でんでんむしむしかたつむり

「でんでんむし」、「マイマイ」、「蝸牛」いろいろ書き方はありますが、「かたつむり」と書くのが一番しっくりくるでしょうか。
子供の頃は、どこにでもいて角をつついて遊んだものですが、今や「かたつむり」を見つけるのは大変です。真剣に探した訳ではないですが、生田緑地でも多摩川の岸辺でもなかなかお目にかかれません。
以前、大学の図書館で「かたつむり」に関する分厚い専門書を発見して斜め読みしたことがあります。興味深いのはその分布状況です。
「かたつむり」は乾燥に弱く、這って移動することしかできないため、当然長距離移動はできません。のろのろとした移動で狭い地域内で生活するため、遺伝的交流ができずに地域ごとに分化が進みます。一説には日本だけでも800種以上に分化していると言われています。
地域ごと、島ごとに違う種がいるということなので出かける度に見つけることが出来れば、相当珍しいものを発見できるかもしれません。
小笠原諸島は、この「かたつむり」が100種以上いるということで世界自然遺産に指定されました。まだまだ未発見のものがあるようで、面積から考えると驚異的な感じがします。
旅のついでに「かたつむり」図鑑を作ってみるのも面白いかもしれません ^^
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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記
ヒヨドリジョウゴ


我が家の周りで、ヒヨドリが「ヒヨヒヨ」「ヒ〜ヨヒ〜ヨ」と喧しく鳴く季節になってきました。一年中いるヒヨドリですが、夏の間は生田緑地の山の中で鳴いているものが、秋になると人家までやってきて鳴き叫んでいます。
名前の由来がヒヨドリが好んで食べるからと名付けられた「ヒヨドリジョウゴ」も白い花から赤い果実になってきました。名前の割には、ヒヨドリが食べないことは有名で、どの鳥にも食べられることなく赤い実はいつまでもぶら下がっています。
季節は晩秋に入ってきました。
「キクイモ」と「ヒメハラナガツチバチ」

花が菊のような「キクイモ」の蜜を一所懸命吸っている「ヒメハラナガツチバチの雌」です。
「ツチバチ」は世界に1,000種以上いるようですが、産卵のためコガネムシの幼虫を求めて地中に潜るそうです。ツチバチ科の中の「ハラナガバチ」も近似種が多く、この子もたぶん「ヒメハラナガバチ」だと思いますが、それほど自信はありません。
夢中で蜜を吸っているときは、撮影者に気付かないのか?気付いても無視しているのか?逃げも攻撃もしてこないので、相当近くによっても大丈夫です。
セイバンモロコシ

産まれは地中海沿岸、英名は「ジョンソングラス」というお洒落な感じの生い立ちなのに、世界中で「畑の害草」「世界最大の10大雑草」などと嫌われてる『セイバンモロコシ』。ここまで嫌われるのは荒れ地でも育つ丈夫な身体と強い生命力のたまものなんですけど・・・。そもそも雑草という名の植物はないし、好きか嫌いかはそちら側の問題であって本人の問題ではないわけだし、こうして青空にすかしてみるとまんざらでもない姿形と美しい色合いではないですか。


幸四郎、染五郎親子の競演!
今月の国立劇場は、通し狂言『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』。松本幸四郎、市川染五郎親子が中心で公演しています。

『双蝶々曲輪日記』の作者は、『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』と同じ竹田出雲・三好松洛・並木千柳の名作トリオです。どれも傑作(文楽や歌舞伎のみならず、日本の演劇史上の傑作だと思います。)で、大人気の演目です。
題名の「双蝶々」は、濡髪長五郎(ぬれがみちょうごろう)と放駒長吉(はなれごまちょうきち)二人力士の名前から「長」の音を取り入れたものです。
「角力場」と「引窓」の独立上演が多く、通しで上演されることはあまりありません。今回は「通し狂言」として上演されてますが、濡髪長五郎を中心とした構成で全てではありません。話しの筋と人間関係が複雑に絡み合い、全体の物語を把握するには、更に放駒長吉を中心とした上演をしてもらわないと全貌が掴めないぐらい長いお話です。
今回中心となる濡髪長五郎を幸四郎が、放駒長吉を含め三役を染五郎が勤めています。役柄が任に合っていて、見応えのある舞台です。染五郎が満開の桜の中、追っ手から逃れるため清水観音の舞台から傘を広げて下りてくる宙乗りの場面は実に美しく印象的でした。
「引窓」単独公演でも十分楽しめるのですが、やはり序幕からあると人物関係がよくわかり、「引窓」に至る経緯を深く知ることができました。実は、「引窓」後の場面がもう一段あるはずで通し狂言でやると聞いて今回楽しみにしていたのですが、そこはやりませんでした。「引窓」で大詰にした方が芝居としてはスッキリしますし、なくてもよい段だとは思うのですが、義太夫にはあるのでちょっと観てみたかったです。
歌舞伎の舞台には主役ではないけれど、なくてはならない重要な存在があります。最近の舞台で感じたのが、中村東蔵の存在です。今回は、濡髪長五郎の母親役を演じてます。これだけ情感溢れる母親を演じられる役者は、他にいないのではないかと思います。東蔵がいるからこそ場面が引き締まり、素晴らしい舞台になっていると感じることが多いのです。
「良い舞台だなぁ〜!」と感じる舞台には、必ず東蔵がいる。名脇役なくしては、名舞台は生まれません。今月は幸四郎の座組ですが、来月は藤十郎の座組、12月は吉右衛門の座組と国立で3ヶ月続けて東蔵は出演し続けます。これって、実は凄い役者なのではないでしょうか。これからはもっと脇役にも注目していきたいと思いました。
第290回 国立劇場十月歌舞伎公演
通し狂言 双蝶々曲輪日記 四幕五場
序 幕 新清水の場
二幕目 堀江角力小屋の場
三幕目 大宝寺町米屋の場
難波芝居裏殺しの場
四幕目 八幡の里引窓の場
アレチハナガサ

