キンラン
もう花期が過ぎてしまった「キンラン」ですが、前にアップした写真がいま一つだったので再度撮り直したものをアップします。この写真を撮った翌日に大雨が降り、花がすべて落ちてしまいました。
地生の和ランとして本当に貴重で、いつまで見られるかと毎年ドキドキです。人工栽培は難しく、ほとんど出来ないそうです。



雑木林の中で、鮮やかな黄色の「キンラン」は艶やかで他の植物とは一線を画した美しさです。
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オカタツナミソウ
ハンノキ林の日陰の湿地帯の主役が「オカタツナミソウ」一色になってきました。
もう少しすると「ヤブミョウガ」に主役の座を奪われます。
少し前にもアップしましたが、好きな花なので「オカタツナミソウ」特集で!



この一枚はちょうど日が当たっているところに咲いてました。日の当たり具合で色が変わって見えます。本来の色は、この赤紫色です。
和名では「丘立浪草」。波が立っているように見えるからです。この写真では角度が悪く分かりにくいですが、人によっては「イルカが立っている」という人もいます。見方によっては、入れ歯をとった禿頭のお爺さんにも見えてしまいます(失礼しました。)
このブログを書いていたら、今年初の「ホトトギス」の声が聞こえました。結構近いです。「ホ・ト・ト・ギ・ス」とアピールしながらさえずってます。「ホトトギス」は夜も鳴きながら飛んでいるので、今夜は聞かれそうですね。
團菊祭だけど、菊祭り?
歌舞伎座で開催されている『團菊祭』も、いよいよ昨日は千秋楽です。
最終日のこの日、「夜の部」を観に行ってきました。
歌舞伎座正面には、大きな垂れ幕が下がっています。

歌舞伎では、千秋楽ではなく、千穐楽。火事に通じる「火」を避けて縁起のいい「亀」を含む「穐」を使っています。

「夜の部」の第二演目は『幡随長兵衛』で、侠客と旗本の争いを描いた河竹黙阿弥の名作です。
主人公の幡随長兵衛を市川海老蔵、旗本の水野十郎左衛門を尾上菊五郎が勤めています。幡随長兵衛は、何と言っても中村吉右衛門の当たり役です。そのためどうしても吉右衛門と比べてしまうのですが、海老蔵が演じると全く異なる長兵衛になります。
感情豊かな懐深い親分型の吉右衛門の長兵衛に対し、凄みと冷酷で鋭利な怖さと蔭のある海老蔵の長兵衛は、全く違う解釈で演じているのかもしれません。
相手が菊五郎となると芸の未熟さが目立ってしまいますが、これから海老蔵が修行を積むことによって、海老蔵にしか出来ない長兵衛になっていくことを期待したいです。
今はまだ菊五郎は吉右衛門とやりたかったかもしれませんが、海老蔵の挑戦は、まだ始まったばかりです。「團十郎」になるのは、そんな簡単なものではないでしょう。大先輩の胸を借りて演じた今回の舞台は、海老蔵にとって貴重な勉強の場だったと思います。

