明治座 花形歌舞伎の染五郎、愛之助
明治座の花形歌舞伎、夜の部に行って来ました。
最初の演目は、「将軍江戸を去る」です。昨年7月に猿之助襲名の際、徳川慶喜を市川團十郎(今回は、市川染五郎)、山岡鉄太郎を市川中車(香川照之。今回は、中村勘九郎)の配役で上演しました。
團十郎の将軍は、鷹揚で品格のあるものでした。一方、染五郎の将軍は、苦渋の決断をするまでの苦悩と人間味溢れる将軍の一面を見事に演じた秀逸な出来映えでした。重厚な役もこなす染五郎の新たな一面に出会うことができ、これからの染五郎から目が離せなくなりました。
また、山岡鉄太郎を演じた勘九郎は、歌舞伎役者としての迫力があり、駆け出しの中車とは一味も二味も違うと感じさせるものがあります。
「中村七之助」

十八代目中村勘三郎の次男。花形一の女形に成長しました。
今回は、二番目の演目で「藤娘(ふじむすめ)」を可憐に踊りましたが、色気、艶っぽさに欠け、なんだか動きが固くしなやかさに欠けまだまだ修行が必要な感じで・・・これではまだ藤娘ならまだいいけど、娘道成寺を踊るのは無理かな〜?と思います。これからどんな目標をもって女形として演じてゆくのか、七之助としての存在感をどう示してゆくのかが課題になると思われます。
「片岡愛之助」

十三代目片岡仁左衛門の部屋子から上方歌舞伎屈指のベテラン片岡秀太郎の養子となった、次代の仁左衛門を継ぐであろう人気花形。ファンの間では「ラブちゃん」の愛称で呼ばれています。
歌舞伎役者は代々世襲と思っている方も多いと思いますが、実際は芸養子で繋がっています。短期的に見れば世襲役者も多いですが、ずっと続いている訳ではなく数代遡ればみな芸養子で続いています。名跡は芸で繋ぐもの、継いだ名跡に欠かせない芸というものがあります。まして目の肥えた歌舞伎ファンや役者仲間の目はごまかせません。人気実力がなければ淘汰されていく厳しい世界です。片岡愛之助も坂東玉三郎も外から歌舞伎界に入った逸材です。是非、歌舞伎役者としての芸に目を向けて観てもらえたらと思います。
その愛之助が、夜の部最後の演目「鯉つかみ(こいつかみ)」の大役を務めました。
琵琶湖の鯉の精が若侍に化け、姫をたぶらかし、お家転覆を謀るという話の筋は大した話ではないんですが、大掛かりな仕掛けと立廻りで楽しませるお芝居です。こういったものは歌舞伎には多いです。
恋煩い(鯉煩い)の姫が恋人(鯉人)に出会うなど、ギャグを真面目にやるところが歌舞伎の面白さ。不真面目にやるとコントになってしまいます。
鯉が化けた若侍の出は、いきなり宙乗りでスッポンから巨大な鯉が出てきます。宙に昇った鯉の口から飛び出す鯉の魔物が化けた若侍。空中で扇を広げ舞を舞いだします。
ダジャレに宙乗り、そして最後は本水を使った派手な立廻り。背景は海、手前はプールのような池?(まるで伊豆海洋公園のプールみたい)で、上からは土砂降りの雨、下からは噴水のように水が吹き上がり、その中で巨大な鯉と戦う場面・・・1階席の3列目までは、完全に水をかぶり(ビニールシートが配られます)ディズニーランドのアトラクションさながらのエンターテイメント! 圧巻!! これほどの水を使った演目は、他に類を見ません。これぞ歌舞伎の醍醐味! 思わず3階席からキャ〜キャ〜と騒いでしまいました。水を被る者、水を被った人を見て笑い転げる者、みんなが楽しんで思い切り笑い転げた舞台です。
ぜひ、一度生で楽しんでもらいたい面白さです。
「花小路の焼きかりんとう」

お薦めの「かりんとう」です。この「かりんとう」は沖縄伊江島の黒糖を使用し、油で揚げてないので、軽くてサクサクでとっても美味しいです。明治座で手にいれることが出来ました。
明治座も歌舞伎座もお菓子の味見は、惜しげもなく出してくれるので、いろいろなお菓子を楽しめます。
そこでしか買えないようなものも多いので、食いしん坊さんにはたまりませんよ。
明日から旅に出るので、暫くブログはお休みです。今月はこれが最後の更新になります。
次の更新は、6月2日頃になる予定です。
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イネ科・カヤツリグサ科の植物
今まで、華やかな花や実のなる植物を中心にご紹介してきましたが、野原に生える植物の多くはイネ科やカヤツリグサ科の植物です。地味で見分けがつきにくいですが、独自の進化を遂げた優秀な植物なんです。
もともとは風媒花だった植物から受粉効率のよい虫媒花が出現し花びらを発達させてきました。その中から再び昆虫をあてにしない風媒花へと進化したグループがイグサ科・イネ科・カヤツリグサ科の植物です。
花は花弁を失い、雄しべは毛が生えていることが多く、花序が変形して小穂と呼ばれる偽花が集合して穂を形成しています。
多摩川沿いには、イネ科・カヤツリグサ科の植物が多く生えています。地味〜な植物ですが、とっても重要な植物でもあります。
イネ科は、600属1万種が属する被子植物単子葉類の大きな科です。
イネ(米)やコムギ(小麦)、トウモロコシ、オオムギ、ライムギなどの穀物はイネ科に属します。サトウキビやタケなどの資源植物、ススキやパンパスグラスもイネ科に属します。
「スズメノチャヒキ」

イネ科スズメノチャヒキ属の植物で、大柄な草です。多数の花を含む比較的単純な小穂をつけます。小穂が特に大きいのも特徴の一つです。どこにでも生えている気がしませんか?
「カラスムギ」