日当りの良い荒地や河原に直立し、遠目からはでこぼこした植物が林立しています。気にして近づかないと花が咲いていることすら分からないぐらい小さくて目立たない花ですが、こうして寄って見るとなかなかな美しさです。
全部が咲き誇るとそれこそ花笠のようになって綺麗なんですが、河川敷を歩く人たちは忙しい人が多く、ロードバイクで風をきって爽快に走ったり、ジョギングをしたりと誰にも気に留められません。釣り人は魚以外に興味はなく、学生達はバーベキューで青春を謳歌中。
カメラをもった暇人だけが気付く美しさを堪能してきました。
能『松風』
第十七回鵜沢久の会が、宝生能楽堂で開催されました。2週間前に事前勉強会に出席した成果を楽しみに、今回の「能」に臨みました。
宝生能楽堂の舞台

久しぶりの宝生能楽堂です。今年2月の大雪の時に来たのを思い出します。あの時は、電車が止まるのを懸念して一番だけ観て帰りました。
能『松風』は、観阿弥・世阿弥父子による名曲です。須磨の浦に流された在原行平への思いを断ち切れない二人の海女姉妹の悲しみと追憶を描いた話しです。この二人の姉妹役を鵜沢久・光親子で、シテ(松風)とツレ(村雨)を勤めます。
久さんと光さんの声の質が良く似ていて、二人で合わせて謡う場面、一人一人で謡う場面がありますが、最初は区別がつきません。良く聴いていると、低い声がシテの久さん、少し高い声がツレの光さん。女能楽師親子で、姉妹役を舞うこと自体が珍しいことです。この演目の選択は、素晴らしいと思いました。
シテの松風が、扇を使って桶に汐を汲み、桶に映る月を見るシーンは、情緒的で実に美しい。
地謡『さし来る汐を汲み分けて、見れば月こそ桶にあれ、 』
シテ『これにも月の入りたるや、』
地謡『嬉しやこれも月あり、』
シテ『月は一つ、』
地謡『影は二つ満つ汐の、夜の車に月を載せて、優しさとも思わぬ汐路かなや。』
桶に宿った月影が、汲み入れる汐のためにゆらゆらと砕け、それが静まって再び桶の中に月影が映るのを眺める。この一連の所作と地謡との掛け合いがなんとも美しい場面です。
松風が松の木を見て、行平への恋慕を募らせ狂乱して舞う「中之舞」。小書きにある「見留」は、「破之舞」が橋懸かりで引込みが終わるものです。久さんが勉強会で話していた通り、とっても印象的でした。
正直、事前勉強会に出ていなかったら、今回の能の素晴らしさ、奥深さは全くわからなかったと思います。
能を語る時によく聞く言葉に『熊野松風は米の飯』という言葉があります。
能「熊野」と能「松風」は、米の飯と同じぐらい誰にでも好まれる名曲であるという意味だそうです。
在原行平を恋い慕う女心を美しい詞章で綴った名文句が並び、「古今和歌集」で行平が詠った『立わかれいなばの山の峰に生ふる松としきかば今かへりこむ』という別離歌を、クライマックスに見事に舞と歌をミックスさせた手法は確かに素晴らしく名作の名にふさわしいと思います。
ただし、鑑賞者としては、その名作に酔うだけの教養と修練が必要で、今日はそのほんの一端に触れただけに過ぎない、上級者向けの作品だと思いました。
いつか、この「松風」に心から酔いしれるだけの鑑賞眼と教養を身につけていきたいなと心に誓った観能でした。
第十七回鵜澤久の会 宝生能楽堂
狂言「鐘の音」 野村太一郎 河野佑紀
能「松風」見留
シテ松風 鵜澤久
ツレ村雨 鵜澤光
ワキ 殿田謙吉
大鼓 亀井忠雄
小鼓 観世新九郎
笛 藤田治郎
亀ちゃん! 飛びます!飛びます!
新橋演舞場で今月開催されている「花形歌舞伎」は、市川猿之助(亀ちゃん)大奮闘の公演です。
「昼の部」「夜の部」ともに「飛びます!飛びます!」

「夜の部」の演目は、通し狂言『獨道中五十三 (ひとりたびごじゅうさんつぎ)』で四幕五十三場というとてつもない場面展開です。お家騒動と仇討ちが入り乱れ、化け猫の怪異、宙乗り、水中の立ち回り、早変わりと・・・まさにケレンの連続です。
亀ちゃんの歌舞伎は、ストーリーがほとんどなく、エンターテイメントを重視したものなので、初心者の方でも十分楽しめます。必ず宙乗りがあって、これは何度観ても面白くて興奮します。ただ作品そのものは何度も通うように観て、深めるというものではないので「一度観たら、もういいかなぁ〜」という感じです。そこが、練り上げられた古典歌舞伎と大きく違うところだと思います。
歌舞伎観劇も数を重ねてくると、演目の好みや役者の好みが変化してきます。その変化とともに、歌舞伎への理解も深まってきているような気がします。
役者の目指している歌舞伎が何なのか? 少しずつ見えてきたように思えます(笑)。
セイタカアワダチソウ