「夜の部」最後、取りを勤めたのが、尾上菊之助の『春興鏡獅子』です。
今まで観た「春興鏡獅子」(中村勘三郎、中村勘九郎、中村七之助、市川染五郎)中で、最高の出来でした。
前半の小性弥生の舞いは、可憐で実に美しく菊之助の踊りの上手さが際立っています。難しい二枚扇も難なくこなし、後半の獅子の舞いは、激しく力強さの中にも優雅で、どの場面をとっても絵になる姿です。そして、最高の出来栄えだったのが、白頭の長い髪の回し方です。今まで観たのは、振り回すことに一生懸命で回す回数が多かったり、激しさであったりと、美しく回すということへのこだわりは無かったと思います。菊之助の回し方は、実に美しく髪の乱れも無く芸術的なものでした。 踊りとしての『美』を最大限に追求した見事なものです。長い髪を回す「連獅子」「石橋」など多くの演目を観てきましが、これほど美しく回せたのは、菊之助を置いてほかにいませんでした。
後見の尾上右近も印象的でした。とても丁寧にその役を勤めていました。いつか、右近もこの演目を踊ることでしょう。
今回、昼・夜の部を通じて良かったのは、菊五郎の「魚屋宗五郎」、菊之助の「勧進帳」の富樫と「春興鏡獅子」です。結局『團菊祭』と言っても、菊五郎、菊之助の独壇場の舞台であったと思います。春だけど『菊祭り』と言い切れるほど菊五郎、菊之助の実力を見せつけた舞台であったとも言えます。これを機に海老蔵には、もっともっと頑張ってほしいと・・・。 いつか團十郎として、また菊之助が菊五郎となった時に素晴らしい『團菊祭』を開催してほしい願っています。
團菊祭五月大歌舞伎 歌舞伎座 夜の部
一 矢の根
二 極付幡随長兵衛
三 春興鏡獅子
セリバヒエンソウ
梅雨が近づいてきたので、春と初夏の花の入れ替わりのように、一気に花が少なくなりました。移り変わりの早い春から、夏へ向かってじっくり成長する季節に入ってきたようです。ぐるっと生田緑地を巡ってきましたが、菖蒲苑はもう一週間ぐらいというところでしょうか。黄色い花菖蒲だけがちらちら咲いています。キンラン、ギンランはなくなり、ネジバナ、ホタルブクロはまだ咲いていません。
あまり収穫がありませんでしたが、今咲いている貴重な花、「セリバヒエンソウ」をご紹介します。

横向きの花は、やっぱり独特で美しいです。ツバメが飛んでいるような形から「セリバヒエンソウ」と名がついています。セリバは、セリのような葉だからということです。素敵なネーミングですが、どっちが前と考えるんでしょうね?

こちらは、正面です。正面から見ると横からの姿を想像できません。湿った日陰に咲いているので実際に見るともっと淡い色で白っぽく見えます。
だいぶ気温が上がり陽射しが強くなってきました。私達は、生田緑地に出かけるのに日焼け止めが欠かせません。昨日は、いよいよ窓に簾を取り付け、風鈴を掛けました。これで蚊取り線香を出すと日本の夏の演出が完璧に整います。
市川染五郎「伊達の十役」に挑む!
今月の明治座花形歌舞伎は、ほとんど市川染五郎一人舞台です。特に、夜の部は一人で十役をこなし、40回を超える早替りで4時間にわたって出ずっぱりというハードな役に挑んでいます。
「慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)ー伊達の十役ー」

このポスターの十人、すべて染五郎です。
『伊達の十役』は、三代目市川猿之助(現猿翁)が、復活上演させた人気作品です。復活上演といっても、台本もなにもなく、わずかに残った絵番付を参考に一から作り上げ、昭和54年に復活させたのは実に164年ぶりです!猿翁のオリジナル新作といっていいと思います。
2年前の8月には、新橋演舞場で海老蔵が十役をこなし、当ブログでもご紹介しました。一人十役・・!大変です・・!殿様から遊女、悪辣坊主に妖術使い、切ったり切られたり、裁いたり裁かれたり、男女どころか年齢も善悪も一人で演じ分けます。衣装も鬘も全然違います。
海老蔵の時は、初めて観る十役早変わりに、ただただビックリして楽しんでいました。今回は、二度目なので少し冷静に早替りの瞬間を一生懸命チェックしていましたが、それでもどうやって早替りしたか?わかないものも多くて、改めてビックリしました。
染五郎にとっても今月後半の舞台で、疲れもピークに達するころ。声もかすれ、甲高く少し裏返ったところが、勘三郎に良く似ていたり、何気ない横顔が芝翫に似ていたり、いろいろな表情を魅せる染五郎。
第二幕の最後で魅せた裃姿の悪の華「仁木弾正」が空中の階段を一歩一歩上っていくような宙乗りは、本当に美しく見事です。
昼・夜ともに初役で挑んだ染五郎は、もうこれ以上頑張れないくらい頑張ってました。
昨年来の頑張りが、今後どのように芸の幅を広げてゆくのか楽しみです。
ハシゴシダ
春は草花が芽吹き、まもなく訪れる梅雨の恵みの雨で植物がグングン育ちます。
大きく成長する植物にシダ植物がありますが、自然調査団による調査では生田緑地には92種類のシダ植物が記録されているそうです。シダ観察会も年に数回開催され、何度か参加したことがありますが・・・なかなか難しいです ^^;
たまにはシダをと思って、一つだけチャレンジしてみました。
「ハシゴシダ」の生育過程です。


