「こうもり」〜新国立バレエ団〜
今年はバレエに力を入れているので、観られる演目は出来るだけ挑戦してみることにしました。
先日「新国立劇場」で『ラ・バヤデール』を観た時に予告映像で流されていた『こうもり』が、とっても気になったので今回観てみることにして来たのですが、これが予想以上に良かったのです!
まず出だしの演出で心を鷲掴みされた気がします。幕が上がると、いきなり中央にいる女性の長〜いドレスの裾を多数の男性ダンサーが持って、グルグル廻っているのです。興味をそそられるままに舞台に引きずり込まれてしましました。
物語は、夜な夜なこうもりの羽をつけて飛び立っていく夫、その夫の夜遊びに悩む妻が変装して夫を誘惑して、取り戻すという単純でコミカルなストーリーです。
ユーモアとチャーミングなセンス溢れる振り付け。もともとオペレッタであった『こうもり』は、日本人ダンサーに非常に良く合っていると思います。
『白鳥の湖』をはじめとするクラシックバレエは、容姿の美しさ、手足の長さを要求され、まず見た目で外国人ダンサーと差がついてしまいます。演劇的要素が強くコミカルなバレエでは、そのハンディが気にならないのです。また、速いテンポのダンスは失敗してはいけないという極度の緊張感が少なく、のびのびと踊れるこのような演目は、日本人に合っているようです。
ベラ役の米沢唯さんは、安定した確かなダンスと情感のこもった表現力の豊かさで好印象でした。日本人のダンサーもここまで来たんだという期待感が生まれます。
観ている方も肩の力が抜けて、気楽に楽しめるバレエも良いものだな〜と感じた舞台でした。
新国立劇場バレエ団「こうもり」予告編
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