が尽きようとする悲しみを押し殺して笑おうとする妻のそれぞれの味わいを存分に表現する場面です。
正直、花形役者の演技との差に驚嘆しました。花形の時は、仁左衛門の役を市川染五郎が、幸四郎の役を尾上松緑、魁春の役を尾上菊之助が演じていました。その時は「凄いなあ〜!見事だな〜!」と感心したのですが、今回の舞台を観てまるで違うものを見ているようでした。巧さだけでは補えない、年齢を重ねることによって出せる味があるものです。三人の役者が、これまでの人生をかけて演じている重みがひしひしと伝わってきます。「グググッと、心臓を鷲掴みにされたような」衝撃を受けました。
花形役者が、この年齢に達した時にどんな「合腹」を魅せてくれるのか?また違う楽しみができました。
「夜の部』で、もう一つ素晴らしい舞台がありました。『夕顔棚』です。老夫婦の情愛あふれる舞踊を尾上菊五郎と市川左團次が演じています。真夏の夕涼み、季節感たっぷりの情景、老夫婦の仲睦まじい風情が、懐かしい日本の風景を切り取っているようです。菊五郎のおばあさんが、これまた絶品で何とも言えない味わいがあります。艶っぽい左團次のおじいさんとの相性も抜群で、引き込まれてしまいました。
重厚な時代物や人情世話物、荒事など歌舞伎には様々なジャンルのお芝居がありますが、肩の凝らない歌舞伎舞踊が一番いいなぁと最近は思うようになってきました。
六月大歌舞伎 歌舞伎座 夜の部
一 通し狂言 新薄雪物語
広間
合腹
正宗内
二 夕顔棚
「ホタルブクロ」

花がれの梅雨の時期、
毎年楽しみにしているのが「ホタルブクロ」。
うつむいた釣鐘状の花が綺麗です。
生田緑地の「ホタルブクロ」は薄い紫色。
色のバリエーションは地方によっていくつかあるようです。
花を楽しめる時期は案外短くて、月末までには終わりを迎えます。
今年も見れて良かった ^^
『ラ・バヤデール』〜アリーナ・コジョカル
昨年12月に初めて『ラ•バヤデール』を観てから、4回目になります。

それまで『白鳥の湖』ばかりで、他の演目を観てこなかったのですが、ボリショイバレエ団のザハーロワの『ラバヤ』を観てからバレエの素晴らしさに目覚め、見られるだけ観てみようと思い立ち半年が過ぎました。気がつけば、ニューヨークまで行ってしまったという・・・ちょっと無謀な挑戦です。
『ラバヤ』は、ボリショイのザハーロワに始まり、新国立劇場、ABT(アメリカン・バレエ・シアター)、東京バレエ団と観て来ました。今回の東京バレエ団のニキヤは、アリーナ・コジョカルです。直前に観たABTの印象が強く残っているので、それとの比較になってしまいますが、舞台演出や振り付けがとても良く似ているので比較しやすいこともあります。
第一印象は、日本人バレエダンサーの質の高さです。特に、コールドバレエの一糸乱れぬ美しさは圧巻です。その見事さに誇りさえ感じました。また、東京バレエ団の衣装は豪華で綺麗だなあ〜!と、うっとりしながら見ていました。やっぱりバレエは、衣装もとっても大事だと思います。
コジョカルは、思いの外小柄で筋肉質です。背丈は日本人よりも小さくて、ちょっとビックリです。そのためか?東京バレエ団とのバランスが良く、違和感なく観ることができます。非常にしなやかで、正確な技術力、卓越した表現力に魅了されます。キュートなニキヤを演じています。
ソロル役のウラジーミル・シクリャローフは、甘いマスクの王子様にふさわしい容姿を備えていますが、ちょっと平凡に感じたのは、ABTのキミン・キム(マリインスキー)が余りにも素晴らしかったせいかもしれません。
全体的には、完成度の高い舞台で安心して観ていられました。今、日本人のバレエダンサーが色々なコンクールで良い成績をおさめているのがうなずけます。技術的な面では、ロシアのバレエダンサーに劣らないかもしれません。あと必要なのは、表現力とオーラです。身につけるのが難しい分野ではありますが、これからの日本バレエ界がますます発展していく予感を感じることができ楽しみです。
「ラ・バヤデール」マカロワ版 東京バレエ団
ニキヤ アリーナ・コジョカル
ソロル ウラジーミル・シクリャローフ
ガムザッティ 奈良春夏
大僧正 木村和夫
国王 永田雄大
ブロンズ像 梅澤紘貴
ホタルの国
今日から28日まで、生田緑地ホタルの国がオープンします。
時間は19時から21時まで。
ホタルが光り始めるのは、19時半頃からです。
多い日には数十匹のホタルが光り輝き、運がいいと手や肩に止まることもあります。
フラッシュの強い光を浴びるとホタルは命を繋ぐことができなくなりますので撮影は禁止です。
1週間の短い命を懸命に生きるホタルを大切に見守りながら鑑賞しましょう。