ゼンマイやワラビ、コゴミもシダ植物なので、こうやって丸まっている時はよく似ています。

延びてくるとこんな感じです。

これは葉の裏側になります。茶色く丸い点々は、ソーラスといって胞子の入った袋です。シダは、花も咲かず実もなりませんが、胞子を飛ばして繁殖していきます。コケやキノコと同じです。
このソーラスの形や付き方がシダ植物を見分ける重要なポイントなので、必ず葉の裏側を確認する必要があります。
日本では、それほど大きなシダ植物にお目にかかることはありませんが、熱帯の国に行くと恐竜時代のような巨大なシダがたくさんありビックリします。
ジュラシックパークの撮影地、ハワイ・オアフ島にも巨大なシダがたくさんありますよ。
人形浄瑠璃「文楽」の勧進帳は?
国立劇場の小劇場では、文楽の七世竹本住大夫さんの引退公演が開催されています。住大夫さんは、第一部に出演されていますが、私たちは第二部の演目に惹かれて観にきました。残念ながら、第二部に住大夫さんは出演されていませんが、ポスターや写真、DVDなど数多くの住大夫さんグッズが目につきました。

第二部の演目2つは、どちらも歌舞伎でもよく上演される人気作品です。それらが、人形浄瑠璃ではどうなるのか? それが一番の楽しみでこちらを選びました。
最初の演目『女殺油地獄』:この演目のクライマックスは、何と言っても河内屋の与兵衛が、豊島屋でお吉を殺す場面です。店の油をひっくり返し、足を取られながら斬りつける凄惨な場面を油を使わずに人形の動きだけで表現しています。油ですべった動きの激しさとスピード感を人形遣いの3人が、大汗をかきながら動き回る様は、想像以上の面白さです。
歌舞伎では、実際に油(舞台で使う特殊なもの)を大量にまいて、本当にすってんころりんします。人形との対比を思い浮かべながら見ると、一段と楽しめます。
二つ目の演目が『鳴響安宅新関(なりひびくあたかのしんせき)ー勧進帳の段ー』:こちらは、歌舞伎の「勧進帳」をそのまま人形浄瑠璃にしたものです。最初の演目は文楽を歌舞伎にしたのに対し、歌舞伎を文楽にした作品なので全く逆のバージョンです。
人形が、歌舞伎と全く同じ動きをします。正直なところ、これは失敗作だと思います。弁慶と富樫が対峙するところは、距離が離れすぎていて迫力に欠けます。弁慶が大酒を飲んで一差し舞う場面は、人形遣いが3人で人形と一緒にバタバタしているようにしか見えないし、弁慶の飛び六法は、ちょっと悲しくなってしまうような動きです。頑張っているのは、ひしひしと伝わってくるのですが、何も人形でやる必要はない気がします。
「安宅」「勧進帳」は、私たちにとっても思い入れの強い作品です。歌舞伎、能、文楽とすべてを見比べて、一番は能の「安宅」、次は歌舞伎の「勧進帳」、文楽(人形浄瑠璃)は??で滑稽さが目立ちます。それぞれの演出や表現方法があり、人形には人形の良さがあるのでそれを大事にしてほしいなぁ〜と感じるものがありました。
歌舞伎、能、文楽を同じ演目で見るのは、とっても面白いです。比較検討して、あ〜でもない!こうでもない!と考えることは、自分の観る目を鍛えることにもなります。
文楽五月公演 国立劇場小劇場 夜の部
一 女殺油地獄 徳庵堤の段
河内屋内の段
豊島屋油店の段
二 鳴響安宅新関 勧進帳の段
ムラサキサギゴケ
水辺や湿地には、今ならではの花「ムラサキサギゴケ」が群生しています。
背丈も低く、花も小さいので群生してても気づかれないかもしれません。
「トキワハゼ」という一見そっくりな種があるのでまぎらわしいですが、そんな時には、牧野先生の図鑑が役に立ちます。

