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松本幸四郎の『悪の華』お見事!



 九月は、歌舞伎座と新橋演舞場の二ヵ所で歌舞伎興行があります。
 新橋演舞場で開催されている「九月大歌舞伎」は、正直行かなくても良いかな?と思う程、期待薄でした。チケットを購入したものの「坂東三津五郎」も休演と・・・増々、がっかりな気分で「夜の部」に行って来ました。
 しかし、良い意味で予想を全く裏切られる「じぇじぇじぇ!」三乗にしても足りない面白さです。


 「不知火検校(しらぬいけんぎょう)」
不知火検校
 極悪非道、悪行の限りを尽くした桁違いの極悪人、按摩「富の市」を主人公にした、宇野信夫の作品です。
 勝新太郎主演で映画化された「座頭市」の元にもなった話しで、歌舞伎としては36年振りの復活上演となります。

 不気味なほどの極悪、憎々しさと悪の持つ輝きを見事に演じた幸四郎は、まさに当たり役と言えます。今までの松本幸四郎に対する評価が一変する出来映えでした。(今までの評価が低過ぎました:笑)
 『ラ・マンチャの男』で、その美声、歌の巧さは折り紙つきですが、今回は劇中で小唄を何回か謡います。三味線をひきながら、素晴らしい小唄を披露しました。さすが歌舞伎役者といった感じです。
 大詰めでは、不知火検校は悪事が露見し捕まりますが、群衆に向かって「お前たちはちっぽけな肝っ玉に生れついたばっかりに、俺のような真似もできず、せいぜい祭りを楽しむのが関の山。目明きのくせに面白いことの一つも見ず、薄汚いじじい、薄汚いばばあになってのたれ死ぬだけ。不憫な奴らだ」と啖呵を切ります。その迫力は、悪事ではあっても思いのままに人生を生き抜いてきた大きさと、人間の根源に潜む願望の深さにずしんと胸を打たれるものがありました。場内がシーンとなった瞬間です。




「馬盗人(うまぬすびと)」
馬盗人 
 「キャイ〜ン」ではありません! 馬盗人です!
 馬盗人の悪太を坂東三津五郎が努めることになっていましたが、休演のため中村翫雀(坂田藤十郎の長男)が代役を努めました。
 何しろ、大笑いできる面白い演目で、おかしさ満載の舞踊劇です。
 ここでの主人公は、実は『馬』ではないか?と思います。馬が、飛んだり、跳ねたり、踊ったり〜 外国人もビックリ!の大笑いしてました。勢い余って、尻餅付いた馬を助けるべく二人の黒衣が、飛び出して来るというハプニングつきで、会場も大盛り上がり!!

 「夜の部」の二つの演目は、どちらも面白くて、絶品の作品でした。歌舞伎は観てみないと、その良さがわからいものだとしみじみ考えさせられた公演でした。できれば、もう一度今月中に「夜の部」を観に行きたいと激しく思っています。
 今年のベスト3の中に入るであろうと思われるほどの歌舞伎です。






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Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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