かつてのヤマユリの咲く丘

多摩丘陵の東端に位置している私達の町には、向ヶ丘、百合ヶ丘、長沢、菅沼、宮崎台、梶ヶ谷などのように丘や谷、沢、沼、台などの名がついた地名が多く、いかに起伏の激しい大地かが分かると思います。
向ケ丘遊園駅から小田原に向かって数駅先にある「百合ヶ丘」。かつては、ユリの王様「ヤマユリ」が一面に咲き誇る丘だったそうです。ヤマユリで埋め尽くされた丘はさぞ美しかったことと思いますが、いまでは、宅地開発でその姿を垣間みることすら出来ません。百合ヶ丘の復活再生を目指して地域ぐるみで植栽が進んでいるようです。
百合ヶ丘とは地続きであった、生田緑地にもヤマユリは少なからず咲いていたとは思いますが、自生のヤマユリも数株を残すのみになりました。王様に相応しく、凛とした孤高の気高さを誇って咲いていました。
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大雪山の昆虫達
北海道ネイチャーフォトの旅、最後は昆虫達の登場です。
出来るだけ見た目の美しいものに厳選してみました ^^
昆虫達の登場の前に、これだけはアップしておきたい「エゾアカガエル」から

「エゾアカガエル」の幼体です。大人になると、ブチブチが多くなってあまり美しくないので、幼体のみ掲載しました。島嶼部を含む北海道とサハリンのみに生息します。目のラインが特徴的です。

なんともいえない独特な模様が美しい「サッポロフキバッタ」です。北海道以北に分布します。こんな美しいバッタは初めてみました。

これも模様の美しいハンミョウですが、「アイヌハンミョウ」でしょうか?顎がちゃんと写っていないので「ミヤマハンミョウ」かもしれません。どちらにしても本州にも生息しています。

この子はずっと調べているのですが、未だに判明しません。翅が美しいので載せてみました。

蝶の時に載せ損った「エゾシロチョウ」です。翅の赤いシミはどうしたのか気になります。日本では北海道だけに生息します。
北海道シリーズはこれで終了です。
まだ判明していないものが随分とありますが、美しいものは大体載せられたと思います。
初めての大雪山でしたが収穫大で、旭岳まで登ることが出来ました。ネイチャーフォトとしては、いくつかの課題が見えてきたので今後のために考えなければなりません。
次に大雪山を訪れる時は、反対側の層雲峡サイドから入り黒岳を目指してみたいと思っています。
待ってました! 海老・玉!
真夏の陽射しが照りつけ暑さの最も厳しい中、七月大歌舞伎「夜の部」が開場します。
正面玄関を一歩入ると、その涼しさに生き返ったような心地です。


今月「昼の部」「夜の部」合わせて、最大の楽しみの舞台が『天守物語』です。久しぶりに坂東玉三郎と市川海老蔵のコンビで、泉鏡花の屈指の名作が上演されます。天上に暮らす美しく妖しい富姫(玉三郎)と、播磨守に仕える姫川図書之助(海老蔵)との恋を織り交ぜた幻想的な世界を堪能できます。
当代切っての美男・美女コンビ、海老・玉は、その美しさにうっとりと・・・魂まで吸い取られてしまったような心地がします。泉鏡花の詩的な流れるような言葉の響き、天上を思わせる効果的な照明の使い方、天上世界と地上世界を表現した舞台空間の見事な演出が全て合致した素晴らしい舞台です。
会場のお客さんはいつもより若い人が多く、海老蔵ファン、玉三郎ファンが多数来ていたようです。歌舞伎には珍しく、3回もカーテンコールがありました。歌舞伎では通常カーテンコールを行いません。一日に数演目をこなす歌舞伎では、役者も裏方も次々と次の準備をしなければならないので、物理的に出来ないというのが理由です。玉三郎と海老蔵、我當の三人だけで受けたカーテンコールでしたが、鳴り止まぬ拍手に、海老蔵・玉三郎もさぞ嬉しかったことと思います。
「あぁ〜、もう一度観ておけば良かった!」と、ちょっと悔やまれる気がしました。
カーテンコールで片岡我當が見せた、まるで最後の挨拶のような立ち居振る舞いに寂しさを覚えます。名優、片岡我當は関西歌舞伎界の重鎮であり、重厚な演技が際立っていました。最近では、足を悪くしてほとんど歩行も難しくなった中、昨日のカーテンコールで見せた姿がお客さまへの最後の挨拶のように見えてなりません。もう一度元気に歌舞伎を魅せてくれることを心から願っています。
七月大歌舞伎 歌舞伎座 夜の部
一 悪太郎
二 修善寺物語
三 天守物語
旭岳温泉周辺の花々
旭岳ロープウェイの麓駅周辺にも、なかなかワイルドな自然探勝路がたくさんあります。探勝路といっても、ほとんど手つかずの自然のままなので、ちょっと大変です。登山靴がないと歩けません。森林限界を超えた旭岳周辺の植物とはまた違った、亜高山に咲く植物達を見ることができます。