植物学者の牧野富太郎先生の著書『牧野新日本植物図鑑』のムラサキサギゴケを開くと、『花冠は紅紫色で長さ1.5〜2㎝、上部深くさけて唇形となり、上唇はとがって先が2裂し、下唇は大きく先は3裂し、中央は大きくもりあがって白色となり、紅紫色または褐色の斑点がある。』と書かれています。
下の写真と見比べてみると・・・

ぴったり一致します。やっぱり牧野先生の観察力は凄いですね。見たままを文章にするのはなかなか難しいです。観察力と表現力が問われます。

横から見てみるとこんな形です。横向きの花は独特なフォルムのものが多く、惹かれるものがあります。
大相撲五月場所観戦!
今場所から横綱になった「鶴竜」、人気実力ともに急上昇中の「遠藤」、実業団横綱から幕下付け出しで入った怪物「逸ノ城」と、今相撲が面白い! せっかく見に行けるところに住んでいるのだから、見に行かなきゃもったいない。五月場所が始まって、久しぶりに行きたい気分もどんどん盛り上がってきました。
「両国国技館前ののぼり旗と櫓」


思い立ったら、即行動!当日券がまだあるかドキドキしながら国技館へ!
運が良ければ午前11時頃までなら当日券(2階の自由席券)が手に入ります。当日自由席券は350枚。チケット発売は8時からです。早く行くにこしたことはありません。相撲の取り組みは朝早く、前相撲は、午前8時25分からやっています。

午前中の取り組みは、こんな感じ。着いた頃は、序二段の取り組みでした。自由席券は、2階一番後ろ14列目一周分です。 空いていれば、2階なら空いているところどこにでも座れます。
まずは、一番前の席で。のんびりお弁当を食べながら、ぼ〜っと見ているのも楽しいです。
「舛ノ山関」

力士の出入り口である南門から、次々と力士が入ってきます。すでに取り組みを終えた下っ端力士が、関取に頭を下げながらすれ違います。午後2時過ぎ、幕内力士が国技館入りする頃は、南門から西寄りの入口まで沢山の人で賑わいます。「頑張れよ!」と声をかける人。力士の話を周りの人にやたら聞かせる人。拍手で出迎える人。写真を撮りまくる人など。門の外でも、沢山の人だかりができています。
「舛ノ山関」は、おばさま達の人気者です。「かわいい〜」「がんばって〜」とたくさん声がかかります。
中入後は『満員御礼』の垂れ幕が下がりました。

中入りの頃には混んでくるので、最後列に移動します。
私たちの目の前の席は、小学生の団体です。小学生の一番人気は「遠藤」、次が「大砂嵐」みたいです。もの凄い応援に、びっくり仰天! 黄色い声に、叫び声に近い歓声が、こちら側(西側)だけでなく向こう正面からも上がっています。向こう正面には、女子高生の団体が・・・。2階席は、学生の団体と半分近くの外国人に占められていて、熱気と国際色豊かな雰囲気で面白い空間です。みんなが思い思いに楽しんでいるのが、見ていてもとっても愉快です。
八角親方(元北勝海関)のサイン

そして、今回はこんな「お宝」まで手に入れちゃいました。
1階から2階へエスカレーターで向かう途中、階段を上って行く親方を発見! 思わず追いかけて行って、「サインいただけますか?」と声をかけました。忙しそうでしたが、立ち止まってサインしてくれました。気づくと、隣におじさんが来ていて「握手してください」と・・・握手してもらって、とっても嬉しそうな顔が印象的です。
一日中、国技館の中にいましたが、見所がいっぱいあって、思わずお相撲さんグッズをいろいろ買ってしまったり、声援しすぎてお腹が空き、ついつい食べものを買ったりと、楽しい時間を過ごしました。
團菊祭 十二世市川團十郎一年祭
歌舞伎座では、この五月『團菊祭・十二世市川團十郎一年祭』が開催されています。
今や円熟した芸で絶頂期を迎える尾上菊五郎、菊五郎を継ぐべく修行中の菊之助、團十郎襲名を数年後?に控える海老蔵の競演は、歌舞伎ファンには目が離せない垂涎の舞台です。