イネ科カラスムギ属の越年草です。原産地は、ヨーロッパから西アジアにかけての地域ですが、日本では古くからある帰化植物として存在しています。カラスムギ属の種子は、すべて食べることができますが種子が小さく収穫が困難なものが多いようです。日の光が当たると黄金色に輝いて綺麗です。
「カラスムギの種子」

上の「カラスムギ」の写真は種子が飛んでしまった後の姿です。白っぽい小穂の中には、こんな種子が入っていました。種子が飛んだ後の「カラスムギ」はとても綺麗です。ドライフラワーにするそうです。
「コバンソウ」

イネ科コバンソウ属の植物で、小穂が小判型をしているところから名付けられました。明治時代に観賞用に導入された帰化植物です。小穂の大きさに比べて枝が細く華奢な感じがします。
「ミヤマシラスゲ」

カヤツリグサ科スゲ属の植物です。多年草で湿地に群成します。
カヤツリグサ科は、単子葉植物の一つの科で、最も有名なのがパピルスですが有用植物は少ないようです。全世界では3700種、日本産の種も雑種を含めると約40種あり、イネ目に属しイネ科とは多くの点で似ているところがあります。
カヤツリグサ科もイネ科と同様、風媒花として進化し、花が地味で小穂を形成します。イネ科との最大の違いは花を巻く鱗片の数でしょうか。イネ科は2枚、カヤツリグサ科は1枚です。ユリ科の先祖から進化したと考えられているイグサ科の鱗片は6枚です。
見た目の派手な特徴に乏しい割に種類が多く同定が難しく、特にスゲ属は、イネ科植物や他のカヤツリグサ科植物の専門家ですら敬遠するほど、同定困難なものが多いようです。
イネ科の中には、チガヤ、スゲ、ススキなどの『茅(萱とも書く)』と言われている植物があります。イネやムギの茎(藁)が水を吸ってしまうのに対し、茅の茎は油分があるので水をはじき、耐水性が高いので屋根を葺くのに使われます。茅葺(かやぶき)屋根です。
イネ科やカヤツリグサ科の植物は、昔から生活に深く関わってきた植物と言えるでしょう。
本当は、もっとたくさんの種があるので違いとともに紹介すると面白いのですが、ブログ的には緑一色の地味なものになってしまいます。また、機会があれば掲載してみたいと思います。
多摩川沿いの花たち
夏のような陽射しを浴びて、多摩川沿いに今咲いている花たちを今日はご紹介します。
「アカツメクサ」

マメ科シャジクソウ属の植物で、別名をムラサキツメクサ(紫詰草)と言い、英名をレッドクローバーと言います。
赤い花をアカツメクサ、白い花をシロツメクサと言ってますが、実は大きな違いがあります。アカツメクサは、花のかたまりのすぐ下に葉っぱがありあます。シロツメクサは、花のかたまりの下には長い柄があり葉っぱはありません。(下記の写真) ですから、このままでは花をつないで『赤い首飾り』を作ることはできません。
「シロツメクサ」

マメ科シャジクソウ属の多年草です。別名はクローバーと言い、特に四小葉のものは『四ツ葉のクローバー』として珍重されています。
シロツメクサは、子供のころに『冠や首飾り』を作って遊んだ経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「コゴメバオトギリ」

ヨーロッパ原産の帰化植物で、オトギリ科の多年草の植物です。セイヨウオトギリソウの変種です。高さは50㎝程になり、花は直径2㎝程の黄色い5花弁を群がらせるように沢山つけます。なかなか見応えのある花です。
「ヤマグワ」

クワ科の落葉小高木です。今こんなに沢山赤い実(イチゴ状の集合果)をつけてます。小鳥の好物ですが、鳥はいませんでした。昔は、子供が食べているのをよくみかけたらしいです。どんな味がするのか、今度ちょっと試してみようかな?
長い期間咲いて楽しませてくれる花もありますが、ほとんどの旬の花々は咲いている期間が以外と短く、2週間も観察をおろそかにしていると、様相が一変していて驚かされることがあります。
自然観察を続けていると、日本の暦『二十四節気』は季節の移り変わりの目安として、風土にあった最適なものであることがよく分かります。
こいつあ春から縁起がいいわえ
5月の杮茸落大歌舞伎の観劇は、第一部が最後になりました。
今日は、高校の男子生徒で3階席の前半分が全てうまってました。ちょっと異様な雰囲気です。
配られたお弁当をちょっと覗いて見たのですが、高校生には少な過ぎ・・・案の定、足りなかったようで「めでたい焼き」に群がってましたが、すぐ売り切れになってしまいました。かわいそう〜!
「三人吉三巴白浪」の板絵

第一部の最後は、「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」です。
河竹黙阿弥の名台詞「こいつあ春から縁起がいいわえ」で知られる舞台を尾上菊五郎、片岡仁左衛門、松本幸四郎の豪華メンバーで上演されます。
七五調の耳に心地よい響きと、女装のお嬢吉三(菊五郎)の男と女を使い分ける面白さは、歌舞伎の楽しさを十分に味わえる演目です。
大向こうから、
「音羽屋〜」「待ってましたぁ〜」「たっぷり」と一斉に声がかかると
「月も朧(おぼろ)に白魚の篝(かがり)も霞む春の空・・・・」から「こいつあ春から縁起がいいわえ」まで菊五郎が気持ち良く啖呵を切ります。
「歌舞伎座新開場記念 純金大判・小判」

桐箱入りで大判は100gで140万円、小判は50gで71万円です。金相場からすると倍以上になるでしょうか。かなり高価なもので、庶民にはちょっと手が届きません。
「記念銀メダル」

こっちなら、ちょっと手が届くかも・・・?! でも、13,500円也。
「今日のお供」

歌舞伎座限定のランチパックです。地下の木挽町広場で、ゲットしました。こちらは庶民的で十分手が届きます(嬉)
今回は3つの演目が上演されましたが、短縮版にされていてちょっと物足りなさを感じるものもありました。
杮茸落公演を三部制にした弊害が、いろいろと出て来ているようでちょっと残念な気がします。
梅雨が近くまで
雨上がりの生田緑地を朝から観察に行くと、なんとなく梅雨が近づいてきている気がします。
そちこちに咲いていた春の花々もなくなり、初夏の花が咲き始める前の小休止という感じです。
今の時期はほんとに緑が綺麗です。木々も道端の草も生き生きとしています。
「今朝の菖蒲園」

