三津五郎率いる納涼歌舞伎!
ツバメがいなくなりましたね。
毎年、お盆になると集団で渡っていきます。今頃どこかの河口に集まっているのかな?
久しぶりに納涼歌舞伎が、戻って来ました。平成2年から21年まで、三津五郎は十八世勘三郎らとともに主力となって率いて来ました。今回、その勘三郎の遺志を継いで三津五郎が『中村座』を盛り上げました。

「狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)」の板絵

初めて見るこの演目は、喜劇の幽霊ばなし。勘九郎、七之助、橋之助、扇雀の配役がピッタリで、あまりの面白さに抱腹絶倒!「これぞ、中村座!」と、思わず叫びたくなっちゃいました。
4月からの歌舞伎座新開場杮茸落公演は、時代物や重々しい演目が多かったので、勘三郎の世話物やお笑いが本当に恋しかった・・・まさに、こんな歌舞伎を待っていたのだとしみじみと思いました。
「棒しばり」の板絵

「棒しばり」は、勘三郎の次郎冠者、三津五郎の太郎冠者で何度か観ましたが、今回は、三津五郎が次郎冠者、勘九郎が太郎冠者で勤めました。三津五郎の次郎冠者は完璧な出来映えで、その所作の見事さは筆舌に尽くし難いものがあります。三津五郎の心底に、勘三郎への深い想いも感じられグッとくるものがありました。大向こうから「中村屋」の掛け声がかかったのも、勘三郎を重ねての大向こうの粋な計らいを感じます。
勘九郎の太郎冠者も相当練習を積んだことがわかる素晴らしい出来です。勘三郎もさぞ喜んでいることであろうと・・・。いや、もしかしたらこんなに巧くやって、ちょっと寂しがっているかも・・・「なんだぁ、僕がいなくてもちゃんとやっているじゃないの!」って。
早めの夕食は、ちょっと贅沢に「うな重」

歌舞伎座近くのうなぎやさんは、とってもリーズナブルで満足できる味と量でした。
久々に大笑いした「納涼歌舞伎」は、何もかも充実した満足感でいっぱいの一日でした。
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