ニッコウキスゲに良く似た「エゾゼンテイカ(蝦夷禅庭花)」。ゼンテイカは、咲いている場所によって名前が違うだけで同じものという説と、多少の違いがあり区別すべきという説があります。ニッコウキスゲに比べて、花柄が短く花びらが厚いというのが区別説の理由だそうですが、いずれにしても北海道に咲くものを「エゾゼンテイカ」と呼んでいます。山中に咲く山百合は気品がありますね。

葉が6枚の輪生に見える「ゴゼンタチバナ(御前橘)」です。随分と気高い名前だなと思ったら、白山の最高峰「御前峰」からの命名だそうです。

ちょっと変わったフォルムの「ショウジョウバカマ(猩々袴)」です。名前の「猩々」は、中国の伝説上の動物で、酒を好み赤い顔と赤い毛をしています。能にも「猩々」というのがありますが、ちょぅど髪の形がこの「ショウジョウバカマ」に似ていますね。

「ミヤマアズマギク(深山東菊)」。高山性で関東地方に多く咲く菊という意味の名前です。うっすらと色づいた紫色と黄色のコントラストが綺麗です。

旭岳ロープウェイの真下にある湿地に咲いていた「オオバタチツボスミレ」です。スミレが7月になっても咲いていたので感動しました。最終日に気がついたのですが、もっと早く知っていたらもう少し丹念にスミレを探してみたかったです。「日本のスミレ」というスミレだけの図鑑が出来ているぐらい日本はスミレ大国で、愛好者もたくさんいます。世界中のスミレフリークの憧れの地なんです。
高山植物はまだまだ続きます
見頃を迎えた、旭岳姿見の池周辺で見られる高山植物の残りを一気にアップします。
「キバナシャクナゲ」

「イワブクロ」

「ウコンウツギ」

「エゾコザクラ」

「カラフトイソツツジ」

「チシマフウロ」

「ミヤマクロスゲ」

いずれも独特なものが多く、高山域や寒冷地の方が綺麗な花が多い気がします。
北海道編はあと2回予定しています。
次回は亜高山と言われる麓の植物、そして最終回は昆虫編です。
海の日は、やっぱりダイビング
いよいよ夏ですね〜 ♪
暑いでけど、活動的になれる夏は好きな季節です。
海の日を迎えた昨日は、久しぶりで伊豆海洋公園に潜ってきました。
暖かい汐と冷たい汐が入り交じる夏の始まりの独特な海でした。8月の終わり頃には、上から下まで全体的に暖かなベストシーズンが訪れます。

夏の海らしい一枚を! 夏魚「タカベの群れ」です。背中から尾鰭にかけて通る黄色いラインが特徴的で、伊豆でこのタカベが見られるようになると夏が来た!って感じです。この日は、何回も大群に遭遇しました。日本の固有種です。

でこっぱちの「イラ」。前のめりのバランスがあまり良くない体型は、一度見たら忘れられません。ホンソメワケベラのクリーニングを受けている最中で、気持ち良さそうです。

オレンジ色の目と縞縞模様でよく目立つ「タカノハダイ」。伊豆や静岡の鮮魚店には並ぶそうですが、あまり美味しくないみたいです。

尾鰭の付け根にある黒い斑紋が特徴的な「ニザダイ」。漁師さん達は大きい三つの黒斑紋があるので「三の字」と呼んでいます。この斑紋部分に鋭い板状のものが突き出していて、ダイバーにとっては要注意の魚です。