生田緑地の菖蒲園は、黄菖蒲だけ咲き始め、他の花菖蒲はまだまだこれからです。右の方に少しだけ紫色の花菖蒲が咲きました。ちなみに、黄菖蒲は外来の帰化植物なので紫や白のいわゆる日本に昔からある花菖蒲とは違います。
「ウシガエル」

「モォーモォー」と大きな声で牛のように鳴く「ウシガエル」です。菖蒲園や奥の池でずっと鳴き声ばかりで姿をなかなか見られませんでした。やっと姿を現してくれました。大きさは20㎝ぐらいでしょうか?片手程の大きさです!別名、食用ガエル。世界中で食され、後ろ足を食べます。
「コガラの幼鳥」

久しぶりの初見の野鳥です。スズメより小さい、「コガラ」の幼鳥です。キツツキの中で一番小さい「コゲラ」とは違います。名前が紛らわしいですね。色合いがまだ薄いため、同定するのに苦労しました。今の時期は餌が豊富なので忙しく飛び回ってます。
「ダイミョウセセリ」

他のセセリチョウと違って、吸蜜の時に翅を開いて止まってくれる「ダイミョウセセリ」です。何故、大名か? 前翅にある黒字に白い紋が大名が着る裃の紋のように見えるからだとか・・。微妙ですね。
「イチモンジセセリ」

色合いから、一見蛾と勘違いされやすいですが、セセリチョウの一種で「イチモンジセセリ」です。後翅裏にある白い紋が一文字に並んでいるので名がつきました。こちらの方が分かりやすいですね。
長袖を着て歩くには、蒸して厳しい季節になりました。虫除け日除には欠かせない対策ですが、汗びっしょりになります。持ち歩く水の量を増やさなくては。
昆虫の生態は面白い!
イトトンボの再調査をしている最中にも、面白い生き物達を発見しました。
今の時期は生物達が活発に活動し、様々な生態を魅せてくれます。
中でも、昆虫達の成育過程を垣間みることができ、真夏のシーズンより楽しいかもしれません。
「アワフキムシの泡巣」

先日掲載した「アワフキムシの泡巣」ですが、調べていくと「アワフキムシ」にも沢山な種類があることに気づきました。早速、イトトンボの調査とともに先日発見した泡巣をツンツンしに行ってきました。
「マルアワフキ幼虫の終齢」

これが、泡巣の中にいる幼虫です。アワフキムシ科ホソアワフキ亜科マルアワフキ属の「マルアワフキ幼虫」です。幼虫は脱皮をしながら大きくなり、脱皮回数で成長段階を表します。四齢までは頭部胸部脚部が黒色なので、色の変化が見られるこの幼虫は成虫直前の終齢と思われます。ついている草木の種類によって種が違うようで、「アワフキムシ」といっても色や形も様々で一括りにはできません。
怖々ですが、なんでもチャレンジしてみないと実態が分からないので思い切って泡巣をツンツンしてみました。もちろん素手では怖いので、落ちていた木の枝を使います。泡を取り除くと幼虫が茎にしがみついてました。植物に口針を刺し、維管束から栄養を吸収しています。しがみついていた植物は「コゴメバオトギリ」です。3カ所程探ってみましたが、同じ幼虫が出て来たので、「コゴメバオトギリ」には「マルアワフキ」が付くようです。
「ナナホシテントウ」

これは、子供の頃から親しんでいる「ナナホシテントウ」です。綺麗ですね。赤と黒だけではないのがよくわかります。均整の取れた美しい配色と形だと思います。ところが幼虫になると・・・
「ナナホシテントウの幼虫」

こんな感じです。じぇじぇじぇ ^^; だいぶ腰が引けますね。黄橙色の紋様が12個現れているので終齢のようです。成虫と同じくアブラムシを食べます。もりもり食べて、糞をしている貴重な写真が撮れました。
「フタモンアシナガバチの新女王」

模様が綺麗な「フタモンアシナガバチ」の新女王が新しい巣づくりをしています。春に越冬から目覚めた女王蜂が単独で巣づくりをします。女王蜂の娘である働き蜂が羽化するまで巣づくりや餌やりなど全ての労働を単独で行います。これを専門的には、独立創設と言うそうです。晩夏になると雄と新女王蜂が羽化し、雄と新女王蜂は巣を離れ交尾します。交尾後、雄は死に新女王蜂は狭い隙間に潜り込んで春まで越冬というのがサイクルです。
スズメバチに比べておとなしいですが、毒があるので怖々の撮影になりました。
昆虫を追って薮の中に分け入って行くと、突然「フタモンアシナガバチの巣」に出会ったりします。注意はしているものの、こんなところに!と思うような場所で遭遇することが多いので、なるべく音を立てないようにゆっくりとした動きにだんだんなってきます。
油断禁物です!
イトトンボの同定は難しい
先週、「(仮称)イトトンボ類」ということで写真を掲載しましたが、その後、多摩川での詳細確認とトンボに関する文献を読みあさった結果、同定することができましたので、再掲載します。
「イトトンボ」の判別はトンボの中でも最難関であることが分かりました。大きく6種類に分かれますが、それが更に細分化され判別ポイントが微細で肉眼だけで判別するのは難しいです。
今回、多摩川沿いにある池地で生息を確認出来たのは、「アオモンイトトンボ」と「クロイトトンボ」の仲間である「セスジイトトンボ」の2種類でした。
「アオモンイトトンボ♂」