歌舞伎座の正面玄関を入るとすぐ目の前に、團十郎の遺影が飾られています。改めて、寂しさと悲しさがこみ上げてきます。懐の大きい、おおらかな芸風の良さがわかったのは、残念ながら亡くなった後でした。もっと早くわかっていたらと、後悔の念が時間を経るにつれて大きくなってきます。「もう一度、團十郎の舞台が観たい!」そんな気持ちを胸に今回の「團菊祭」に来ました。
「勧進帳」で弁慶が舞う時に使う扇

「勧進帳」では、武蔵坊弁慶の海老蔵、富樫左衛門の菊之助が、ガチンコ対決です。
菊之助の富樫は、入って来た瞬間に「菊之助って、こんなに大きかったっけ?」とビックリするほど大きく見えました。顔の化粧も以前と違って見えます。眉、目元が濃くはっきりしていて、凛々しい富樫です。
一番大きいはずの弁慶、海老蔵が富樫と並ぶと小さく見えます。これは、ちょっと・・・と心配になりました。海老蔵一人で演じている場面では、異様なほどの光と力を放つ目力が全開で、荒々しさと若さが弾けて爽快な弁慶です。富樫の菊之助は、いつもにも増して力が入り、大きく見えるだけの演技を披露し、弁慶に一歩もひけを取らない見事な成長ぶりを魅せています。二人は、良きライバルとしてお互い芸を磨いていくと思いました。
舞台がひけて帰りの電車の中「昼の部」の歌舞伎を振り返り、「毛抜」で、主役の粂寺弾正を演じた市川左團次も良かったけれど、やっぱり「魚屋宗五郎」の菊五郎が一番良かったなぁ〜と思うのです。菊五郎が、この役が大好きであること、はまり役であること、共演者とも呼吸がピッタリでやっていて気持ちが良いだろうなぁ〜と、観ている方も感じられることが、この舞台を心から楽しめるのだと思います。何度観ても、素晴らしい舞台です。
五月の「昼の部」は、大人気でチケットは完売間近、安売りのチケットも出ていません。もう一度観てみたいと思うものの、一幕見席しか方法は無さそうです(泣)。
團菊祭五月大歌舞伎 歌舞伎座(昼の部)
一 毛抜
二 勧進帳
三 魚屋宗五郎
イロハモミジの翼果
秋の紅葉の主役「イロハモミジ」は、季節が過ぎると誰にも見向かれることがありません。
新緑の時期も、他の樹木に負けないくらい緑が清々しいのに、やはり足を止めて見る人は少ないと思います。ちょっと立ち止まって見てみると、ピンクのプロペラのようなものがたくさん付いているのが目に入ります。

少し寄って見ると・・・、

とても美しい色と形です。これは、なんでしょう?

更に寄って見ると・・・、
小さなコブが2つあり、綺麗な羽が付いているのが分かります。
これは「イロハモミジ」の種子です。
中央のコブのように膨らんでいるのが種子で、その両サイドに風に乗るための翼がついているんです。
「翼果」といって、秋になると風に乗ってくるくると飛んでいきます。種子を遠くまで飛ばすための工夫です。
生田緑地では、入り口を入ってすぐの左側にイロハモミジがあり、ちょうど目の高さに枝が広がっているのですが、誰も気づかず通り過ぎていってしまいます。
こんなに綺麗なものが目の前にあるのに、ちょっと残念です。
スジグロシロチョウの求愛・・・拒否!
花が咲き始めると、昆虫達も活発に活動を始めます。
そして、よーく見ていると昆虫達も恋の季節。あちこちで求愛が盛んです。最近流行な「婚活」でしょうか?「就活」に「婚活」、「離活」に「終活」となんでも活動でちょっとうんざり気味ですが、昆虫達は個別に直線的に頑張っています。