こちらも「ニザダイ」ですが、身体に縞模様が入っています。時々こういう模様のニザダイを見かけるようですが、理由は分からないそうです。長年伊豆に潜り続けているガイドによると、クリーニングを受けてリラックスしている時に、腹の部分が白くなるそうなので体色が変化している最中なのかなぁと話していましたが原因は分からないそうです。海洋生物の生態はいつも不思議が一杯です。

昨年から伊豆海洋公園でずっと話題になっていた「黄金ヒラメ」。見たかったので、まだ居てくれて良かった!「ヒラメ」の突然変異だそうで、海中でも良くわかる黄色はまるでペンキを塗ったようでした。1メートルは超えるぐらい大きく見えました。

沢山の手がおいでおいでしているように見える「ニホンアワサンゴ」。波に揺られて色々な姿を魅せてくれます。これも立派なサンゴです。沖縄で見られるような石灰質の固いサンゴと違って、ソフトコーラルと呼ばれています。
久しぶりのI.O.P(伊豆海洋公園)は、やっぱり素晴らしかったです。懐かしい人達にもたくさん会えて、会話にも華が咲きました。待ち合わせるわけではないですが、タイミングで時々ご一緒するダイバー仲間もなかなかいいものです。
黄金ヒラメで金運上昇!と勝手に盛り上がるたわいのない会話が楽しい一日でした。
「ノゴマ」と「ビンズイ」
大雪山では、ハイマツの先っちょで自分のテリトリーを守るため、盛んにさえずっている野鳥達がいくつかいます。大雪山だけで繁殖する「ギンザンマシコ」には残念ながら遭遇することが出来ませんでしたが、2種類の貴重な野鳥に逢うことが出来ました。

真っ赤な喉元がよく目立つ「ノゴマの雄」です。東南アジア方面から、繁殖のため夏に北海道に渡ってきます。尾をピンと持ち上げているのは警戒行動で、誰に警戒しているのかというと私達です ^^;

見た目は「ノゴマ」と違ってちょっと地味目な「ビンズイ」ですが、見た目と違って行動は派手です。警戒すると高く一気に飛び上がって、さえずりながらまた一気に降下したりします。一度行動を覚えると、あぁ、また「ビンズイ」だなとすぐ分かります。

残雪の上を歩く「ハクセキレイ」です。生田緑地では一年を通して見られますが、北海道では夏鳥で、渡ってくると春を感じるそうです。立派な夏羽ですが、繁殖のためなのか生田緑地で見るものより黒がだいぶ多いです。「セグロセキレイ」かと思うほど黒い部分が多いですね。

麓のビジターセンターで休憩しながら資料を調べていたら、突然窓から飛び込んできました。最初は「キビタキの雌」かとも思いましたが、足の色がどうも違います。目の周辺や嘴、止まっている形からツグミ科かヒタキ科の雌か若鳥と思われますが、どうもよく分かりません。雌や若鳥は難しいです。背中と胸の写真も撮れればもう少しヒントがあったかも知れません。
「ホシガラス」を狙って、バズーカレンズを並べている一団もいました。旭岳周辺は、鳥を撮る人、花を撮る人、昆虫を撮る人のパラダイスなので、高価なカメラやレンズの品評会のようです ^^
国の天然記念物『ウスバキチョウ』と高山域の蝶達
大雪山に行くなら逢いたいなと思っていた生物がいくつかあります。「ナキウサギ」に「キタキツネ」。「コマクサ」に「ダイセツトリカブト」。「ギンザンマシコ」に「ホシガラス」。「ウスバキチョウ」に「アサヒヒョウモン」。どれもハードルは高く、どこで出逢えるのかもよく分かりません。そんな中、『ウスバキチョウ』とは、奇跡的な出逢いを果たすことが出来ました。
『ウスバキチョウ』は国の天然記念物に指定されている、大雪山だけにしか生息しない貴重な蝶です。しかも、標高1,700m以上の山頂部や稜線部の岩礫地が生息地で、7月上旬〜8月中旬の晴れた日に頑張って登山しないと出逢えません。登っても出逢えるとは限らないのがネイチャーフォトの難しいところです。
出逢いは突然でした。旭岳8合目付近の稜線でガスが吹き上がり、一気に風が強まった時、風除けで立ち止まった岩陰に先客として下の『ウスバキチョウ』がいました。地面にベッタリ身を伏せている最中です。慌ててカメラを取り出して撮影出来たのは2枚だけでした。この後、気配を感じて場所を替えに飛んでいきました。
もう二度と出逢えないかも知れないと思うと、本当に嬉しかったです!