上と下の写真を見比べてみて下さい。どちらも青っぽいイトトンボです。イトトンボの多くは、青っぽい色をしているので色で判別はできません。一番目の判定ポイントは、お腹にある節の色になります。トンボのお腹には節が10あり、これはどのトンボも同じでトンボの特徴です。「アオモンイトトンボ」は第8節が水色で、「クロイトトンボ」の仲間は、2節以上が水色になっています。
「セスジイトトンボ♂」

「クロイトトンボ」の仲間も4種類ほどいるので、次の判定ポイントとして目の後ろの水色の紋(目玉のようにみえますが、目玉ではありません)に注目します。大きな紋が入っているので、これで2種類に絞られます。
最後に、背中に注目します。背中のサイドの黒い部分に水色の長い筋が入っているのが分かりますか?この長い筋と目の後ろの大きな紋で「セスジイトトンボ」と判定できます。
もう1カ所ポイントがあるのですが、写真を大きく拡大しないと分からない部分なので省略します。
「アオモンイトトンボの異色体の若い♀」

この赤いイトトンボは、最初別種と思っていましたが、トンボの図鑑をみても赤っぽいイトトンボはありません。「アオモンイトトンボ」の若い雌です。雌は、雄と同色のものがあったり異色のものがあったりで、雌だけ見て種の判定はできないと思います。
「セスジイトトンボの交尾」

今回は、「セスジイトトンボ」の交尾を始まりから最後まで観察することができました。交尾は、下の写真のように雄が雌の首を固定して雄雌直列になるところから始まります。
雄に支えられた雌は、自分の腹部を前方に折り曲げ雄の副性器に接続させます。この副性器から精子を受け取ることにより交尾します。
なぜ「副性器」かというと、本来の雄の性器は腹部後端にあるからです。雄の腹部後端は、雌を確保するのに用いられ交尾時には塞がっているので、あらかじめ腹部前端近くにある貯精嚢に精子を蓄えておき、交尾時には「副性器」から精子を受け渡します。このとき、雄と雌で一つの輪をつくりハート型の独特な形が作り出されます。
「セスジイトトンボの交尾直前」

どうですか?
昆虫の世界もなかなか奥深いです。
昨日は、ここまで書いてうっかり消してしまいガックリして再び書く気力がおきませんでした。
やっぱり玉三郎は素晴らしい!
旬のばら苑情報を先に出したので日付が前後しますが、水曜夜の歌舞伎観劇記です。
杮茸落公演は、三ヶ月間だけ三部制で今月の第三部は午後6時開演です。三部制の時間帯に慣れず、ちょっととまどいながらの開演待ちです。
「夕暮れ時の歌舞伎座」

トワイライトゾーンの歌舞伎座は、ライトアップされて幻想的な表情を魅せます。いい雰囲気です。
「石切梶原板絵」

第三部の最初の演目は、「梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」です。
梶原平三景時(中村吉右衛門)が、刀の目利きを頼まれ鑑定しますがこれを不服として、人間二人を重ねて斬る「二つ胴」で試し切りをすることになります。情と智を兼ね備えた梶原景時を描いた人情味のある時代物を吉右衛門が熱演します。
「二人道成寺板絵」

二つ目は「京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)」です。
「娘道成寺」は、歌舞伎舞踏の大曲で、女形の美のすべてを見せる所作事の代表作です。洗練された芸をいかに魅せるかは女形にとって腕の見せ所であり、一時間あまりを一人で踊りきる難曲でもあります。
今回は、その「娘道成寺」を玉三郎と菊之助の二人で舞うという「娘二人道成寺」です。当代一の立女形と花形一の女形が踊り舞う、なんとも贅沢で夢のような競演です。この二人の道成寺は、今回で3回目になります。
前回は菊之助の巧さに感動しましたが、今回は玉三郎の天才振りに脱帽しました。玉三郎は踊るだけではなく、目でも演じているのです。伏し目がちな目で匂い立つような色気と艶っぽさを、キッと見開いた目で恨みと嫉妬のない交ぜになったあだっぽさを見事に表現しながら踊っているのです。
また、玉三郎の手拭いさばきの美しさは、見るものを虜にせずにはおきません。紅をぬぐう仕草と指でつまんだ手拭いの流れるような形、着物の衿に巻いた手拭いの優雅さなど、どの瞬間を切り取っても絵になる様は筆舌に尽くし難くただただ溜息ばかりがこぼれ落ちます。
還暦を過ぎて一人で踊る「道成寺」を玉三郎は、封印しているらしいのですが、ぜひまた一人でやってほしいと願わずにはいられません。
「屋上庭園」

ビル群の中にある空中庭園は、ちょっとほっとできる憩いの場所になってます。屋上庭園は、歌舞伎座に入場せずに地下広場にある直通エレベーターで向かいます。
「五右衛門階段」

屋上庭園からは下り専用の「五右衛門階段」を降りていくのがお奨めです。
なぜ、五右衛門階段かというと・・・、
歌舞伎ファンの間では有名な通称「山門」、本外題を「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」という石川五右衛門のスケールの大きさを描いた作品がありますが、その雰囲気を味わえる階段だからです。京都南禅寺の山門の上で大見得を切った天下の大泥棒「石川五右衛門」。「五右衛門階段」を降りていくと、山州瓦の大屋根が左手に見えてきます。「絶景かな!絶景かな!」という気分にさせてくれる見事な演出です。
新しい歌舞伎座を建物と役者と名物で、ぜひ一度楽しんでみて下さい。
ばら苑初日です!
生田緑地のばら苑は、今日が初日です。天気も良さそうなので、咲き具合を確認するため裏山を登って最短距離で見て来ました。午前10時を過ぎたばかりなのに、来ている人たちが結構いてビックリです。
ここのところ天候にも恵まれ暖かかったので、花がすでに満開〜終盤といったものも多く見受けられました。蕾も沢山あるので大丈夫だと思いますが、去年よりも花の開花が早いようです。
「ばら苑」