「スジグロシロチョウ」の雄が、下にいる雌に盛んにちょっかいを出しはじめました。

雌に視線を移すと、ちょっと嫌がっているようです。お尻を少し持ち上げています。これは、「あなたは好みじゃないの!あっちいって!」のサインです。ビシッとした意思表示ですね。
この後、こんなにハッキリと嫌われているにもかかわらず雄は猛アタックしていきます。

見てください!このお尻の持ち上げ方!垂直まで立ち上がりました。完全拒絶です!
これでは、寄り付く隙もありません。やっぱりしつこいのは駄目ですね(笑)
花中心の撮影だったので、マクロ60㎜での撮影です。望遠だったら良かったのにと悔やまれます。マクロしか持ってきていない時にかぎって望遠が必要な場面に出くわしトホホです。
ニョイスミレ(別名ツボスミレ)
今年は数種類のスミレをご紹介してきましたが、いよいよ今年最後のスミレの紹介になりました。
ニョイスミレ(如意菫。別名ツボスミレ)です。スミレの花期も、早春の木々が芽吹く前に咲く花、桜が咲く頃に咲く花と
色々ですが、生田緑地では最も遅く咲くスミレで今がちょうど見頃です。
他のスミレと違い、湿り気が好みです。谷戸と呼ばれる沢沿いに群生が見られます。


自分で動くことの出来ない植物も、生き残りのため様々な戦略を持っています。花の咲く方向も大きく分けて、上向き、下向き、横向きとありますが、スミレのような横向きの花が最も個性的で美しいものが多い気がします。
花そのものは小さく目立たないものがほとんどですが、よーく見るとその色彩と形態の美しさに惹かれるものがあります。昆虫目線で見ると、きっと引き込まれるものがあるのでしょうね。
ネイチャーフォトも少しずつターゲットが絞られてきました。
「キンラン」と「ギンラン」
日本の野生蘭に「キンラン」と「ギンラン」という同時期に咲く蘭があります。
かつての日本にはどこででも咲いていたらしいですが、開発の進行と盗掘によって絶滅危惧種になってしまいました。
生田緑地でも細々と咲いていますが、カタクリのように消えてしまうのか、来年もまた見られるかと毎年心配しています。

これが「キンラン」です。金蘭と書きますが、黄色です。花はこれ以上開きません。今月初め、皇居吹上御苑で開かれた自然観察会で、見やすい所に移植された一株が公開されたらしいです。光が当たると輝いて見えてとても綺麗です。

こちらが「ギンラン」です。これも銀蘭と書きますが、白ですね。ギンランの方がなかなか見つけにくいです。日のあたらないところにひっそりと咲いています。

独特の形態をした「オカタツナミソウ(丘立浪草)」。花が揃って一方向を向き、波が立っているように見えることからの命名ですが、見えますか?唇形の花が、一斉に叫んでいるようにも見えます。まだ、咲き初めで花が少ないので分かりにくいかもしれません。

黄色い花は、地元野菜の「菅のらぼう菜」です。アブラナ科の花なので菜の花のようです。クマバチが一所懸命に蜜を吸おうとしています。身体が大きく重いので、花に取り付くと重みで花が垂れ下がってしまい必死でしがみつく様がみてて面白いです。どう見ても花の方が華奢ですよね。
ハルジオン
少しサボり気味だった生田緑地なので、これから気合いを入れて撮影に取り組もうと新たな気持ちでぐるっと一周してきました。GW直後の生田緑地は落ち着きを取り戻し、野鳥や草花などそれぞれのターゲットを探し求めて定期的に巡回している人達が戻ってきた感じです。
収穫は大でした。早春と梅雨の合間の、この季節ならではの草花をいくつも確認できました。これから少しずつアップしていきます。
今回は「ハルジオン」。それこそどこにでも咲いている春の花です。ところが、この「ハルジオン」。もう少し後から咲く「ヒメジョオン」とほとんど変わらないと言っていいくらいによく似ています。識別方法で一番簡単なのが、茎を潰してみること。「ハルジオン」は茎が中空なのでつぶれ、「ヒメジョオン」は固く詰まっていて潰れません。一度試してみてください。