図鑑で見比べると、これは雌のようです。雄は下部の黄色い斑紋がもっと大きく斑紋間の黒帯が細くなります。あまり良い写真ではありませんが、やってて良かった!ネイチャーフォト!って感じです ^^
それ以外にも北海道で独自の進化を遂げた蝶達に出逢うことが出来ました。

「カラスシジミ」。翅の表側は真っ黒で、飛んでいるときは黒い蝶にしか見えません。

「メアカキンバイを吸蜜するエゾシロチョウ」。北海道だけに生息しています。大きくて綺麗なシロチョウです。

「ホソバヒョウモン」。見つけたときは、「アサヒヒョウモン」かと興奮しました。こちらも北海道のみに生息します。以前は、ヒメカラフトヒョウモンと呼ばれていたこともあります。

「コチャバネセセリ?」翅が少し閉じているので白斑の確認が難しく自信がありません。生息域と白斑の感じから合っているとは思うのですが。。。
蝶だけを真剣に追いかければ、もっと見つけられると思いますが、植物も鳥も動物も昆虫もと欲張っているのでこんな感じです。
可憐な似た者どうし
高山植物は、強風の中で生き抜くため小さなもの達が多いですが、ここにあげる可憐な壷型や釣鐘型の花には特に惹かれます。どれが好みですか?一堂に並べてみました。
「アオノツガザクラ」

「エゾノツガザクラ」

「コエゾツガザクラ」

「ツガザクラ属」はツツジ科の植物ですが、「アオノツガザクラ」と「エゾノツガザクラ」が混在する場所では、自然雑種と思われるものが見られるようです。この「コエゾツガザクラ」もその一つで、色が淡く、表面が無毛です。
「ジムカデ」

「コケモモ」

「イワハゼ」

「コケモモ」と「イワハゼ」は高山域でなくとも見られます。「コケモモ」の実から作ったジュースは伊豆の名産品にもなっています。
どれも1cmにも満たない小さな花ですが、特に「ジムカデ」は小さく、5mm程の大きさです。自然雑種のことは後で知ったので、もっと丹念に探せば変種が見つかったかもしれません。
高山植物「チングルマ(珍車)」
高山植物とは、森林限界である標高2,500m以上の高山域に生息し氷河期との関係が深い植物です。2,500m以上ですから、相当な登山をしないと見られない訳ですが、緯度の高い北海道では標高1,700mが森林限界となり、旭岳ロープウェイを使って楽々と見ることができます。花を愛でる人達には有名な人気スポットになっています。
珍しい植物がたくさんありましたが、表大雪の大群落で一番最初に目につく「チングルマ」から始めていきます。


白い花に黄色の雄しべと雌しべが印象的です。よく見ると、花びらの中央部も一枚一枚黄色く色づいているのが分かります。

チングルマ。和名は、珍車。子供の風車に見えたことから稚児車転じて珍車というそうですが、なぜこの花が風車に見えるかというと、花期が終わってからの変化に理由があります。花から羽飾りが出来るまでを順番に追ってみます。



中央部に羽毛状の花柱が残り、羽飾りのようになります。この羽飾りがもう少しすると、上から見て車輪のように見えるのが稚児車の由縁です。秋には真っ白な綿毛のようになるようです。

羽飾りの一本一本の先には種子が付いています。一本抜いてみました。秋になると風に吹き飛ばされて種子を遠くまで運んでくれます。
本州では、木曽駒ヶ岳千畳敷、立山室堂、乗鞍岳などで見られるようです。
梅玉・魁春の「傾城反魂香」
今月、国立劇場では歌舞伎鑑賞教室が開催されています。夏休みも近いこともあってか、学生が9割くらい会場を占めていました。学生の発する熱気で、通常よりも気温が上がっているように感じます。
ほとんど学生で埋め尽くされた会場の様子