旧向ヶ丘遊園地内にあった「ばら苑」を、そのまま川崎市が引き継ぎ春と秋の年2回公開しています。開苑は1958年で、当時は「東洋一のばら苑」と賞されていました。ばらの育成や管理については、多くの市民ボランティアによって支えられています。春と秋の限定公開にもかかわらず、年に10万人の人が来苑する人気スポットです。
「プリンセス ドゥ モナコ」

白とピンクの覆輪系のばらで、モナコ公国王妃となった故グレース・ケリーに捧げられたばらです。その名にふさわしく、上品で甘い香りがする美しい花です。
「クイーン・エリザベス」

1979年に殿堂入りしたばらです。イギリスのエリザベス女王にちなんだ花です。
「バラの殿堂」とは、世界37カ国のバラ会が加盟する世界バラ会連合によって、3年に1度開催される会議で、世界中で愛されるバラの中から選び抜かれたバラが「バラの殿堂」に収められます。これまでに14種類が殿堂入りし、生田緑地ばら苑ではすべてが栽培されています。
「レディ・メイアン」

四季咲きの大輪種で、オレンジ色がかった赤が印象的な花です。
「ピエール・ド・ロンサール」

2006年に殿堂入りした花です。フランスのルネサンス期の宮廷詩人の名がつけられています。まさに、ローズピンクの優しい色合いとクラシックな雰囲気のある花です。
ばらの花を見ていると幸せな気分になれます。名前の美しさも、よりばらを引き立てています。お気に入りのばらを見つけてみるのも楽しいです。色や形、大きさなど自分がどんなばらが好きなのか?気づかせてくれます。
春の開苑は、6月2日までなので暫くは薔薇を楽しめそうです。
昆虫達の恋の季節
冬の間、卵や蛹、冬眠などの方法で活動を休止している昆虫達が活動を開始する気温は15℃と言われています。昆虫達の活動に合わせるように花粉を運んでもらいたい花々も咲き始め春を迎えます。
その昆虫達が最も活発に活動する気温は、20〜30℃です。動物の食物連鎖の最下層に位置する昆虫達にとっては、生き残りのため繁殖に精を出す絶好の恋の季節がやってきました。
「イトトンボ類の交尾」

正確な同定をしてから出したかったのですが、イトトンボ類の同定は難しく、細部にわたる確認が必要なため、とりあえず「イトトンボ類」ということで掲載します。細くて小さいため、目が慣れないとなかなか発見が難しいトンボですが、一度目にすると次々と発見でき色の美しさに目を奪われます。
「ナガメ(菜亀)の交尾」

オレンジ色が鮮やかな、カメムシ科の昆虫です。菜の花につく亀虫という意味で菜亀といいます。アブラナ科の植物を餌にしています。
「アメンボの交尾」

アメンボは誰でも子供の頃から親しんでいる昆虫だと思いますが、じっくり顔を見た方は少ないと思います。実はカメムシ目の昆虫で、世界では500種程、日本でも20種程棲息しています。水の上が棲息環境ですが、海上で生活するウミアメンボというのもいるそうです。この写真は、何処にでもいる「アメンボ(ナミアメンボともいう。)」ですが、良く似ているヒメアメンボとは触覚の節の長さが違います。(触覚部分だけを最大に拡大しないと分かりませんが ^^;)
「アワフキムシの泡巣」

この泡状のものは、アワフキムシの幼虫の巣です。植物につがみついて、植物の維管束に口針を刺し栄養を補充しています。この泡は、幼虫の排泄物が泡立ってできた泡巣です。なぜ泡立つかは説明が相当長くなるので、興味のある方は調べてみて下さい。虫体からの分泌液が関係しています。
この一体は、泡巣だらけなので、今後の変化を注視していきたいと思います。
トンボといったら夏のイメージですが、「オニヤンマ」や「シオカラトンボ」もすでに飛んでいます。昨日の夏のような陽射しの中、トンボを追いかけていたらもう夏なのかと錯覚してしまいます。
すっかり夏シーズンの多摩川
立夏を過ぎ、真夏日を迎えました。暑いですね〜。
今年の夏も暑いのでしょうか?
久しぶりの多摩川は、冬鳥の姿もなく淋しい感じです。川面をびっしりと埋めていたカモ達は一羽も見あたりません。しばらく上流に向かって流していくと、なんと東京側の川岸に大きな鳥の姿が見えます。双眼鏡で確認するとコブハクチョウがまだいました。1月末に現れた時に比べて、嘴付け根のコブが大きくなり、身体も白く毛並みが整っています。
このまま住みついてくれるといいんですが。
「コブハクチョウ」

相当遠いので、これ以上大きくは出来ませんが、瘤が大きくなったのが分かりますか?
「魚採りに夢中なコサギですが・・・なんか違う?」

魚採りに夢中なコサギですが、なんか色が違うのに気づきましたか?目先と足指は本来黄色なはずですが、赤みを帯びてきています。動物達の世界は恋の季節の真っ最中!鳥も昆虫も求愛求愛です。コサギも婚姻色に色づいてきています。最終的には、もう少し色が濃く鮮やかになってきます。
「ムクドリ」

多摩川の土手では、季節を問わず恋の季節も関係なくムクドリ達がギャーギャー言っています。
「アオサギの飛翔」

ふっと見上げると大きな鳥が飛んできます。アオサギです。さすが、日本のサギ科で最大級だけあって迫力があります。
「スズメの求愛」

このところ雀達の鳴き声がいつもより激しくなっているのに気がつきませんか?あちらでもこちらでも、言い争っているようなうるささです。スズメも求愛の季節を迎えています。羽を下げて、尾羽を上に上げて鳴きながら踊る雄です。この後、振られてしまいました、残念。
今日は、昆虫達の求愛シーンもたくさん撮影できました。
今週中にアップ出来るように整理しています。
消えゆくツバメ
ツバメ(燕)。昔はツバクロと言っていましたが、3月になるとどこからともなく大群でやってきて、巣作りを始めます。我が家の近くには毎年ツバメ達が集団で巣を作る場所があり、秋まで空中で餌探しの乱舞が見られます。
ツバメは「渡り鳥」です。冬は東南アジアで過ごし、春になると繁殖のため日本に渡来します。子育てが終わる8月になると再び暖かい南へ渡っていきます。
日本野鳥の会によると、このツバメが全国的に激減しているそうです。原因はエサ不足。開発の進行、農薬利用、農業の衰退、河川の護岸化によりエサとなる昆虫が減ったことによります。
人家に巣をつくるツバメは、昔はどこででも見られたものですが、だんだんと見られなくなってくるのかもしれません。
「ツバメの親鳥」