六月大歌舞伎は、看板役者勢揃い!
一ヶ月ぶりの歌舞伎は、昼の部から。幕間弁当はいつもの「辨松」で笑顔で迎えられ、いつものお弁当をスッと差し出してもらうと、気分も盛り上がってきます。混み合っていてもお店に入るだけでサッと差し出されるいつものお弁当。ここまでどれだけ辨松弁当を食べたことか(笑)
歌舞伎座に足を踏み入れると、古巣に帰ってきたような安らぎに包まれます。
「あ〜、やっぱり日本はいいなあ〜!歌舞伎はいいなあ〜!」と、しみじみ実感できる瞬間です。


今月は、昼・夜の部を通しで『新薄雪物語』を上演しています。その顔ぶれは、尾上菊五郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門、松本幸四郎をはじめ、まさに杮茸落公演以来の豪華な役者が勢揃いです。
歌舞伎というと勧進帳や助六、仮名手本忠臣蔵や白浪五人男などが歌舞伎を観たことがない人でも名前ぐらい聞いたことがあるというぐらい知られいている代表的な作品です。今回の「新薄雪物語」という名前は聞いたことがない方が多いと思いますが、歌舞伎を常日頃から見慣れている人たちからは名作中の名作と讃えられている待ちに待った上演作品なんです。歌舞伎のエッセンスが全て詰まった上質の作品です。
この『新薄雪物語』は、いい役者が揃わないとなかなか上演できません。二年前の九月、新歌舞伎座杮茸落公演で次世代を担う花形役者、尾上菊之助・市川染五郎・尾上松緑・市川海老蔵・中村勘九郎/七之助兄弟、片岡愛之助らが先輩役者達から一対一で直接指導を受け勢揃いで熱演した舞台を魅せてもらいました。
歌舞伎屈指の難しい演目ですが、精一杯頑張って将来に繋がる好舞台だったのをよく覚えています。
そしていよいよ今回は、現在これ以上の配役は無いと思われる程の豪華な布陣で臨む、本格派。花形役者達に芸を伝授した先輩達が後世に残る見本を演じます。
前半の「花見」「詮議」は、菊五郎の巧さ、仁左衛門の悪役・善人役のどちらも良く合っている演じ分けの見事さに感嘆します。
中村吉右衛門、松本幸四郎兄弟の競い合いも見物です。持ち味の違いがわかり、面白い対比が観られます。
「花見」の発端から始まった複雑な人間模様が、後半の見せ場「合腹」までどう作り上げていくのか、後半「夜の部」が今から楽しみです。
それにしてもホームグラウンド「歌舞伎座」はやっぱり一番落ち着きます!
N.Y.でみつけたもの
N.Y.シリーズの最後は、気になったもの。
街を歩いていてちょっと気になってカメラを向けたものたちです。

ニューヨークシティーバレエ団の本拠地、D・H・コーク劇場内ので見つけたオブジェです。ガラスの中に人型の不思議な模様が立体的に見えます。

近づいて真横から見ると何もありません?

