fc2ブログ

明治座 花形歌舞伎の染五郎、愛之助



 明治座の花形歌舞伎、夜の部に行って来ました。

 最初の演目は、「将軍江戸を去る」です。昨年7月に猿之助襲名の際、徳川慶喜を市川團十郎(今回は、市川染五郎)、山岡鉄太郎を市川中車(香川照之。今回は、中村勘九郎)の配役で上演しました。
 團十郎の将軍は、鷹揚で品格のあるものでした。一方、染五郎の将軍は、苦渋の決断をするまでの苦悩と人間味溢れる将軍の一面を見事に演じた秀逸な出来映えでした。重厚な役もこなす染五郎の新たな一面に出会うことができ、これからの染五郎から目が離せなくなりました。
 また、山岡鉄太郎を演じた勘九郎は、歌舞伎役者としての迫力があり、駆け出しの中車とは一味も二味も違うと感じさせるものがあります。


「中村七之助」
中村七之助
 十八代目中村勘三郎の次男。花形一の女形に成長しました。
 今回は、二番目の演目で「藤娘(ふじむすめ)」を可憐に踊りましたが、色気、艶っぽさに欠け、なんだか動きが固くしなやかさに欠けまだまだ修行が必要な感じで・・・これではまだ藤娘ならまだいいけど、娘道成寺を踊るのは無理かな〜?と思います。これからどんな目標をもって女形として演じてゆくのか、七之助としての存在感をどう示してゆくのかが課題になると思われます。


「片岡愛之助」
片岡愛之助 
 十三代目片岡仁左衛門の部屋子から上方歌舞伎屈指のベテラン片岡秀太郎の養子となった、次代の仁左衛門を継ぐであろう人気花形。ファンの間では「ラブちゃん」の愛称で呼ばれています。
 歌舞伎役者は代々世襲と思っている方も多いと思いますが、実際は芸養子で繋がっています。短期的に見れば世襲役者も多いですが、ずっと続いている訳ではなく数代遡ればみな芸養子で続いています。名跡は芸で繋ぐもの、継いだ名跡に欠かせない芸というものがあります。まして目の肥えた歌舞伎ファンや役者仲間の目はごまかせません。人気実力がなければ淘汰されていく厳しい世界です。片岡愛之助も坂東玉三郎も外から歌舞伎界に入った逸材です。是非、歌舞伎役者としての芸に目を向けて観てもらえたらと思います。

 その愛之助が、夜の部最後の演目「鯉つかみ(こいつかみ)」の大役を務めました。
 琵琶湖の鯉の精が若侍に化け、姫をたぶらかし、お家転覆を謀るという話の筋は大した話ではないんですが、大掛かりな仕掛けと立廻りで楽しませるお芝居です。こういったものは歌舞伎には多いです。
 恋煩い(鯉煩い)の姫が恋人(鯉人)に出会うなど、ギャグを真面目にやるところが歌舞伎の面白さ。不真面目にやるとコントになってしまいます。
 鯉が化けた若侍の出は、いきなり宙乗りでスッポンから巨大な鯉が出てきます。宙に昇った鯉の口から飛び出す鯉の魔物が化けた若侍。空中で扇を広げ舞を舞いだします。
 ダジャレに宙乗り、そして最後は本水を使った派手な立廻り。背景は海、手前はプールのような池?(まるで伊豆海洋公園のプールみたい)で、上からは土砂降りの雨、下からは噴水のように水が吹き上がり、その中で巨大な鯉と戦う場面・・・1階席の3列目までは、完全に水をかぶり(ビニールシートが配られます)ディズニーランドのアトラクションさながらのエンターテイメント! 圧巻!! これほどの水を使った演目は、他に類を見ません。これぞ歌舞伎の醍醐味! 思わず3階席からキャ〜キャ〜と騒いでしまいました。水を被る者、水を被った人を見て笑い転げる者、みんなが楽しんで思い切り笑い転げた舞台です。
 ぜひ、一度生で楽しんでもらいたい面白さです。


「花小路の焼きかりんとう」
焼きかりんとう 
 お薦めの「かりんとう」です。この「かりんとう」は沖縄伊江島の黒糖を使用し、油で揚げてないので、軽くてサクサクでとっても美味しいです。明治座で手にいれることが出来ました。

 明治座も歌舞伎座もお菓子の味見は、惜しげもなく出してくれるので、いろいろなお菓子を楽しめます。
そこでしか買えないようなものも多いので、食いしん坊さんにはたまりませんよ。


 明日から旅に出るので、暫くブログはお休みです。今月はこれが最後の更新になります。
 次の更新は、6月2日頃になる予定です。








スポンサーサイト



プロフィール

南十字星

Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2013年05月 | 06月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


FC2カウンター
フリーエリア
ポチッと押してもらえると励みになります。  ↓
最新記事
最新コメント
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
1318位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
演劇
72位
アクセスランキングを見る>>
リンク
検索フォーム