子育ても終盤戦に入り、巣の中で口を開けていた幼鳥も巣立ちが近づいています。頭から尾まで真っ黒な燕尾服を着て休んでいる親鳥です。
「ツバメの飛翔」

ツバメは、時速40〜60kmのスピードで飛び回ります。バードウオッチャーは、双眼鏡の使い方の練習をツバメで行うといいとされているぐらいです。撮影は、予想のつかない動きを高速でするのでフレームに納めるのがやっとです。
もっと良い写真をと思って何回もチャレンジしたのですが、これが精一杯です。尾を広げたときの独特の模様がなんとか透けて見えると思います。
いやさお富、久し振りだなぁ
今月は、新歌舞伎座杮葺落興行の他に明治座で花形歌舞伎の興行もあり、また忙しい観劇三昧の月になりました。
「明治座定紋」

明治座正面玄関に掛かる明治座定紋は「丸に大和桜」です。明治座という名前のとおり、明治六年喜昇座として開業以来130年以上の歴史がある日本が誇る劇場の一つです。震災や空襲による消失を繰り返し、現在は平成五年七代目となる明治座が建っています。
「六代目中村勘九郎」

昨年亡くなった十八代目中村勘三郎の長男です。
昼の部、最初の演目は「実盛物語(さねもりものがたり)」です。平家の武将斎藤実盛と源氏ゆかりの人たちが織りなす哀しい時代物です。実盛役を勘九郎が務めました。
以前にも書いたように勘九郎の声は、父勘三郎にそっくりでそこに勘三郎が居るような錯覚を起こします。昨年の襲名以来、勘九郎の舞台を多く観てますが、勘三郎が亡くなってから伸び悩んでいるように感じられます。偉大な父を亡くした喪失感と、その跡を継いでゆくものとしての重責がぐっとのしかかっているためかもしれません。観ている側も勘三郎の大きさを思わずにはいられないのですから・・・。
「七代目市川染五郎」

松本幸四郎の長男で、妹は女優の「松たか子」です。
2つ目の演目は、「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」です。「切られの与三郎」と言った方が通りがいいかもしれません。美男美女の与三郎(市川染五郎)とお富(中村七之助)が、互いに一目惚れし、その後密会が見つかり与三郎がなぶり切りにされます。お富は身投げするのですが・・・「死んだと思ったお富たァ、お釈迦様でも気がつくめえ。」と、与三郎の有名な科白へとつながっていきます。
染五郎は与三郎役にピッタリで、お富役の中村七之助(勘三郎の次男)はメキメキと上達し色っぽさが増し、あだな姿のお富役を見事に演じています。今後このコンビで素敵な舞台ができる予感がしました。ちょうど、仁左衛門と玉三郎のコンビのような・・・。
4月2日に出たばかりの「染五郎の超訳的歌舞伎」サイン本

花形歌舞伎に行くと、ときどきラッキーな事に出会います。今日は市川染五郎のサイン入り新刊本を入手することできました。
花形歌舞伎は、若手役者のキラキラ光る眩しさや溌溂とした新鮮さ、明るさを感じることができます。
この役者は、これからこの役がはまり役になるだろうと想像しながら観るのは楽しみの一つでもあります。
初夏の陽射しの生田緑地
生田緑地に降り注ぐ陽射しが、初夏のような気がします。
出歩くには最高の季節のなで、天気の良い日は大切に有効に活用したいと思っています。
「ハクモクレンの若実」

花がすっかり終わると青々とした大きな葉が茂り、風が葉を揺らし太陽が新緑を輝かせています。
「ハナイカダ」

ミズキ科の落葉低木で、別名「ヨメノナミダ(嫁の涙)」と言われています。雌雄異株で、5月に葉の中央に雄花あるいは雌花が咲きます。雌花は通常1個、時には2個つきます。雄花は、3〜4個まとめて乗せて花弁は三角形で3〜4枚、雄しべが3〜4個あります。
これは、雌花の蕾だと思います。咲くのを早く見たいです。
「ヒメコウゾ」

クワ科コウゾ属の落葉低木で、和紙の原料となる「コウゾ」は、本種とカジノキの雑種です。
雌雄同株で、雄花序は径1㎝程の球状で先が白っぽく見えます。雌花序は、径4㎜程の球状で花序には赤紫色で長さ5㎜程の糸状の花柱を多数つけています。
「ミズキ」

ミズキ科ミズキ属の落葉高木で、別名クルマミズキ(車水木)と言われています。
白い小花を多数つけて上面がほぼ平な花序を形成しています。枝一面に雪を被せたように咲き誇る姿は圧巻で、今がちょうど見頃です。
高木に咲く花は、なかなか近づけないので花を細かく観察するのが難しいです。この日は、薄紫色の桐の花が地面にいくつも落ちていましたが、咲いている木はかなり高くてよくわかりませんでした。
自然に触れている時間を多くとればとる程、季節が足早に変わって行くのを肌で感じます。あっと言う間に花が咲き、散ってゆく植物の変化に駆け足で追いついていこうとしている自分がいます。
この花が終わると、また来年まで会えないのかぁ〜と淋しくなってしまうのです。一瞬一瞬が、愛おしく感じられるのが自然の凄さの一つかもしれません。
五月の歌舞伎は、仁左衛門と玉三郎のご両人から!
五月の杮茸落公演は、第二部の仁左衛門と玉三郎がの「廓文章(くるわぶんしょう)ー吉田屋ー」からの観劇です。仁左衛門が片岡孝夫と名乗っていた、片岡孝夫ー玉三郎の「孝玉時代」からの名コンビが久しぶりに復活です♪ワクワクします♬
「歌舞伎座前」