多摩川の河川敷の秋を彩る「セイタカアワダチソウ」は、名前のとおり背いたかのっぽで人の背丈よりも遥かに高く延びます。天気のいいときは、黄色が映えてとても綺麗です。
多摩川の河川敷に限らずちょっと郊外にいくと必ず目にする「セイタカアワダチソウ」は繁殖力が強く、秋の河川敷では在来種の「ススキ」と熾烈な勢力争いを繰り広げています。
北米出身の「セイタカアワダチソウ」は、日本では侵略的外来植物に指定されていますが、北米では「ススキ」が侵略的外来植物に指定され、やはり猛威をふるっているようです。
どちらも個性的で美しいと思うのですが、環境適応が同じでも早いものが在来種で、在来種から見れば後から来たものは侵略で、なまじ繁殖力が強いと仲良く棲み分けはできないようで、生物の世界はいずこも同じようなものだなとつくづく感じます。
この子の名前は?

多摩川沿いの溜まり池の中に、この子を発見しました。ペアなのか、兄弟なのか分かりませんが同じ大きさの子が二匹。ところが、いくら調べても名前が分かりません。幼体のような気もします。
特徴としては、下顎の緑色、指の先端が吸盤状になっていないこと、縞があること、小さいながらもはっきりとした鼓膜、特徴的な目といったところでしょうか?
ヒキガエル科かアカガエル科の幼体ではないかと思っているのですが、まったく自信なしです。
どなたか分かる方は教えてください。
多摩川の岸辺はただいま蝶の園
花の少なくなった秋から冬にかけては、生田緑地にいくより多摩川に出かけることが多くなります。
見通しもよく、陽射しもたっぷりな川岸は歩いているだけでも気持ちがいいです。カメラを持っての散歩の帰り道に必ずよる中華料理屋さんは、横浜の中華街まで出かけなくても十分な味と量で地元の名店です。このお店を目当てに多摩川に出かけるといった方が正解かもしれません ^^

「ツマグロヒョウモン雌」

「ヒメアカタテハ雌」

「ウラナミシジミ」の裏

「ウラナミシジミ」のこちらは表です。

「キタキチョウ」。いままで「キチョウ」と思っていましたが、最近の研究により「キチョウ」は、「キタキチョウ」と「ミナミキチョウ」に分類されることを知りました。違いは微妙過ぎて説明は省略しますが、「キタキチョウ」の方が全体的に丸い印象といったところでしょうか。今まで気づきませんでしたが、こうして色々な蝶を並べてみると「キチョウ」は頭が小さいのか?それとも頭部に対して目が大きいのか?なんかバランスが悪い気がします。ちなみに、よく間違えますが「モンキチョウ」は別種です。

「ベニシジミ」。春先のベニシジミに比べて色合いが暗めな印象です。

たぶん「オオチャバネセセリ?」。翅を広げたところを確認していないので、紋様が正確に確認できず自信がありません。蛾と間違えられますが、セセリチョウ科の蝶です。「ひらひら」というより「ビューン」と飛んでいきます。早く飛ぶため、太く筋肉質?な体になっています。
もう夏も過ぎたのに蝶?と思う方も多いと思いますが、蝶の活動時期は結構長く、春先3月〜11月頃までです。発生回数も多く、種によりますが、産んでは産まれてを年に3〜4回繰り返します。
今の時期は、多くの種を見られるチャンスでもあります。
坂東札所中、最大の難所「八溝山 日輪寺」参拝
午年特別結縁実施中の坂東札所。
今年中には、クリアしておきたかった最大の難所「日輪寺」に出かけてきました。
といっても、今回だけはバスツアーの利用です。
公共交通機関を利用しながら、ボチボチと巡っていた三十三観音ですが、ここだけは大変過ぎて・・・。最寄り駅は、茨城県の常陸大子駅ですが、駅から朝7時55分発のバスに乗らなくてはなりません。我が家からは4時間かかるので、これだけで前泊が必要です。しかも、バスの終点から山道を片道二時間。昔から、下から拝んだだけで済ませてしまう『八溝知らずの偽坂東』と言われる由縁です。
ツアーは、朝7時40分集合で帰着が夜8時40分ですから、こちらも大変でした。
札所巡りツアーは初めて参加しましたが、先達といわれる「お坊さん」が一緒です。バスの中で、朝晩のお経を一緒に唱えたり、車中でも色々なありがたいお話や札所にまつわるお話が伺えます。高野山で修行された真言宗のお坊さんでした。ツアーはやはり私達が一番若い感じで年配の方が多いですが、皆さん元気です。四国巡礼を終えた方もいたりで、色々なお話を伺えて楽しい一日でした。

この日は、二ヶ寺巡ります。まずは、佐竹氏代々の祈願寺「佐竹寺」

瓦には佐竹氏の家紋、扇がついています。

先達の誘導に従って、参拝。「開経偈」「懺悔文」「般若心経」「延命十句観音経」「御本尊真言」「回向文」と順番に読経し、作法を学びながらの参拝です。いままで自己流でやっていたので、良い学びの場になりました。全員気持ちを一つにしての唱和は気持ちがいいです。

元国宝の本堂は、現在重要文化財に格下げされてしまったようです。無住になり、荒廃してきた結果なのではないかと思いますが、本堂のつくりや彫り物は素晴らしく、国宝でもおかしくありません。

昼食後、いよいよ日輪寺へ。大型バスから、マイクロバスとタクシーに乗り換えて40〜50分。舗装してある道路とはいえ、「いろは坂」より急峻で狭い道。エンジンが唸り声を上げています。徒歩で行かなくてほんとに良かったと思いました。登山より大変です。