真横から正面に視線を移していくとまた現れ始めます。ガラス板に模様となる紙を貼付けたものを何重にも張り合わせ、すこしずつずれた模様を正面から見ると立体的に浮かび上がってくるというものです。素晴らしい!感動しました。
以前は、バレエをモチーフにしたものが何体もロビーに飾られていたようですが、今は一つだけです。もっと見てみたかった。。。

これは教会の壁面に飾られたものです。ちょっと珍しいので撮ってみました。メキシコではよく、絵画と違って誰でもいつでも見れるようにと壁画が町のいたるところで見られますが、他の国で見ることはまれです。壁画のような効果を考えてのことだと思いますが、教会というのも更に珍しいですね。

教会の祭壇は心を穏やかにしてくれる不思議な力があります。たまたま訪れたこの教会の祭壇の美しさに思わずしばし佇みました。ブルーのステンドグラスがとても綺麗です。(上の写真の教会とは別の教会です)

アメリカの百貨店メイシーズで、木製のエスカレーターを発見しました!上層階のフロアだけでしたが、現役で活躍しています。ステップも壁面もすべて木製。調べてみたら1902年の開業当時からある世界最古のエスカレーターだそうです。最初のステップに乗り降りする時に、櫛の歯のような部分に挟まれないかと、少しドキドキします。
まだまだ現役で頑張ってもらいたいです。

牛肉の熟成屋さんです。たくさんの牛肉がお店の中いっぱいに並べられていました。高級ステーキ屋さんに行かないと食べられないと思いますが、一度食べてみたいです。

ニューヨークはいま、ラーメンブームが凄いです。あちこちにラーメン屋さんが出来ていてどこも行列だそうです。半信半疑でしたが、調べて一件のお店に行ってみると開店前なのに長蛇の列が。。。背広をきたビジネスマンから若者まで開店までにすでに30人程並んでいます。旅の最終日でアメリカの食べ物にも飽きて来たしと、ついつい並んで入ってみると意外(失礼)と美味しいです。アメリカ人向けに味付けした日本とは違うラーメンと思いきや、とんこつ味の日本に出店しても十分いける美味しさでした。ついつい替え玉までしたお店は「ToTTo」。鳥人(とっと)ラーメンというそうです。
日本食ブームは確かにあると感じました。
スーパーでは、テイクアウト用のお寿司のコーナーにビジネスマンが群がっているし、地図を見ると焼き鳥屋にラーメン屋、なんと大戸屋まであるみたいです。
フランスでは昔から、日本食やラーメン店が多くあり地元の人にも親しまれてきましたが、一昔前まで自国の食べ物以外はほとんど受け付けなかったアメリカ人がと思うと信じられません。好みが変わったのか、たんなるブームなのか、ちょっと不思議な光景でした。
N.Y.の街並み
ニューヨーク滞在中は、記憶が薄れないうちにと観劇記を中心にブログをアップしてきました。
観劇の合間の街歩きでも少し撮りためた写真があります。
「街並み編」と「見つけたもの編」の2回に分けて整理しアップしてみます。

地下鉄ホームです。JFK空港からは、地下鉄でマンハッタンまで移動してきました。悪名高きN.Y.の地下鉄もすっかり綺麗になったようで、しっかりと市民の足になっています。昼間の時間は安心して利用が出来ました。

エンパイアステートビルの全景です。高いビルはいっぱいありますが、やっぱりエンパイアステートビルの人気は凄いです。展望台は1時間以上待ちが普通です。夜はイルミネーションがとっても綺麗ですが、残念ながら写真はありません。