蜜を吸いにきたのは、蜂のように見えますが・・・

「ホソヒラタアブ」です。目が蜂とは違います。アブといっても、とても綺麗なアブです。
いつも図鑑的な写真が多くなってしまっているので、ちょっと真面目に撮ってみました。たまにはちゃんと撮らないと駄目ですね。
☆DATA
「ハルジオン」 D3100+85マクロ、ISO100、f/4、1/1000
「ハルジオンとホソヒラタアブ」 D3100+85マクロ、ISO100、f/4、1/640
「ハルジオンに吸蜜するホソヒラタアブ」 D3100+60マクロ、ISO200、f/2.8、1/320
明治座 花形歌舞伎(昼の部)
五月は、明治座で市川染五郎を座長とする「花形歌舞伎」を開催しています。
ゴールデンウィーク最後の今日は、ちょっと肌寒く衣替えを終えてしまった方には「エ〜っ!」と思うような一日でした。そんな中、まずは昼の部から楽しんできました。

三つ目の演目「邯鄲枕物語(かんたんまくらものがたり)ー艪清の夢ー」は、明治38年以来の上演となる珍しい作品です。
人生の可笑しさをほのぼのと描いた作品で、役柄が染五郎に合っていて、見終わった後心がほっと温かくなるような気がします。
最近は、染五郎の出番もやたらと多く、初役、座長と大忙しです。観る方も染五郎に合った役柄がわかるようになってきました。染五郎もいずれは幸四郎の名を継ぐことになると思いますが、父、松本幸四郎と同じ芸を継ぐようにはならないし、なれないでしょう。雰囲気も役柄も全く異なる役者です。染五郎にしかできない役を見つけ磨いていってほしいと感じました。 これからが楽しみな役者の一人です。
他には、中村亀鶴が「釣女」の醜女、「邯鄲枕物語」の判蔵と盗賊唯九郎で芸域の広さを魅せてくれました。名脇役になってきましたが、いつかは主役が観てみたいなと思わせる役者に育ってきました。
明治座五月花形歌舞伎(昼の部)
一 義経千本桜「鳥居前」
二 釣女
三 邯鄲枕物語「艪清の夢」
タマノカンアオイの花
このところ遠征が多くて、春の生田緑地を全然確認出来ていません。あいにくの曇り空でしたが、タマノカンアオイの花だけは確認しておかなくてはと、大急ぎで出かけてきました。

当ブログでは何度か取り上げていますが、これが「タマノカンアオイ(多摩の寒葵)」です。徳川家の家紋である、あの「葵の御紋」の親戚筋ですね。名前に「多摩の」と付くのは、この生田緑地のある特定地域限定の葵で、植物学者の牧野富太郎先生が名付け親です。絶滅危惧種に指定されています。

少し見るのが遅れたかな〜と思って探していたら、なんとか一つだけ花が残っていてくれました。花は、落ち葉に隠れ地面に埋もれるように咲いているので分かりにくいです。親草の傍らで発芽するので分布が広がらず、1万年で1kmという植物学者もいるようです。だいぶ変わった形をしてますが、キノコに擬態しています。

これは、3月29日に撮影したものです。新芽が伸び始め、開花前の蕾が膨らんだところです。花の先端部はまだ閉じられています。
花の季節は短く、観察をサボるとまた1年持ち越しです。場所は分かっているので、来年こそはもっと細かく観察したいと思います。
☆DATA
「タマノカンアオイ」 ニコンD3100+マクロ60㎜、f/16、1/60、ISO400、内蔵フラッシュ使用
「タマノカンアオイの花」 ニコンD3100+マクロ60㎜、f/16、1/60、ISO400、内蔵フラッシュ使用
「タマノカンアオイ新芽」 ニコンD3100+ズーム55-300㎜、130㎜、f/7.1、1/400、ISO800
「ODAIBA HAWAI'I FESTIVAL 2014」
お友だちがフラダンスを習っていますが、今回の「お台場ハワイ・フェスティバル」に出場するということで、久しぶりにお台場にやって来ました。
初夏の陽射しが照りつける中、想像以上の人混みで熱気にあふれ、真夏の雰囲気です!
「ヘザー・ブラウン」のデザインによるポスター