標高1000メートル弱の境内は、寒いくらいです。1月〜2月は閉山というのもうなずけます。ここは、本堂の中に入れるので、正座して本格的な参拝です。身が引き締まります。
初めてのバスツアーでしたが、思っていたより楽しかったです。先達さんが一緒のバスによる巡礼もいいもんだなぁと思いました。最難関は終わったものの、まだいくつかの難所が残っています。午年結縁の最中にあといくつか巡れるかな〜。
第十回萬歳楽座
秋の夜長『能』を堪能するのは、何とも風情があります。芸術の秋にもふさわしい。
「国立能楽堂」正面

黒塗りのハイヤー、高級車がいつもより多く車寄せに滑り込んでくると思ったら・・・
高円宮妃殿下がお見えになっていました。
「萬歳楽座」十回記念に頂きました。
高円宮妃殿下がお見えになっていました。
「萬歳楽座」十回記念に頂きました。

「萬歳楽座」は、能楽笛方・藤田六郎兵衛氏が主宰する観能の会です。藤田流の家紋が大根の図柄となっていて、それに因んで、守口大根の漬物を記念品に頂きました。
第一演目:舞囃子『三番叟』は、能「翁」の後半部分にあたります。「翁」は、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈念する祭儀能です。高円宮家の典子さんが婚礼を挙げられ、慶事にふさわしい出し物になったことを主宰者も演じる側も喜んでいらっしゃいました。
狂言方和泉流の人間国宝・野村萬氏が、84歳とは思えない力強さと迫力で舞います。張りつめる空気、もの凄い気迫が迫ってくるようです。今回は、席が正面の最前列ということもあって、舞い手の息づかい、床を踏む振動、地謡の響き、笛・小鼓・大鼓の音が真正面から大音量で降り注いできます。身体中から、悪い虫が這い出し清められていくような恍惚感に包まれているようです。
第二演目:能『紅葉狩』 鬼揃:戸隠山で紅葉狩りをする女人の一行のところに平維茂(これもち)一行がやってきます。維茂は、名前を明かさない女人たちに酒宴に誘われ眠ってしまいます。目が覚めると、先程の女人たちが鬼神となって現れ、維茂がその鬼神を退治するという話です。
今回の『紅葉狩』の凄いのは、美しい女人6人が現れるところです。最初は妖艶で優雅な静かな舞いを、維茂が眠った後は急ノ舞いに変わり、音も立てず妖気を残して姿を消します。鬼女となって再び姿を表した後は、激しい格闘の末退治されます。鬼が6人となると、その勢いも凄まじく舞台から橋懸かりにかけて並んだ姿は圧巻です。
前半の煌びやかな金糸の衣装の眩しさ、後半の鬼になってからの迫力と激しさが、本当に夢の中にいるようで息をするのも忘れて魅入ってしまいました。
「能」は、今までに何回か観た(数える程度)のですが、道成寺以外では今回ほど面白く感じたことはありませんでした。
演目も良かったのだと思いますが、やはり『席』は重要だと感じます。いつもは脇正面の後方から観てることが多いのですが、正面の最前列は、「ただただ凄い!」何もかもが、別世界です。音と気迫の圧力を感じます。まさに『能の世界』が一皮むけたような心持ちです。
次回から能の席を取る時は絶対に「正面前列」にしようと固く決意した一日でした。
第一演目:舞囃子『三番叟』は、能「翁」の後半部分にあたります。「翁」は、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈念する祭儀能です。高円宮家の典子さんが婚礼を挙げられ、慶事にふさわしい出し物になったことを主宰者も演じる側も喜んでいらっしゃいました。
狂言方和泉流の人間国宝・野村萬氏が、84歳とは思えない力強さと迫力で舞います。張りつめる空気、もの凄い気迫が迫ってくるようです。今回は、席が正面の最前列ということもあって、舞い手の息づかい、床を踏む振動、地謡の響き、笛・小鼓・大鼓の音が真正面から大音量で降り注いできます。身体中から、悪い虫が這い出し清められていくような恍惚感に包まれているようです。
第二演目:能『紅葉狩』 鬼揃:戸隠山で紅葉狩りをする女人の一行のところに平維茂(これもち)一行がやってきます。維茂は、名前を明かさない女人たちに酒宴に誘われ眠ってしまいます。目が覚めると、先程の女人たちが鬼神となって現れ、維茂がその鬼神を退治するという話です。
今回の『紅葉狩』の凄いのは、美しい女人6人が現れるところです。最初は妖艶で優雅な静かな舞いを、維茂が眠った後は急ノ舞いに変わり、音も立てず妖気を残して姿を消します。鬼女となって再び姿を表した後は、激しい格闘の末退治されます。鬼が6人となると、その勢いも凄まじく舞台から橋懸かりにかけて並んだ姿は圧巻です。
前半の煌びやかな金糸の衣装の眩しさ、後半の鬼になってからの迫力と激しさが、本当に夢の中にいるようで息をするのも忘れて魅入ってしまいました。
「能」は、今までに何回か観た(数える程度)のですが、道成寺以外では今回ほど面白く感じたことはありませんでした。
演目も良かったのだと思いますが、やはり『席』は重要だと感じます。いつもは脇正面の後方から観てることが多いのですが、正面の最前列は、「ただただ凄い!」何もかもが、別世界です。音と気迫の圧力を感じます。まさに『能の世界』が一皮むけたような心持ちです。
次回から能の席を取る時は絶対に「正面前列」にしようと固く決意した一日でした。
第十回萬歳楽座 国立能楽堂
舞囃子 三番叟
三番叟 野村萬
千歳 野村万蔵
大鼓 亀井広忠
小鼓頭取 大蔵源次郎
脇鼓 飯冨孔明
脇鼓 田邊恭資
笛 藤田六郎兵衛
能 紅葉狩 鬼揃
シテ(上臈/鬼女) 観世清河寿大鼓 亀井広忠
小鼓頭取 大蔵源次郎
脇鼓 飯冨孔明
脇鼓 田邊恭資
笛 藤田六郎兵衛
能 紅葉狩 鬼揃
ワキ(平維茂) 宝生閑
大鼓 亀井忠雄
小鼓 大蔵源次郎
太鼓 観世元伯
笛 藤田六郎兵衛
ハワイの海(最終回)
ハワイのレックダイビングをご紹介してきましたが、ハワイは沈没船のダイビングばかりではないので、南国の魚達も少しご紹介します。太平洋のど真ん中に位置するハワイは水温も高く、固有種も多く、生物も大きく、ダイビングをするにはもってこいの環境です。カラフルなチョウチョウウオやベラが多く、水中撮影をするにも気合いが入ります。ほとんどがボートダイビングですから、エントリーもエキジットも楽々ですね。