ニューヨークで一番高級ブランドショップが集まる、五番街。ニューヨークの街には星条旗が多いです。

五番街にある「セント・パトリック大聖堂」です。全米最大のカトリック教会で世界で11番目に大きいそうです。まわりのビルが高いので大きさはあまり感じませんが、大理石の白が眩しいぐらい綺麗な教会です。

内部のステンドグラスが美しいですが、ヨーローッパには綺麗な教会が沢山あるので、ちょっと感動は薄かったです。

ロックフェラーセンターG.E.ビル。ロックフェラーセンターとは、G.E.ビルを中心とした19のビル群のことなんだとN.Y.に行って初めて知りました。中央のG.E.ビルは70階、259mです。展望台が70階にあり、そこからの眺望を以前アップしました。ここの展望台に行くエレベーターが凄いです。天井がガラス張りになっていて、高速で昇っていくのをアトラクションのように体感出来ます。

五番街とは雰囲気が全然違う九番街(9th Ave.)。ブロードウェイからリンカーンセンターへ向かう時に人混みを避けるために通りました。観光客が訪れる場所ではないので、庶民的な雰囲気が漂います。

セントラルパーク入り口です。夜、9時ぐらいといったところでしょうか。まだほんのり明るいです。
ニューヨークは想像以上に古い建物が多いです。マンハッタンは全て高層ビル群で埋まってるのかと思っていましたが、以外にも超高層な建物はそれほど多くもなく、場所が限られていました。日本も今は高層の建物が多いので、あれっ?と思うかもしれません。
テロが心配なニューヨークですが、街中は平和そのものです。大きな事件が起きた場所なので危ない場所というイメージを持ちがちですが、行ってみればどこも案外こんなものかもしれません。何しろ人が多いのでちょっと疲れます。N.Y.はまだほんの少しの滞在だけですが、印象としては、ロサンゼルスの夜の方が緊張感が高い気がしました。
帰り道に成田山へ
N.Y.からの帰国便は、成田21時着。
この時間では我が家は遠く、成田に一泊しました。
帰りに一泊するのは初めてですが、身体をすぐに休めるのでなかなかいいものです。
翌日は、念願の成田山新勝寺へ参拝です。

昔ながらの面影が残る表参道は風情があります。

総門を経て、仁王門をくぐり

香閣で煙を全身に浴びせます。痛いところ具合の悪いところが多いので(笑)であっちもこっちも、あそこもここも・・・。
新勝寺の香閣は面白いですね。脇に線香を細かくした大きな入れ物があり、手で好きなだけすくって投げ入れます。

立派な三重塔がありました。

大本堂に到着。新勝寺は市川團十郎家と縁が強いので、團十郎家の屋号は「成田屋」です。

成田といえば鰻です。八つ目ウナギを食べられる店はいまはありませんが、肉厚で大きなうな重がリーズナブルにお腹いっぱい食べられました。味は普通ですが、鰻が高騰する昨今、これだけ満足感が得られるボリュームはなかなかありません。鰻好きの我が家は大満足です。

鰻屋さんの店先には、見事な皐月の盆栽が!
いろいろお話を聞くと、ご近所でたくさん皐月を育ててる方が持って来てくれるそうです。
根元の太い幹周りが素晴らしい惚れ惚れする盆栽です。
いつも成田空港には行くけど、成田山にはなかなか行かれなかったので一泊して大正解でした。
鰻を食べ、八街の落花生や、お煎餅、昔ながらの旅行常備漢方薬などを買い込んで無事帰宅。
アメリカで増えた体重を戻すため、今日からジムで汗を流します ^^;
観劇ダブルヘッダー
N.Y.最終日。
やっと晴れてくれました。
今日は観劇ダブルヘッダーです。
たっぷりの睡眠で疲れをとって昼マチネのミュージカルと夜のバレエに挑みます。

