fc2ブログ

第十回萬歳楽座






 秋の夜長『能』を堪能するのは、何とも風情があります。芸術の秋にもふさわしい。


 「国立能楽堂」正面
国立能楽堂
 黒塗りのハイヤー、高級車がいつもより多く車寄せに滑り込んでくると思ったら・・・
 高円宮妃殿下がお見えになっていました。





 「萬歳楽座」十回記念に頂きました。
萬斎楽座 
 「萬歳楽座」は、能楽笛方・藤田六郎兵衛氏が主宰する観能の会です。藤田流の家紋が大根の図柄となっていて、それに因んで、守口大根の漬物を記念品に頂きました。


 第一演目:舞囃子『三番叟』は、能「翁」の後半部分にあたります。「翁」は、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈念する祭儀能です。高円宮家の典子さんが婚礼を挙げられ、慶事にふさわしい出し物になったことを主宰者も演じる側も喜んでいらっしゃいました。
 狂言方和泉流の人間国宝・野村萬氏が、84歳とは思えない力強さと迫力で舞います。張りつめる空気、もの凄い気迫が迫ってくるようです。今回は、席が正面の最前列ということもあって、舞い手の息づかい、床を踏む振動、地謡の響き、笛・小鼓・大鼓の音が真正面から大音量で降り注いできます。身体中から、悪い虫が這い出し清められていくような恍惚感に包まれているようです。


 第二演目:能『紅葉狩』 鬼揃:戸隠山で紅葉狩りをする女人の一行のところに平維茂(これもち)一行がやってきます。維茂は、名前を明かさない女人たちに酒宴に誘われ眠ってしまいます。目が覚めると、先程の女人たちが鬼神となって現れ、維茂がその鬼神を退治するという話です。
 今回の『紅葉狩』の凄いのは、美しい女人6人が現れるところです。最初は妖艶で優雅な静かな舞いを、維茂が眠った後は急ノ舞いに変わり、音も立てず妖気を残して姿を消します。鬼女となって再び姿を表した後は、激しい格闘の末退治されます。鬼が6人となると、その勢いも凄まじく舞台から橋懸かりにかけて並んだ姿は圧巻です。
 前半の煌びやかな金糸の衣装の眩しさ、後半の鬼になってからの迫力と激しさが、本当に夢の中にいるようで息をするのも忘れて魅入ってしまいました。


 「能」は、今までに何回か観た(数える程度)のですが、道成寺以外では今回ほど面白く感じたことはありませんでした。
 演目も良かったのだと思いますが、やはり『席』は重要だと感じます。いつもは脇正面の後方から観てることが多いのですが、正面の最前列は、「ただただ凄い!」何もかもが、別世界です。音と気迫の圧力を感じます。まさに『能の世界』が一皮むけたような心持ちです。
 次回から能の席を取る時は絶対に「正面前列」にしようと固く決意した一日でした。




第十回萬歳楽座 国立能楽堂
  舞囃子 三番叟
        三番叟      野村萬
         千歳       野村万蔵
          大鼓       亀井広忠
          小鼓頭取     大蔵源次郎
           脇鼓       飯冨孔明
           脇鼓       田邊恭資
          笛        藤田六郎兵衛
  能 紅葉狩 鬼揃
        シテ(上臈/鬼女) 観世清河寿
         ワキ(平維茂)   宝生閑
          大鼓        亀井忠雄
          小鼓        大蔵源次郎
          太鼓        観世元伯
          笛         藤田六郎兵衛




スポンサーサイト



テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

南十字星

Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2014年10月 | 11月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


FC2カウンター
フリーエリア
ポチッと押してもらえると励みになります。  ↓
最新記事
最新コメント
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
2567位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
演劇
158位
アクセスランキングを見る>>
リンク
検索フォーム