吉右衛門、仁左衛門、よく頑張った!秀山祭!
九月大歌舞伎・秀山祭の締めくくりは、夜の部一等席。
吉右衛門の『絵本太功記(尼ヶ崎閑居の場)』の評判が非常に高かったので、1回目を観る前にチケットを購入しました。しかし、最初に観た時その良さの半分も理解できず、正直一等席を購入したことを後悔しちゃいました。そこで、一等席で観る前に勉強のため一幕見席で文楽の詞章を片手に義太夫と所作や型の確認をしに行きました。歌舞伎の中でも時代物といわれる丸本物(人形浄瑠璃から歌舞伎化したもの)はこういった勉強が欠かせません。その甲斐あって、各々の役者の秀逸な出来映えと吉右衛門の凄さ、迫力を肌で感じることができました。
今回の一等席は、花道左側(通称ドブ)すぐのこの位置です。

役者が走って出てくると風圧を感じ、化粧や衣装の匂いまで感じる席です。
染五郎のふくらはぎの筋肉が、凄いなぁ〜!とか、松緑の高下駄は花魁下駄のように歯が三本ある?とか、花魁の衣装は煌びやかで、とっても重そうだな〜とか、役者が通る度にキョロキョロ、ジロジロ見つめてしまいました。
所作台が、置かれるとこんな感じ!

『連獅子』の舞台は、この所作台が花道から舞台全体に設置されます。
所作台とは、舞踊などの所作事を演じる時に敷かれるもので、ほどよいクッション性があり、足の滑りと足拍子の響きを良くするために敷かれます。
仁左衛門と千之助、紅白の鬣の獅子がこの花道を通る時は、その勇壮な姿とかっこ良さにうっとり、口をポカンと開けて見とれてました。
手を伸ばせば届くこの位置は、ワクワク感もときめき感も最高です。やっぱり歌舞伎は舞台に近い一等席で観たいものです。
観に行ったのは、千穐楽の前日。吉右衛門も仁左衛門も同い年の70歳。25日間の長丁場の舞台は、過酷なものだと思います。特に、孫と『連獅子』を踊り抜いた仁左衛門・・・あっぱれ!です。 素晴らしい連獅子を3回も観ることができて、本当に幸せです。
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