まずはブロードウェイミュージカル最新作「An American in Paris」を観にPalece Theaterへ。

大変な人気作品で「tkts」へ当日割引券がなかなか流れてきません。仕方なく劇場ボックスオフィスで直接購入しましたが、やっと3階バルコニー席最後尾一番端の席が確保できました。ブロードウェイでも最大級の劇場です。
上質で洗練された演出と、バレエの要素を取り入れたダンスシーンで情感を盛り上げていきます。特に主役の女性「Leanne Cope」が魅力的です。ラスト15分くらいのダンスシーンはまさに圧巻で、ABTやニューヨークシティーバレエよりも技術も表現力も勝ります。「Leanne Cope」は、英国ロイヤルバレエ団出身で歌も上手く、この人一人に魅了されるといってもいいぐらいです。今年度のトニー賞の作品賞と主演女優賞を是非獲得してもらいたいと思います。

「An American in Paris」の興奮さめやらぬまま、次の「デビット・H・コーク劇場」へ向かいます。ニューヨークシティーバレエ団の劇場で、メトロポリタン劇場に隣に建っています。

内部は、メトロポリタンよりも広々としていて洗練された感じがします。

劇場内も遜色ありません。客席もこちらの方が広々としていてとっても観やすい劇場です。
ニューヨークシティーバレエの代表作「夏の夜の夢」を観劇しました。短い作品ですがとっても美しく楽しい舞台です。「音楽の視覚化」と形容される振付家バランシンの作品で、バランシンが育て上げたバレエ団です。

実際に舞台で使用される衣装が展示されていました。
8日間の観劇の旅は終了です。
バレエ3作品、ミュージカル3作品、美術館2つと頑張りました!
もう少し余裕のある日程を組みたかったですが、
ニューヨークのホテル代があまりにも高すぎて忙しいスケジュールになってしまいました。
この国の人たちと多くの舞台を一緒に見てきたことによって、
舞台に求めるものが、国によって違うんだなと思いました。
バレエという演劇手法一つとっても、求めるものによって演出が変わっていきます。
最初違和感を感じましたが、アメリカの人たちと同じ視線に立つことによって
最後の「夏の夜の夢」では、楽しいものに変わっていきました。
アメリカはやっぱりミュージカルの国です。
ミュージカルを観るにはブロードウェイが一番です。
この国の人たちとともに観ることによって何倍も楽しいものに変わります。
MoMA(ニューヨーク近代美術館)
天気が悪いと、みんな考えることは同じです。
「こんな日は美術館に行こうと。」
MoMA(モマ)の愛称で知られるニューヨーク近代美術館も長蛇の列をなしています。
これは、私達が出たときの模様です。人気の美術館は朝一番に入るのが鉄則です。

今回は観劇がメインの旅ですが、MoMAも大切な目的に入っています。
1993年に上野で開催されたMoMA展で出逢った、ゴッホの「星月夜」にもう一度会いたくて!
長い間の念願が叶って再びの再会を果たしました。

MoMAといえば「星月夜」といわれるぐらい有名な作品です。
ゴッホの願いが込められた晩年の大切な作品になります。
大きな大木は「糸杉」。西欧ではよく墓地に植えられる木ですが、天に向かって高く高く伸びていっています。
天には輝く満点の星星。数えてみると12個あります。
画面全体には大きなうねりがあり、糸杉は天に届こうとしています。
ゴッホが絵に込めた思いを想像してみたくなりませんか?

星月夜をアップにしてみました。ゴッホ独特の圧塗り技法がよく分かります。油彩ならではです。筆も力強く強い意志の力を感じます。

ゴッホに比べると淡い感じのスーラの絵です。点描画の天才で細かい点を画面いっぱいに打ち付けています。

こちらもアップにしてみます。細かい点を一つ一つ打ち付け、額縁まで表現しているのが分かります。印象派らしい絵の具を混ぜない手法を突き詰め、点描表現に至ったことにより透明感のある明るい色彩表現が生まれます。
MoMAは、キュビズム以降の絵画を比較しながら鑑賞できる素晴らしい美術館です。ひととおりの流れを勉強した後に、お奨めの美術館です。

