バッハ・コレギウム・ジャパンの「マタイ受難曲」
今年初めてのミューザシンフォニーホール。
川崎駅周辺は、もの凄い人出です。人・人・人だらけで、いつから川崎駅はこんなに人が集まるようになったのか?ビックリしました。


演奏曲は「マタイ受難曲」。バッハを演奏するために設立された「バッハ・コレギウム・ジャパン」との久しぶりの再会です。
「マタイ受難曲」と「バッハ・コレギウム・ジャパン」との付き合いは長く、もうかれこれ四半世紀になるでしょうか。音楽の恩師である、K音楽大学のI教授がバッハ研究の第一人者であったため、「コレギウム・ジャパン」の設立直後からコンサートに連れて行かれました ^^;
I教授との出会いがなければ、たぶん一生「マタイ受難曲」聴くことはなかっただろうと思います。
それ以来、南の島を旅する時のお供は、いつも「マタイ受難曲」と「無伴奏チェロ組曲」。もう暗記するほど聴いているので、この2つを聴いていると南国の空と海を思い浮かべるほどです。

本当は、4月はハワイにいる予定だったのを変更したため、先日の大阪京都や今回のミューザは、急遽の調整。当然ながら空席も少なかったため、4階よりはいいかと思い、あまり使わないP席にしました。P席とは、ホール裏側にある席のことで、指揮を勉強する人にはうってつけの座席ですが、音はやはり裏側なのでこもった感じになってしまいます。安いのと近いのが取り柄ですね。

P席最後列からは、パイプオルガンもご覧のとおり。音が鳴ったときにはビックリしました。
「マタイ受難曲」とは、新約聖書の冒頭にある四つの福音書のうち「マタイ福音書」に音楽を付したものです。私達はキリスト教信者ではありませんが、このキリスト教の信仰の核心部分である「神の子イエスの贖罪死」を扱った「受難曲」を聴いているだけで感動と安らぎを与えてくれる音楽の力と、バッハの偉大さに感銘します。
「マタイ受難曲」には、1958年の録音ながら、いまだにこれに並び得るものがないと思っている名演「リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団」のCDがあります。私達もずっとこの録音を聴き続けてきました。
バッハ・コレギウム・ジャパンの昨日の演奏は、少年合唱団が天使の歌声で合唱する「受難コラール」をパイプオルガンに変えて演奏したため、その部分はやや違和感がありましたが、最終合唱「私たちは涙を流しながらひざまずき」へ向けて素晴らしいコラールやアリア、ソロを聴かせてくれました。
「マタイ受難曲」は、受難曲という名から親しみにくいものに感じられますが、全68曲(リヒターの旧版全集では全78曲)、約3時間にも及ぶ長大な曲の随所に聴きどころがあり、親しみやすい主旋律「受難のコラール」が全編にわたって顔をだしながら最終合唱で結実するという素晴らしい構成となっています。一人の作曲家から生み出されたとは思えないほどの奇跡の曲を是非一度聴いてみてください。
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