カメと記念撮影。カメは逃げの体勢に入ってますけど。。。

美しいチョウチョウウオが多いハワイでも、特に美しさが際立つ「ハナグロチョウチョウウオ」。

尾鰭が長く延びて美しい「ミヤコテングハギ」。尾鰭の付け根にオレンジ色の鋭い突起が突き出ています。

ハコフグの雄です。南国の魚は、どれも鮮やかな色合いで綺麗です。

ハワイの固有種「ハワイアンホワイトスポッテッドトビー」。水玉模様がお洒落です。

この日のチームメンバー。「ZXダイビング」チームジムです。
ログブックを見ると、今回アップしたレックダイビングは、2009年9月1日〜3日。3日間続けて6本のダイビングでした。水温は、25〜26℃。快適そのものです ♪
一番透明度が良かったのは、コルセアで、ガイドは50m超と言っていました。何しろ水深40mぐらいに沈んでいるコルセアを海面からはっきりと見ることが出来るぐらいですから。
ちょっと変わったダイビング特集は、これでおしまいです。
また、ハワイで潜りたくなってきました。
能「松風」勉強会
10月25日に予定されている第十七回鵜澤久の会の事前講座が、国立能楽堂で行われました。
観世流銕仙会に所属する能楽師、鵜沢久さんと娘の鵜沢光さん親子は大のお気に入りで、笛方の藤田六郎兵衛さん主宰の「萬斎楽座」とともに私達の能楽鑑賞の主軸になっています。
『能』は、事前の勉強が欠かせません。歌舞伎や文楽のように順をおってストーリーを演じる芝居とは違います。登場する人物や時代背景を理解した上でないと、いきなり現れたシテ(主役)が何を語って嘆いたり悲しんだり怒ったりしているのか理解できないまま終わってしまいます。歌舞伎にある演目で観たことがあるものならまだしも、初めての演目では「お手上げ!」です。
事前に無料で勉強会を開催してくれる「鵜澤久の会」の能は、本当にありがたいです。今回の講師は、国士舘大学教授・表きよし氏です。この講座を聴くか?聴かないか?で、当日の鑑賞が全く違ってきます。

講座の内容は、講義1時間半。その後、能楽師を交えて30分ほど質疑応答や裏話などを聴かせてもらえます。内容は大変濃いものです。詞章の内容はもとより、「古今和歌集」や「源氏物語」、「撰集抄」などにも話がおよび、毎回もっともっと勉強して教養を身につけなければと気を引き締めての帰宅になります。今回もいただいた資料に、びっしりと走り書きしたメモを基に、観能当日まで勉強です ^^;

『松風』は、観阿弥・世阿弥父子による名曲中の名曲と言われる演目です。
須磨の海女姉妹が、須磨の浦に流された在原行平への深い思いを死後も断ち切れないままの悲しみと追憶を描いたものです。
『松風』を制作するにあたり、『古今和歌集』に載っている在原行平の歌や『撰集抄』にある「行平事」、『源氏物語』の「須磨」などを下地に練りに練り上げられた作品で、とても美しい詞章になっています。
表きよし氏の講義を聴いて、『松風』という作品の品格の高さと面白さを感じることができました。この講義を踏まえて、当日の『能』がどのような印象になるのか?より一層楽しみになりました。
レックダイビング(ハワイ シータイガー)

レックダイビング第3弾はハワイケワロ港沖、アラモアナショッピングセンターのちょっと先にある港です。ポイント名は「シータイガー」。水深35メートル前後の海底に横たわっている大型の船は圧巻です。

ダイバー達の大きさから船の大きさが分かると思います。それぞれ気ままに沈没船観察です。

ハワイ固有種の「サイケデリックラス」。サイケデリックな模様は雄の特徴なんですが、これは雌ばかりです。なかなか雄には出会えません。

もうお気づきの方もいると思いますが、水深が深ければ深い程、ダイバーが見る世界はブルー一色になっていきます。上の「サイケデリックラス」のような綺麗な色合いは、強い光を当てて初めて色が分かります。写真を撮る時に光るフラッシュで、こんな色だったんだとビックリすることは良くあります。