美術館からの眺めも、一枚の絵のように見えるつくりです。

MoMAのもう一つの大切な作品群は、アンディー・ウォーホルです。
ポップアートといわれる新しい芸術作品を生み出しました。
この10枚のマリリンモンローは、映画「ナイアガラ」のスチール写真を利用して色使いを変えたものです。

こちらも有名なキャンベル缶です。大量のキャンベル缶を一枚に並べた作品を見たかったんですが、残念ながら展示がありませんでした。
MoMAの近代アートを見ていると、新しい刺激をたくさん受けます。
大量生産されたものから得たモチーフも作品になりうるし、日常使っているものも工夫を重ねてデザインされたものであるので、それだけで芸術作品であることが分かります。
また、通常の美術館と違って、アメリカらしい映像や写真、音楽なども作品群として扱っていることに新しい芸術を感じます。
今晩のミュージカルチケットが取れなかったので、明日は、観劇のダブル・ヘッダーになりました。
さすがに疲れが溜まってきたので今晩は早めに休みます。。。
メトロポリタン美術館〜ABT「ラ・バヤデール」
一昨日の午後から崩れ始めた天気は、雷やら大雨やらで東海岸一帯に甚大な被害をもたらしました。
ハドソン川対岸のニュージャージー州は車が隠れるくらいの水害に見舞われたみたいです。
マンハッタンはあちこちに大きな水たまりが出来て歩きにくいですが大きな被害はありません。
ただ、気温が大きく下がり30℃ぐらいから一気に10℃まで。
ニューヨーカーは真冬のコートを着ています。
5番街に出来た「ユニクロ」には、旅行者が着るものを調達に押し掛けてきて込み合っています。
南十字星妻もカーディガンを購入しました。
気温差が大きく、劇場のクーラーがきついのは予想していたので準備はしてきたつもりですが、寒いです。
劇場内では更に用意してきたマフラーを巻いて観劇しています ^^;

右の大きな建物がメトロポリタン美術館前です。
大きな美術館では、多くを見ようとすると印象が薄れてしまうのでピンポイントの攻略に努めています。
今回のお目当ては、フェルメール絵画4点、レンブラントの自画像、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「女占い師」、ティファニー・スタジオ作のステンドグラスです。
お目当てを探して真っ先に鑑賞した後は、自分たちの感性で宝物探しです。
この日は工芸品に珠玉の品々を発見しました。

銀食器です。たくさんの銀製品の中から、この一品に惹かれました。カレーを入れて食べてみたい!

見事な甲冑です。日本も含め、王侯貴族や時の権力者が使う武具甲冑の類いには当時の工芸技術の粋を極めた芸術品が多いです。
ここまで素晴らしい甲冑はなかなか見ることができません。

こちらは手鋼ですね。細工の細やかさと美しさに見惚れました。

これはサーベルの持ち手の部分です。マリア像かそれとも愛妻の像か、手の内に握りしめるように作られています。
メトロポリタン美術館には浮世絵もあったようですが、どこにあるのか分かりませんでした。常設ではないのかもしれません。迷路のように複雑でしばし自分の居所がわからなくなります。
この後、バスに乗って5番街のティファニー本店へ。
買う訳ではないんですが、どうしても見たくて本店内を一回りしてきました。

ガラスケースで飾られていた「ティファニーダイヤモンド」。これが一番大きいみたいです。輝いてました。
夜は、ABT「ラ・バヤデール」を観劇に。。。
ところが今回の旅で一番楽しみにしていたのに、主演のセミオノワが怪我で休演に。。。ショックで脱力です。
しかも、代役が「HEE SEO」とは・・・。
バレエは怪我で休演というのはよくあることとはいえ、セミオノワが観たくてN.Y.まで来たのに・・・、
払い戻しはないし・・・、代役は日本人と同じ体型の韓国人だし・・・、
韓国のダンサーは上手ですが、やはり手足の長さ不足は否めません。
気が乗らないもののとりあえず劇場へ向かいます。