「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」は、浄瑠璃作家・近松門左衛門の名作です。どもりで不遇の絵師・浮世又平が、奇跡を起こし師匠・土佐の苗字を許されるまでの絶望と苦悩、夫婦愛を描きます。中村梅玉が初役で又平を、女房おとくを中村魁春(二人は、六代目中村歌右衛門の養子兄弟です)が勤めています。
梅玉は、どんな役も上手くこなす器用な役者です。病気で休養に入った役者の代役を何回勤めたことか?数えきれないほどです。この人は、歌舞伎界にとって無くてはならない貴重な存在です。今回の又平も悪い出来ではないのですが、はまり役の吉右衛門の又平と比較しながら観てしまうため、どうしても物足りなさが残ります。何が違うのか? 絶望のどん底から天にも昇るような喜びなど感情の落差を表現するのが、あまり上手くないのかもしれません。内に秘めた品格が梅玉にはあります。それがかえって、感情の激しさにブレーキを欠けているとも言えます。柄に合った役というのは、難しいものだなぁ〜と感じる瞬間です。
魁春のおとくは、品格と奥ゆかしさがあって良かったです。この同じ役を中村芝雀が、吉右衛門とのコンビで良く演じます。芝雀のおとくは、ちゃきちゃきで底抜けの明るさがあって印象がずいぶん異なります。これは、どちらが良いか?は、好みが分かれるところだと思います。同じ役でも、性格や印象が全く違って見えてくるのが面白いです。
役者の力量ばかりでなく、その役者の持つ人間性が役に映し出され、同じ演目を観ているとは思えない気がしてきます。
歌舞伎の面白さは、同じ演目を回数を重ねていくごとに少しずつ深まっていくようです。
海老・玉・中車 歌舞伎座大入り!
歌舞伎座で開催されている「七月大歌舞伎」には、人気歌舞伎役者の市川海老蔵、坂東玉三郎、市川中車が揃って出演しています。チケットの売れ行きも良く、ディスカウントショップでも強気の高値で売られています。さて、その出来は如何に?
『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』

昼の部の目玉『夏祭浪花鑑』は、人気演目の一つで毎年どこかで上演されています。熱っつい夏の大阪を描いた、風情あふれる義太夫狂言の名作で、大阪で上演される時と東京で上演される時とでは、ちょっと演出が異なるところが面白いです。
今回楽しみにしていたのが、中車(香川照之)です。歌舞伎評論家の渡辺保氏が特に褒めていたので、どんな出来なのか?一番気になっていたところです。
団七(海老蔵)は、恩人の息子とその恋人を助けようと奔走する中、舅の義平次(中車)が、金に目がくらみ悪事を働きます。それを知った団七が、義平次を追いかけ言い争い、挙げ句の果て舅を殺してしまいます。見せ場は、義平次が団七に悪態をつき憎々しさを増していく様。その憎々しさについには団七が、舅を手にかけるという悲劇へとつながっていく二人の絡み合いが、この舞台のハイライトです。この義平次が憎々しい程、芝居が際立ってくるという難しい役どころです。
義太夫ものに初めて挑戦する中車は、小道具の扱いや身体の使い方にまだまだ課題はあるものの、声の張り、顔の表情や表現において「流石だ!』と思わせるものがあります。
同じ役を、歌舞伎役者でない笹野高史氏が演じた時は、その憎々しさや泥臭さが見事だったことを思い出します。
中車は、歌舞伎界に入ってまだ2年ですが、歌舞伎役者としてどこまでやれるか? 不安と期待を持ちつつ、これからも観ていきたいです。
さて、海老蔵ですが・・・海老蔵の団七は、場面場面での演じ分けに問題があったり、物足りなさを感じる点はあるのですが、殺しの後の狂気の様が圧巻で、この人にしか演じられない気がします。今回は、海老蔵の目力と中車の目力がぶつかり合うような舞台でした。
最後に玉三郎ですが、徳兵衛の女房・お辰役は、ちょっと柄に合っていないようです。声の調子が少し高いこと、男勝りな力強さときりりとした美しさに欠けること、そして何より重厚さが足りないように思われます。この役に合っている役者は、中村福助や上村吉弥です(今まで観た中で・・;)。玉三郎には、もっと海老蔵と絡みのある役をやってほしいような気がします。
いずれにしても、人気役者が揃う舞台は楽しみがいっぱいです。夜の部も楽しみ!!
七月大歌舞伎 歌舞伎座 昼の部
一 正札附根元草摺
二 通し狂言 夏祭浪花鑑
神々の遊ぶ庭は、花の王国
大雪山は、日本産の4割に相当する約240種の高山植物が自生している『花の王国』です。
雪解けが進み、小さな可憐な花々がお花畑をつくっています。