ガイドの誘導で、ちょっと船の回廊をくぐってきました!ホースやタンクが引っかからないかとドキドキします。ご満悦で、サインを出す南十字星妻の後ろには、まだ南十字星夫が通過中です。
いつもの伊豆とは違う、レックダイビングは探検隊みたいでワクワクします。海外のダイビングならではですね。もう少し長く潜っていられるといいんですが・・・。タンクの残圧が半分も残っていてもったいない ^^;
市川猿之助奮闘連続公演
一年を通して歌舞伎座には通っていますが、10〜11月は「芸術の秋」。毎年、この時期は一気に忙しくなります。今月は、歌舞伎座・新橋演舞場・国立劇場と三座で歌舞伎興行があり、能の各流派でも定例能とは別に別会が催されたりします。
そんな芸術の秋、亀ちゃん(市川猿之助)率いる澤瀉屋は、二ヶ月奮闘連続公演に入りました。今月は新橋演舞場で昼夜、来月は明治座で昼夜と、飛んで飛んで飛びまくることでしょう。

このポスターは、昼の部「金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)」の大喜利所作事「双面道成寺」のイメージポスターです。実際に、このように顔をする(化粧をする)訳ではありません。このままやったら、コントになってしまいます ^^ 顔の左半分は鬼の形相の男の霊、右半分は嫉妬に狂う姫様の霊です。
「双面道成寺」の双面とは、二人の人物が同じ姿形で現れて変化するという歌舞伎舞踊独特の手法です。一人の人物が男女の所作を踊り分けるという高度な技量が要求されます。
先月歌舞伎座の「法界坊」の大喜利でも吉右衛門が双面を披露しましたが、男女を演じ分けることが出来る歌舞伎役者ならではの特筆すべき芸だと思います。

澤瀉屋といえば、宙乗り。三階席には宙乗り時に設置される黒い箱が現れます。舞台から客席上を宙乗りで演技しながら、この黒い箱の中に吸い込まれていきます。今回は、この箱の中から金色の紙吹雪が大量に噴出されました。

その結果は、ご覧の通り。一等席のお客さんには相当降り掛かったと思います。
「金幣猿島郡」は芝居の中身は、平将門の妹が出てきたり、安珍清姫が出てきたり、蛇体になったり鬼になったりと、大した筋立てはありません。澤瀉屋の演目の限界を感じてしまいます。宙乗りとスペクタクルな演出だけでは、印象に残る芝居にはならず、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を超える演目の創出が待たれます。
唯一面白かったのは、長唄の道成寺の詞章を常磐津と長唄で演奏したことです。よく聞くと同じ詞章でも、まるで違うもののように聞こえるものですね。
他に「俊寛」。市川右近の俊寛、市川猿也の瀬尾太郎兼康はなかなか良かったです。幕切れの型は、中村屋のものよりもこちらの方が好みです。
十月花形歌舞伎 新橋演舞場 昼の部
市川猿之助奮闘連続公演
一 俊寛
二 金幣猿島郡
大喜利所作事 双面道成寺
追善公演は大成功
十七世、十八世中村勘三郎追善公演の「昼の部」はよく参考にしている演劇評論家の方の劇評が良くなかったので、ちょっとがっかり感を感じつつ観劇に臨むことになってしまいました。
自分の目で観た結果は・・・

「お染久松物」の代表作である『新版歌祭文』は、安政9年(1780)に人形浄瑠璃として初演されました。歌舞伎では『野崎村』が独立して上演され、とても人気のある演目です。
丁稚久松(中村扇雀)をめぐって、田舎娘お光(中村七之助)と町娘お染(中村児太郎)の対照的な恋が描かれています。
七之助は、田舎娘というよりも、ちょっとオキャンな都会の娘という感じはしますが、恋い慕う久松のために自ら身を引く女の切なさを巧く演じています。父親役の坂東彌十郎との呼吸もピッタリで、親子関係の情愛を見事に表現しています。
幕開きの義太夫「〽︎ あとに娘はいそいそ」の後の一連の所作では、鏡台を出して身繕いする重要な場面が、手鏡による省略版になっていたのが残念です。まもなく女房になる自分の姿を想像しながら眉を紙で隠し(当時は、結婚すると眉毛を剃っていました)、その姿を鏡で見てはにかむという女心を表す重要な演出だと思うのですが、何故ここを省くのか?ここだけがちょっと残念でした。

『伊勢音頭恋寝刃』は、実際に伊勢で起こった殺傷事件を劇化して、寛政8年(1796)に初演されました。
主人公の福岡貢(中村勘九郎)は、「ぴんとこな」と呼ばれる役柄で和らかみと強さ求められる難しい役ですが、かなり頑張っていると思います。
特筆すべきは、坂東玉三郎の仲居万野です。意地の悪い憎々しさの表現力が見事です。目の使い方、体の動き、憎々しさの中にある色気・・・玉三郎の芸の広さ、奥行きを発見できたような気がします。
と言う訳で、「昼の部」の出来栄えは決して悪いものではありませんでした。むしろ、良い舞台で十分楽しめる演目でした。
観る目を養うということは、劇評をそのまま鵜呑みにすることなく、自分の目で確かめて、自分で評価することが重要であると思いました。好みや贔屓の役者とかは、各人異なるのでやはり数多く観ないと、わからないものです。(笑)
昼の部では、中村扇雀の立役(野崎村の久松)と中村橋之助の女形(伊勢音頭の遊女お鹿)という珍しい役を観れたのもお楽しみの一つでした。
十月の追善興行は大成功だったと思います。
十月大歌舞伎 歌舞伎座 昼の部
十七世中村勘三郎二十七回忌、十八世中村勘三郎三回忌追善
一 新版歌祭文
野崎村
二 上 近江のお兼
下 三社祭
三 伊勢音頭恋寝刃
油屋店先、同奥庭
レックダイビング(ハワイ コルセア)