メトロポリタン歌劇場のショップです。オペラのDVDやCDの数が凄いです。銀座山野楽器本店のオペラ関連より品数が圧倒的に多いです。バレエもありますけど、ほんの少し。オペラが羨ましい・・・。
今回の『ラ・バヤデール』は、ニキヤ役がソ・ヒに変更になったことで、ソロル(キム・キミン)、ガムザッティ(ジリアン・マーフィー)とのバランンスがとても悪い感じがします。ジリアン・マーフィーが王女様のようで、主役のニキヤがかすんでしまい物足りなさが目立ちます。
マリインスキー劇場からの客演キム・キミンは素晴らしかったです。回転力の速さ、全く軸のぶれない安定感、ジャンプした時の美しさは、目を見張るものがありました。もし、もう少し背が高くて、顔立ちが良ければ(笑)パーフェクトです。この日一番の拍手喝采を一身に浴びていました。
ABTで気になるのは、主役以外のダンサーが未熟であること。良くいえばおおらかともいえますが、世界中から名のあるダンサーをプリンシバルとしてスカウトしてきても他のダンサーの底上げも不可欠です。特に、コールドバレエではばらばらな印象が目立ち過ぎです。前回の『眠れる森の美女』は、新振付けでコミカルさもあって気になりませんでしたが、『ラ・バヤデール』では致命的で、ちょっと見ていられません。疲れもあって、途中で出てきてしまいました。
芸術的で格調高いバレエを求めるなら、やはりロシアだと思います。同じ演目を観ていても全く異なる印象になるのは、ダンサーのテクニックだけではなくお国柄も反映されるものだと強く感じました。
N.Y.まで来て、ずいぶん高い授業料を払って(笑)バレエ観劇の勉強をしています。正直言って『ラ・バヤデール』は選択ミスでした。ニキヤがセミオノワだったら・・・?違っていたかもしれませんが。
観劇の旅は、まだ続きます。とりあえずN.Y.での最後のバレエ観劇は、ニューヨーク・シティ・バレエ団です。さて、どんなバレエが観れるのか?楽しみです。
ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」
N.Y.4日目。
肌寒い日になりました。昨日までの快晴が嘘のように天気が崩れ、2〜3日大荒れの日が続くみたいです。
雨は嫌ですが、天気の良い日に眺めは堪能したので、特に問題はありません。
今回の旅は観劇がメインなので行きたかった所は早めにこなしました。
これでゆっくり観劇に打ち込めます。

今日は、『キンキーブーツ』を狙って「tkts」に並びました。
「tkts」は毎日10時開店と勝手に思い込んでいて、いそいそと出掛けてみれば日曜日はなんと11時オープン。仕方なくそのまま1時間以上ブロードウェイを眺めながら過ごします。
待ったかいがあり、本日も50%OFFのチケットを入手できました。

座席は1階の最後方でしたが、前から19列目。とっても近くて観やすい席でした。ブロードウェイの劇場は一番安い席で大丈夫そうです。
『キンキーブーツ』はアメリカ人にはとても人気のある演目です。この日も満席です。当日券が手に入ってとてもラッキーでした。
お話は、イギリスの田舎町にある倒産寸前の靴店を継いだ青年がドラァグクイーン(ド派手なドレスとヒールを履いて女装でパフォーマンスショーをするゲイのこと)の履いているヒールが男の体重を支えられないことに着目して、ドラァグクイーン御用達のブーツを作り会社を更生させるという単純なお話です。題名の「キンキー」とはゲイを意味します。
トニー賞を6部門受賞した作品で、特に主演男優賞を受賞した中央の黒人男性(ビリー・ポーター)は圧倒的な存在感です。歌も踊りも抜群に上手く、セクシーでパワフル、演技力も凄い!ジョークに下世話な駄洒落を連発し、会場がバカ受け状態。英語のジョークがわからず理解できないのがとっても残念でなりませんが、雰囲気だけは十分味わえ楽しめました。
最後、歌い上げる様はさながら「ホイットニー・ヒューストン」が歌っているような感じです。ミュージカルに酔いしれるって、こういうことか〜? 本場の最も旬な最高の配役で観れたことは、この上ない幸せです。