冬の低温にさらされ、積雪が多く、強風に耐えなければならない厳しい環境なので、背丈を低くしなるべく地面に張り付いたように咲き誇っています。
植物や鳥、昆虫など沢山の写真が撮れました。
識別が終わり次第順次アップしていきたいと思います。
北海道一の高峰、旭岳登頂!
涼しく過ごしやすかった北海道から、一気に真夏日の我が家へ帰って来ました。
この差は、さすがに堪えます。帰ってきたら蝉が鳴き始めていました。もうすっかり夏ですね。
これから数回に分けて、大雪山国立公園で出逢えた貴重な生物の写真をアップしていきます。
大雪山は、北海道のほぼ中央部に広がる2000メートル前後の山々の総称で、国立公園へのアプローチはいくつもあります。今回は、旭岳温泉からのアプローチで『神々の遊ぶ庭』と呼ばれる大雪山を堪能してきました。
本格的な撮影に入る前に、まずは大雪山の最高峰「旭岳」に挑戦です!

旭岳ロープウェイを利用すると、裾野に広がるハイマツ群生の向こうに、噴煙を吹上げた旭岳の山容がドンと現れます。ここは第一展望台と呼ばれています。

8合目から見た、大雪山第2の高峰「トムラウシ山」です。旭岳登山は全行程ガレ場の稜線歩きになるので、強風と天候の変化に気をつけながら一歩一歩です。この後、一気にガスが上がって来て一面真っ白になりました。

9合目付近にある目印の「金庫岩」。登山口からも目に付く大岩です。

登頂〜〜! へなちょこ夫婦ですが、頑張りました!ハイ、チーズ!の声に精一杯の笑顔。実はヘロヘロです ^^;
標高は2,290メートルですが、緯度が高いため、3,000メートル級の北アルプスの稜線に匹敵する高山帯の気象条件と言われています。確かに、風で帽子が飛ばされそうでした。

山頂からの景色を、カメラに搭載されているパノラマ機能というもので初めて写してみました。黒岳方面180度の景色です。残念ながら反対側のトムラウシ、十勝岳方面はガスで見えなくなりました。

こちらは、パノラマではなく普通の35㎜レンズで撮影したものです。

この日のルートを書いてみました。遮るものの何もない稜線歩きということが分かると思います。上り2時間半、下り1時間半といった感じです。天候の変わりやすい高山域のガレ場なので、登山用雨具上下・紐付きの帽子・手袋・登山靴・非常時のヘッドランプとコンパス、非常食は必須です。
登山時間の割には、キツい山でした。百名山の一つにもなっているそうで、いいチャレンジになったと思います。
花菖蒲の実
これは何でしょう?
何かの植物の実のようですが?

花が咲いている時は、こんな感じです。

正解は、花菖蒲の実です。
菖蒲園に菖蒲を見に行くことはありますが、花が終わった後は当然ながら誰も見に行くことはありません。
花期が終わった菖蒲園はまもなく綺麗に整理されてしまいます。
その短い期間だけ、こうして実を付けたところを見ることが出来ます。
地元の人ならではの特典といったところでしょうか。
今日は、これから北海道に撮影旅行に出かけます。
目的地は大雪山国立公園。
どんな生物に出逢えるか? とても楽しみです。旭岳を中心に探索してみたいと思います。
リュックに荷物を詰め、撮影器材を持ち、登山靴を履いて、となかなかな荷物になりました。
ブログは一週間お休みして、来週の日曜日頃から再開する予定です。
松竹新喜劇七夕公演!
7月は、新橋演舞場で『松竹新喜劇爆笑七夕公演』を昼・夜開催しています。
今年は、劇団創立65周年という記念すべき年にあたり、新橋演舞場での7月公演は16年ぶりに復活します。