ハワイレックダイビング第2弾、ポイント名は『コルセア』です。第二次大戦中に活躍したコルセアが燃料切れで水深32mに沈んでいます。練習中でのことで操縦士は無事だったそうです。真っ白い砂の上に静かに横たわっています。

ゆっくりと潜行し、水深32mの海底へ。後ろから近づいていきます。

コックピットでちょっと記念撮影。タンクとフィンが邪魔で中までは入れません。

正式名称は「F4U Corsair」。当時としては怪物級の2000馬力エンジンを載せたため、直径4メートル以上のプロペラをつけました。翼の形に特色があり、逆ガルウイングの名機です!といっても、この状態では悲しいかな伝わりません。。。アメリカ人には人気があります。

コルセアの周りは、ハワイ固有種の「ガーデンイール」生息地としても有名です。かなりの数がニョキニョキしています。「あなご」の仲間です。

「コルセア」はハワイで人気ポイントなので、大勢のダイバーが次々とやってきます。
ダイビングは水深によって潜水時間を計算します。また、浮上も一気に海面まで浮上は出来ません。水深32メートルもあると、浮上するにも2度安全停止というものを行う必要があり、この日も水深14メートルで1分、水深5メートルで5分止まっている必要がありました。
潜行も耳抜きをしながらゆっくり行いますので、行き帰りの時間を考慮し、メンバーの人数や技量、安全のための空気の残量確保、海況などをガイドが判断し、水深32メートル「コルセア」の滞在時間は5〜6分です ^^; 全行程では21分。
最大水深20m程度のダイビングだと1時間ぐらい潜っていられるので、深いところにいくのも考えものです。
歌舞伎座「な〜んちゃって、一等席?」
午前中は、台風18号の影響で大荒れだった東京も午後は、台風一過の秋晴れで、しかも夏のような暑さです。
歌舞伎座の懸垂幕は、たたまれたまま。

2階の一等席

十七世、十八世勘三郎の追善公演「夜の部」がとっても良かったので、再度観に来ました。
今回は、安売りのチケットで一等席を半額で手に入れたのですが・・・。2階4列目の中央です。実は、歌舞伎座では新旧歌舞伎座合わせて2階席は初めてです。舞台のちょうど真ん中で、見やすいと思ったのですが、花道はスッポンあたりまでしか見えません(泣)。舞台からの距離も意外とあり、オペラグラスを使わなくても見えるけれど、使った方が良く見えるという微妙な距離です。前の座席との間隔も狭く、どうも2階は招待客専用のちょっと気分をくすぐる「なんちゃって」な感じがします。
3階の前例は、三等A席で6,000円、2階は最後列二列以外は一等席の18,000円、2階最後列二列は二等席で14,000円です。正直言って、2階の一等席は納得ができません。最前列以外は二等席にすべきです。1階の一等席とは大違い。花道で観劇した印象が強烈だったので、こんなにも違うものかと驚くばかりです。
もし、歌舞伎座で歌舞伎をご覧になる機会があったなら、一等席なら絶対1階席です。特に花道脇がお薦め。二等席なら、1階の二等席の最前列、三等席なら3階の最前列がお薦めです。同じ金額を出しても、場所によってその差は、等級の差以上になってしまいます。
今回は、一等席でも半額、二等席より安かったので許せますが、これが一等席正規の価格で購入していたら許せなかったです(笑)。まさに『な〜んちゃって、一等席!』

写真を見ても、十八世勘三郎と勘九郎はよく似ています。
舞台を観ている最中も勘九郎を見て、「勘三郎そっくり!」という声があちこちから聞こえてきました。
勘三郎に会いたいと思っている方は、ぜひ『鰯賣戀曳綱』を観てみてほしいです。勘三郎に会えたような気持ちになります。
そして、勘九郎の芸の幅の広さを感じ、勘三郎を超えるかもしれないという期待が膨らみます。
七之助も女形として、急成長しています。この兄弟から目が離せません!
沈没船ダイビング(ハワイYO257)
今年こそはと張り切っていたダイビングも諸事情によりシーズンアウトになりました。
7月に潜った後、ダイビング用カメラを新調し、さぁ!と気合いは入れたもののなかなかうまく行きません。
そこで、過去のハワイでのダイビングから、ちょっと珍しいものを探してきました。
何回かに分けてご紹介したいと思います。

ここは、ワイキキ沖、ロイヤルハワイアンホテルの真っ正面の沖合です。ダイビングポイント名は『YO257』。甲板で水深約25m、海底で約30mの沈没船ダイビングです。ヒルトンホテルから出発する観光用潜水艦アトランティスが魚礁として沈めたもので、潜水艦もこの近くを通過します。

甲板から見るとこんな感じです。少し白っぽいですが、やっぱりハワイの海は青いですね。

船内には、ヨスジフエダイの群れがたくさんいます。

私達が真剣に撮っているのは、アオウミガメです。甲板に寝ているのが分かりますか?ハワイの海にはカメはたくさんいて潜る度に出会うので珍しくはないのですが、やはりついつい撮りにいってしまいます。