アメリカでは、ミュージカルもバレエも座席に着くときに「プレイビル」というプログラムを無料でもらえます。日本もこうしてもらいたい!
既に3冊ゲットしました ^^

観光の写真がないので、ランチの写真を!
ここのステーキはとても柔らかで美味しかったです。ファストフード店もN.Y.はレベルが高いです。
ブロードウェイミュージカル「レ・ミゼラブル」
N.Y.3日目の朝は、ブロードウェイへ!
タイムズスクエアは人人人の人だらけです。

ミュージカルは通常、夜8時からとスタートの遅いニューヨークですが、土日と水曜は昼のマチネがあります。
今日は土曜日。10時発売開始の当日券を求めて「tkts」に並びます。

ここが当日券を発売する「tkts」です。10時前ですが、赤い看板の裏側には既に長蛇の列が・・・。めげずに列に加わります。なんといっても売れ残りの当日券は50%OFF。ブロードウエイの劇場は小さいので席はどこでも十分観られます。
「レ・ミゼラブル」の前から5列目をゲットしました。

開演の午後2時までにはまだ時間があるので、ロックフェラーセンターに向かいます。
ニューヨークの全貌を眺めるには高いところに行くしかありません。
「トップ・オブ・ザ・ロック」の展望台は70階。絶景の眺めが待ってました。
360度見渡せます。こちらはエンパイアステートビルサイド。遠く自由の女神まで見渡せます。

こちらは反対側のセントラルパークサイドです。左の川はハドソン川。川を渡るとニュージャージー州です。
セントラルパークの先は、ハーレムでその先がヤンキースタジアムです。

セントラルパークサイドの端に、こんなノッポなビルが建ちました。
タワーマンション「432パーク・アベニュー」。最上階のペントハウスは9500万ドルで売れたそうです。
「ヘリからの眺め」という宣伝文句らしいですが、住むにはちょっと・・・って感じです。
エンバイアステートビルより高いですよ。

「レ・ミゼラブル」は、インペリアル・シアターで上演してます。インペリアル・シアターって・・・「帝国劇場」じゃありませんか ^^;

内部はこんな感じです。こじんまりしていて舞台と客席が近く、理想的な劇場です。舞台と客席との距離を近くするために、オーケストラピットも舞台下にあります。指揮者だけが顔を出せる空間があり、最初はオーケストラピットがあるのに気がつきませんでした。さすがです。
先日、日本で観たばかりなので記憶の新しいうちに違いを比較することができるなんて、最高です!
日本のミュージカルもレベルが上がったと感じていましたが、やはり本場のミュージカル・プレイヤーは、声量・歌唱力・演劇力は桁違い!日本の配役で本場ニューヨークよりずっと勝っていたのは、エポニーヌ役の昆夏美さんです。こちらでは黒人の女性でしたが、昆ちゃんの方が声の美しさと感情表現が優れていて役柄に合っていてはるかに感情移入ができました。
大き過ぎる日本の会場に比べてこじんまりしたブロードウェィ会場は、役者たちの歌声で響き渡り圧倒的な迫力です。舞台から声が襲いかかってくるような圧力を感じます。ソロを歌うたびに、歓声と黄色い声が飛び交いさながらコンサートホールのような雰囲気。舞台が終わり幕が閉じると同時にスタンディング・オベーションの嵐。鳥肌が立つような感動と興奮で、しばらく夢の中を彷徨っているような状態でした。
「う〜ん、やっぱりニューヨークはミュージカルが凄い!!」