南十字星妻は、自作のベストにパンツ、お揃いのバッグを持っての観劇です。
これは1年前に作った初期の作品で、着物生地にハマるきっかけとなったものです。縦縞の柄がとっても気に入って、夢中で作ったものですが、正直なところ縫い方は、まだメチャクチャです!
「先代萩板絵」

最初の演目は、「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」です。仙台、伊達藩のお家騒動をもとにした作品で、
この中の政岡は、女形の大役です。今回この役を坂田藤十郎が務めました。力の籠った演技で良かったのですが、以前見た中村芝翫がはまり役だったので、その姿がよぎってしまいます。もし、生きていたら芝翫がやっていたかもしれないと思いながら見てました。
「床下」の場面では、大きな鼠(仁木弾正が鼠に化けたもの)が出てきますが、「鼠!お見事!」と大向こうから掛け声がかかるほど素晴らしい動きの鼠でした。また、スッポンから煙とともにせり上がる仁木弾正(松本幸四郎)は、不気味で全く台詞もなく消えてゆく演出が、印象的で強い余韻を残します。
新歌舞伎座では照明機器を新調し新しく入れ替えたのですが、淡い光を出すことが難しいらしく、花道で蝋燭を使った演出が多用されています。先月の「将門」の滝夜叉姫に続き、今月も「先代萩」の仁木弾正、「吉田屋」の伊左衛門の出に使われました。二人の黒子が前後から蝋燭を掲げて足元を照らします。幻想的でこのまま続けてもらいたい演出です。
「吉田屋板絵」

次の演目は、今回楽しみにしていた「廓文章ー吉田屋ー」です。
廓の情緒溢れる上方和事の名作で、夕霧を玉三郎、伊左衛門を仁左衛門が演じます。
玉三郎が登場しただけで、舞台がパッと華やぎ会場全体から溜息が漏れます。うつむき加減に佇む姿は息を呑む美しさで、鳥肌が立ちこの世のものとは思えないほどです。
大向こうからは「待ってました! ご両人!」と掛け声がかかり、思わず一緒に叫びたくなる衝動にかられました。玉三郎の存在は歌舞伎界の宝であり、他の追随を許さない女形です。三島由紀夫をして「同時代にいることの奇跡!」と言わしめた玉三郎。現在にも過去にも名女形は綺羅星のごとくいますが、玉三郎以上の女形が今後出ることはないのではないか?と、思わせるものがあります。
機会があれば坂東玉三郎だけは是非見てもらいたい役者です。
「喫茶YOUのナポリタン」

前回のオムライスに続き、團十郎がよく楽屋で食べていたというナポリタンも試してみました。アルデンテで、美味しかったです。お腹が空いている時にはちょっと少なめなので、大盛りにすると良いですよ。
杮茸落公演は、三ヶ月間三部制なのでしょっちゅう歌舞伎座に来ているような気がしますが、色々店を再発見できて楽しいです。
生田緑地で今年の初トンボ発見!
この時期は、同じような花でもよく似ていて目立たない花が多く咲いているので、観察会で教えてもらったり、注意深く見ないと気づかないままになってしまいます。
「オカタツナミソウ」

ちょっと「ホトケノザ」に似ていると思って撮ったのですが、丘陵地の木陰に生える多年草の「丘立波草(オカタツナミソウ)」でした。ホトケノザもオカタツナミソウもシソ科です。それで、似ていたのかもしれません。
「ニガナ」

苦菜(ニガナ)は、キク科の多年草です。名前の由来は、茎や葉に苦みのある白い腋を含んでいることからきています。
「ニワゼキショウ」

芝生や草地に群生するアヤメ科の植物です。直径5〜6㎜の小さな花で花弁は、6枚に分かれています。
この花も教えてもらわなかったら、一生知らないままだった気がします。
「シオヤトンボ」

「おっと〜! 今年、お初にお目にかかります。」随分、小さなトンボでした。「シオヤトンボ」です。実はこのトンボ、東京都区部と北多摩では絶滅危惧種に指定されています。神奈川県東部でも急減していてレッドデータブック2006では要注意種とされています。
何度も生田緑地の中を歩き回っていると、わかった気になってしまっていることがあります。でも、本当は知らないことばかりであることに唖然とします。花一つとっても、同じものだと思っていたものが別物だったり、注意深く観察しないで大切な生態を見逃していたり・・・。日々、観察と勉強と反省を繰り返しています。
野鳥や昆虫にも目を向けると無限大の世界が広がっています。一つでも多くのことを知りたいな!って、思います。
生田緑地観察会で教えてもらったこと!
5月5日の「生田緑地観察会」では、参考になることを沢山教えてもらいました。
「カントウタンポポの綿帽子」

生田緑地のつつじ山付近は、カントウタンポポの群生地で、セイヨウタンポポはまだ侵入してきていない貴重な場所だそうです。
タンポポには、『咲く→寝てる→起き上がる→伸びる→種を飛ばす』という状態があるそうです。その様子を見事に描いた画家が星野富弘氏だそうです。星野氏は、中学校の教諭でしたがクラブ活動指導中に頸椎を損傷し、口で筆をくわえ文章や絵を書き始めました。群馬県に富弘美術館を開館し、ニューヨークやホノルルなどで「花の詩画展」を開催し、現在も創作を続けています。
「ハハコクザ」

キク科の植物で、春の七草の一つ御形(ゴギョウ、オギョウ)です。春の田圃で良く見かける花で、全国に分布しています。枝先に筒状花が集まった頭花をたくさんつけていますが、花の一つ一つをよく見ると、両性花の周りに細い雄花がたくさんついているのが分かります。
「ハルジオン群生」