写真はダイビングショップにお願いして(有料です)撮影してもらったものです。私達のカメラよりも遥かにいい器材なので、今回のシリーズはすべて撮ってもらったものでアップします。
「長唄を読む」
雨がだんだん激しくなってきました。台風18号「ファンフォン」が刻々と近づいてきます。
ブログのネタになるような写真もなく、過去のものから物色しようかなと思っていましたが、読み始めた本が面白く、その本のことを少し・・・、
ラゾーナ川崎にある『丸善』は、専門書の品揃えがいいのでミューザの行き帰りなどによく立ち寄ります。植物・昆虫・鳥・海洋生物など自然観察には欠かせない図鑑や専門書のコーナー、歌舞伎・能・バレエなどの古典芸能のコーナーで時間を過ごしていると、あれもこれもとついつい沢山な本を買ってしまいます。
もう家の中には、図鑑や辞典の類いの本が山積みで入り切らないのに、また先日素晴らしい本を見つけ買ってしまいました。
『長唄を読む』全三冊です。
今年の9月10日に発売されたばかり。歌舞伎鑑賞を深めるには様々な勉強が必要ですが、特に歌舞伎にはなくてはならない長唄の勉強は必須です。
この本は、古典芸能特に長唄を軸に日本の歴史を俯瞰した初めての歴史書です。主な長唄287曲の全歌詞が掲載されているので辞典としても活用できる素晴らしい本です。
長唄というとなかなか馴染みがありませんが、歌舞伎演目の『勧進帳』『京鹿子娘道成寺』『春興鏡獅子』『藤娘』『鷺娘』といった方が分かりやすいかもしれません。歌舞伎舞踊の中心的な存在です。
所作の地演奏である長唄の歌詞がなかなか手に入らず、舞踊の"振り"を勉強するのに欲しかった一冊です。しかもその長唄を使いながら日本の歴史を語るのですから歌舞伎ファンには溜まらない一冊です。
久しぶりに素晴らしい本に出会ったので、ちょっと載せてみました。
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トネアザミ

なんだ、アザミかぁと思う方もいると思いますが、これは秋に咲く「トネアザミ」といい、日本の固有種です。春に咲く「ノアザミ」とは随分違います。比較写真がないので分かりにくいですが、花の下部(総苞)のトゲトゲが太くて鋭く長いのが特徴です。春のノアザミは、総苞はトゲトゲがなく球形なんです。
「トネアザミ」の変化を載せてみました。上から蕾、咲き始め、冠毛が出来たところです。



アザミは種類が多く、日本だけでも100種以上あり、いまだに新種が発見されているようです。
アザミとスミレは丹念に見て歩くと、新種発見!なんてことがあるかもしれません ^^
十七世、十八世中村勘三郎追善 大歌舞伎
今月の大歌舞伎は、十七世中村勘三郎二十七回忌、十八世中村勘三郎三回忌の追善公演です。
この追善公演は、十八世勘三郎が生前、十七世の二十七回忌追善として計画していたもので、まさか本人も自分の追善公演になるとは思っていなかったことと思います。
歌舞伎座に入ると正面左右に二人の写真が飾られ、会場全体にお香の香りが立ちこめていました。
まずは、初日「夜の部」からの観劇です。


『菅原伝授手習鑑 ー寺子屋ー』は、時代物の傑作で年に一度は上演される名作です。重厚な時代物なので、ベテラン歌舞伎役者が演じることが多い演目です。今回は、中村勘九郎、七之助が中心になって頑張りました。勘九郎の目力は、なかなかなもので時代物の演目も十分にこなすだけの力量と素質を感じました。脇を片岡仁左衛門、坂東玉三郎が固め、緊張感のある追善にふさわしい素晴らしい初日でした。

『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』は、三島由起夫が御伽草子を題材にした作品で、昭和29年に歌舞伎座で初演されました。
鰯賣の猿源氏(さるげんじ)が、大名しか相手にしない傾城蛍火(ほたるび)に一目惚れするという単純な話ですが、これは本当に面白いです。初めて観る演目ですが、勘三郎そっくりな声と所作の勘九郎が十八世勘三郎と重なり、それぞれの役者が勘三郎への熱い思いを演技に込めた舞台です。大笑いしたり、「胸がキュン!」としたり、勘三郎の舞台もぜひ観てみたかったと思いました。それはできないので、せめてもう一度この舞台を観に行きたくなりました。
ポスターは、夫婦になった二人が仲睦まじく『鰯こうエーイ♪』と鰯賣の売り声をかけながら花道を引っ込む名シーンです。勘三郎を偲んで少し、うるっときました。
勘九郎と七之助の成長振りを父と祖父、二人の勘三郎はきっと喜んでいることでしょう。
十月大歌舞伎 歌舞伎座 夜の部
(十七世中村勘三郎二十七回忌、十八世中村勘三郎三回忌追善)
一 菅原伝授手習鑑 寺子屋
二 道行初音旅 吉野山
三 鰯売戀曳網
可哀想なネーミングNo.1 「ヘクソカズラ」

植物の中でも、可哀想なネーミングNo.1は「ヘクソカズラ」。漢字で書くと「屁糞葛」ですからもっと悲惨な名前です。葉や茎に悪臭があることが原因とはいえ、いつ誰が付けたのか?悪臭のある植物は他にもたくさんあるんですけど。。。と本人の声が聞こえてきそうです。
その昔は「クソカズラ(糞葛・屎葛)」ですから、どちらにしても可哀想すぎます。花は、こんなにチャーミングなのに。
ちなみに、可哀想なネーミングNo.2は早春に咲く「オオイヌノフグリ」。漢字で書くと「大犬の陰嚢」です。果実の形が似ているそうな。。。よく意味がお分かりにならない方は、ご自身で調べてみてください。当ブログではこれ以上書けません。ちなみに、こちらの花も可憐で綺麗なブルーの花が咲きます。