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歌舞伎座「昼の部」の海老・玉(海老蔵・玉三郎)





 暖冬と言っていたはずが、大寒波襲来の12月でちょっと騙された気分。それでも、歌舞伎観劇の日が快晴だと気分はあったかです。


今年最後の歌舞伎座
 師走の歌舞伎座前は、寒くても大勢の人で賑わっています。



愛之助 

 「昼の部」で、最も良かったのが『源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)ー義賢最期ー』でした。愛之助の義賢は、もの凄い立ち回りです。三年前に新橋演舞場で初めて観た時の驚きと興奮が蘇ってきました。終盤のタテはいつ観てもハラハラドキドキします。「戸板倒し」に場内が騒然とし、最期の「仏倒れ」は激しく迫力満点です。三段ある階段の上から真っすぐ前に頭から倒れます。この舞台を初めて観たときに、つかこうへい作の「蒲田行進曲」の階段落ちシーンはオリジナルではなかったんだと初めて知りました。見せ場の連続に大満足の舞台です。

 ちょっと期待していた、玉三郎演出の新作『幻武蔵』は、正直なところつまらなかったです。武蔵役の獅童は頑張っていました。その他の若手役者も頑張っていたのに、残念な舞台です。話としては面白いのはずなのに演出がいけません。玉三郎は佐渡太鼓芸能集団「鼓童」も演出していますが、こちらもいまひとつです。役者として一流であっても、演出家として一流になれるわけではないと思いました。

 実は、一番楽しみにしていたのが、海老・玉の『二人椀久』です。美しい玉三郎とカッコいい海老蔵のコンビ。夢のような『二人椀久』になるだろうと、期待が大きかった分、ガッカリ感も大きかった(泣)!
 何故なのか? 海老蔵が役柄に合っていないこと。二人の呼吸が合っていない感じがすること。玉三郎が常に海老蔵に合わせているようで、バランスが悪いこと。玉三郎の貫禄が勝ち過ぎなどなど・・海老・玉コンビも全て良いというわけではないと、再認識させられた舞台でした。
 昨年の新橋演舞場での染五郎と菊之助のコンビは、バラスが良くとってもよかったです。惚れ惚れとする美しさ、夢の中に彷徨いうっとりとしてしまいました。玉三郎を見ていて、仁左衛門と『二人椀久』を踊ってほしかった!という気持ちがふつふつと沸いてきました。そう感じたのは、私たちだけでは無かったと思います。仁左衛門が孝夫だった頃、玉三郎とのコンビは一世を風靡したのを知る人たちは少なくないはず。海老・玉コンビは、仁左衛門・玉三郎を超えるものには、まだまだなっていないことを痛感しました。ぜひ、仁左衛門と一緒にやってほしいと切に願う思いです。





十二月大歌舞伎 昼の部 歌舞伎座
  一 源平布引滝 義賢最期
  二 幻武蔵
  三 二人椀久







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テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

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南十字星

Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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