藤山寛美の孫、藤山扇治郎が新しく加わりました。高齢化の進む劇団に若い役者が入って、また新たな一歩を踏み出そうとしています。
『朗らか嘘』は、その藤山扇治郎が主役の若さ溢れる舞台です。藤山寛美には、及ばないもののやはり血筋でしょうか?これからが、楽しみな役者です。
『裏町の友情』は、渋谷天外と曽我廼家寛太郎のピッタリと息の合った丁々発止が面白いです。歌舞伎役者の坂東彌十郎も出演していて、歌舞伎とはまた違う良い味を醸し出しています。人情味豊かな、ほっこりとした舞台で笑いあり、涙ありのちょっと胸が熱くなるお芝居です。
演舞場の前にこんな車が、停まってました!

開演前の新橋演舞場は、歌舞伎の時とは比べ物にならないくらい閑散としています。「正直、大丈夫かな〜?」と心配になってしまいました。そんな気分でいると、この車がひょこひょこっとやってきて停まったので、思わず気分もウキウキしちゃいます。ちょっと中を覗くと、運転席にも芝生が植わって?(人工芝ですが、笑)います。
案の定劇場内の席は、空席が目立ちます(ちょっと残念ですが)。当日券でも十分好きな席が選べます。久しぶりに笑ってほっこりしたい方には、オススメのお芝居です。
オカトラノオ
雨続きの毎日で少しうんざり気味でしたが、昨日は陽射しもたっぷり。
久しぶりに生田緑地の観察に出かけてきました。
梅雨の時期は、花が少なく草いきれでむんむんします。
ちょっと歩くだけでじっとりと汗ばみ、真夏や真冬よりも一番厳しい時期かもしれません。
「オカトラノオ」

この季節の生田緑地で代表的な花は「オカトラノオ」でしょうか。群生している場所が何ヵ所かあります。
根元の方から咲き上がっていき、片面だけに花がつくので花穂が傾き、虎の尾のような形になります。丘に咲く、虎の尾のような花なので「オカトラノオ(丘虎の尾)」。いいネーミングです。

新緑のメタセコイア林には、ウシガエルの鳴き声が響き渡っていました。
鎌倉三十三観音巡りスタート
お友だちと始めた「鎌倉一筆書き」も三年目に入り、いつも適当に歩き回っていたところ、たまたま見つけた「鎌倉三十三観音」。目標としてはちょうどいい感じだし、お互いに家族の病気平癒を願うこの頃だし、なんといっても御朱印を集めるという目標があることで俄然闘志が湧くしということで、早速一昨日からスタートしました。

一番札所「杉本寺」。ここは、坂東三十三観音巡りの一番札所でもあります。私達は坂東の札所巡りも数年前から始めていますが、こちらは結構大変でまだ道半ばな感じです。

10番札所の「報国寺」。竹の庵とも呼ばれ、竹林が素晴らしいです。外国人観光客がたくさん訪れていました。この日は、5カ所まわりましたが、鎌倉三十三カ所といってもなかなか大変です。年に二回ぐらいで三年計画ってところでしょうか。
鎌倉のお寺は花の寺が多く、いつの時期に行っても季節の花を楽しむことができます。
「ハンゲショウ(半夏生)」

葉の先端部分を残して白くなることから「半化粧」とも言うそうですが、白い葉がとても綺麗です。
「ネジバナ」

生田緑地では数少ない「ネジバナ」をたくさん見かけました。右ねじりと左ねじりがあります。
「ユキノシタ」

小さな小さな花で、肉眼では下の2枚の白い花びらしか気づかないと思います。上の3枚にはこんなに綺麗な模様が。。
鎌倉のお寺は午後4時ぐらいまでのところが多く、意外と早仕舞いです。
そして古都鎌倉はさすがに名所旧跡が多く、三十三観音巡りで新しい発見も随分ありました。
山坂も多く何しろ歩くので、観音巡りのスタート年齢は早いに越したことはありません。