ヘザー・ブラウンは、ハワイ州オアフ島ノースショアを拠点に活動する、世界中から注目されているアーティストです。ワイキキにもギャラリーがありますが、今回ヴィーナスフォートにもギャラリーがありました。

「Tamari'i No Hei Pua Ura」

「Tamari'i No Hei Pua Ura」

「Tamari'i No Hei Pua Ura」
この衣装は、デザイン、カラーともにセンスが良くてステキだなぁ〜と思いました。衣装だけ見ると、フラダンス?タヒチダンス?っぽくないですが、大勢で踊っている様子は、迫力もあり壮観でした。この中に友だちがいるのですが、ちょっと隠れてしまいました(;;)

「常盤木学園高校フラ同好会」。フラガールズ甲子園で最優秀賞2連覇を達成した高校も出場しています。踊っている曲は、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」。惹き付けられる魅力がありました。
3つのステージで、沢山のグループがダンスを披露しています。ヴィーナスフォートの通りの真ん中には、ハワイアン関連のお店が立ち並び、会場の周辺ではハワイアン・フードやワークショップなどが多数あります。まさに、ワイキキにいるような気分を味わえます。「ハワイに行きたい!」気持ちが、どんどん膨らんでいくこと間違いなしです。
5月6日まで開催されています。行くところが無いと悩んでいる方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
私たちももう一度、行ってみたいな〜と思っています。
☆撮影は、許可を得ています。
健全会2014のスタートは、川崎大師大開帳から
数年前からダイビングが縁で親しくなったお友達と始めた「健全会」。
鎌倉一筆書きの散策や、湘南海岸を自転車で走ったりなど自由に子供の頃のように純粋に(笑)自然を満喫してきました。
今年の「健全会2014」のスタートとなる昨日の天気予報は雨模様。仕方なく川崎で食とおしゃべりを楽しもうと思ってバイキングを楽しんでいたら、なんと午後は晴天の真夏日に!
急遽、昨日から始まった10年に一度の川崎大師大開帳に運気上昇を求め出かけてきました。


一見空いているように見えますが、この日の来場者は約10万人です。いつ配られるか分からない弘法大師直筆の「南無阿弥陀佛」を版にした護符『赤札』を求め、本堂左側に長蛇の列がつくられています。炎天下の下、ここから大変なことになりました。

本堂前に建てられた「供養塔」。三本の「お手綱」が御本尊に繋がりご縁を結ぶことができます。

これが苦労して頂いた『赤札』です。川崎大師の貫首が祈願を込めて一体ずつ手刷りするこの『赤札』を求めて、全国から大勢の人々が訪れます。
長蛇の列に並んでいても、いつ札が配られるのかは分かりません。炎天下の中、ひたすらおしゃべりをしながら待ち続けること1時間半。やっと私達の番がまわってきました。靴を脱いで本堂に入り、ご本尊のすぐ近くまで順番に進みます。間近で見られたご本尊ですが、立ち止まり禁止。両手を合わせ、あっという間に終了です。その後、本堂から随分歩いた後、僧侶が大勢読経している列の間を通っていくと最後に大僧正から『赤札』が一人ずつに手渡されます。
ビニールのケースは後から購入したものです。10年間ご利益をいただくことができる大切な護符ですから、ここはしっかりケースを購入しました。
この後、なんと!もう一巡して家族の分の護符を頂き、10年後も一緒に来ることを誓い川崎大師を後にしました。結局、4時間ぐらいいたでしょうか。いつもの健全会のように身体も口もクタクタになった楽しい1日でした ^^