「ハルジオン」は、大正時代に鑑賞用として輸入された植物だそうです。その当時は、ピンクから紫色がかった大きめの花で、野生化して広がるうちに花は小さくなり、色が薄くなって白くなっていったそうです。ここの群生は、ピンクが濃くてとても綺麗でした。
「ハルジオン」

この花の名前は、ハルジオン(春紫苑)が標準名とされているものが多いですが、ハルジョオンと記載されている文献も多いです。ハルジョオンが間違いという人もいます。秋に咲く紫苑と対比しているものとも言われてます。ハルジオンとヒメジョオンがよく似ていて混同されていることからも、名前の混同があるようです。命名は牧野富太郎博士で『牧野新日本植物図鑑』では、春紫苑の意で命名したが、ヒメジョオン(姫紫苑)との類似からハルジョオンが普及していると記されています。
ハルジオンとヒメジョオンは見た目ほとんど分かりません。ハルジオンは茎が中空なので上の方の茎を摘んでみると潰れます。また、中空のため蕾が重さで堪えきれず頭が垂れ下がっています。識別の決めては、他にもありますが、この2点を確認すればまず間違いないそうです。
説明して下さったガイドさんの植物に対する情熱と、それに関連した知識の豊富さにただただ感嘆するばかりです。図鑑だけでは、得ることの出来ない素敵な知識のお裾分けを沢山頂きました。
早くも「菖蒲園」の花が咲き始めました!
ゴールデンウィーク中は、天候に恵まれたので生田緑地の自然観察も気持ちよくできました。
「菖蒲」

蛙の合唱が菖蒲園に響き渡っていて、根元や地面ばかり見ていました。どうしても蛙の姿を見ることができなくて残念に思っていると、菖蒲の花が咲いているではありませんか! これが最初に見つけた菖蒲です。帰りがけ黄色の花の菖蒲も見つけました。この日は、2つだけ咲いてました。
蕾もどんどん大きくなっているので、これからがとっても楽しみです。
久しぶりに「生田緑地植物観察会」に出席しました。連休中とあって、いつもの3倍位の人数でガイドの説明を聞くのも大変な状態でしたが、とても勉強になりました。以下の花は、観察会で教えてもらったものです。
「コウゾリナ」

この時期は、黄色いタンポポに似た花を良くみかけます。この花は、特に似ています。キク科コウゾリナ属の植物で、枝は直立して枝分かれし剛毛が多い越年草です。
「チゴユリ」

ユリ科チゴユリ属の植物で、和名「稚児百合(チゴユリ)」は小さくて可愛らしいところから来ています。
この花は、教えてもらわないと全く気づかずに通り過ぎてしまいます。「エ〜っ? こんなところに花が・・!」とビックリしました。観察会ならではの収穫です。
「ツボスミレ」

スミレ科スミレ属の植物で、ニョイスミレとも呼ばれます。葉は丸っこく、きれいなハート形です。花は、あまり目立たない控えめな感じがします。
ガイドの説明によると、生田緑地では15種類のスミレを見ることが出来て、このスミレは最後に咲く花だそうです。
今年は4〜5種類のスミレを見ましたが、まだまだそんなにあったのかと驚きました。スミレは大好きな花の一つなので来年は、もっと沢山のスミレに出会いたいと思いました。
観察会は、新たな発見があり植物の奥深さ、生田緑地の面白さの幅を広げてくれます。広大な生田緑地の限られた場所で短い期間にひっそりと咲いている植物は、ガイドの手ほどきがないとなかなか発見出来ません。また、微妙な植物の同定の仕方なども書籍だけの知識では得られない貴重なものです。観察会に出席するとまだまだ経験と観察が足りないと気づかされます。
新緑の美しい木立をさまざな野鳥のさえずりが響き、可愛らしい花たちに出会い、自然をたっぷりと味わう時間を過ごしました。
やっと出会えた!『アオバセセリ』
ゴールデンウィーク中、最も天気の良い日と言われた「5月5日」、ど〜しても会いたかった『アオバセセリ』を探しに、朝早くから生田緑地へと繰り出しました。
「アオバセセリ」 翅は緑青色の大型で美しいセセリチョウです。

朝8時から9時の間に写真を撮ったという情報を得て、午前8時前に到着。さすがに人影もまばらで、抜群の天候に恵まれ清々しい気分です。
「アオバセセリ」が好きなウツギの花は、まだ日陰のままで蝶の姿は見当たりません。しばらく、別の場所を観察した後、8時半過ぎに戻って来ると写真を撮っている人が・・いました!待ちに待ったアオバセセリが・・・まさに3度目の正直。やっと出会えました。アオバセセリのいた時間はわずか15分。とっても希少価値のある蝶を見ることができて、本当に早く来て良かった! バンザ〜イ!!
「アオスジアゲハ」

「アオバセセリ」と一緒にウツギの花を飛び回ってました。この蝶は、ここで良く見ることができます。
「ヤマトシジミ」

翅を広げると、光沢のある美しい空色ですが、閉じている時はこんな斑紋があります。
「ヒメウラナミジャノメ」

明るい草地から住宅地でも見られる一番普通のジャノメチョウです。
昆虫の中でも、蝶は綺麗な色や柄をしているものが多く被写体にしたくなりますが、飛んでいる蝶を捉えるのは難しく止まるのを待つ根気が必要です。
そして何より、蝶の習性を知らないと数の少ない蝶は撮れません。現地の情報が重要です。今回は、すべての条件が揃ったので運良く「アオバセセリ」に会うことができました。
生田緑地〜とんもり谷戸〜
ゴールデンウィークの後半も天気が良くて、外に出ないのはもったいない!
人混みの中に行くのは、嫌だし・・・生田緑地も混んでいるとは思いつつ、ちょっと行ってみることにしました。案の定、入口の道路は駐車待ちの車の行列、芝生の広場は沢山の子どもたちで賑わっています。
今日は、今まで行ったことが無かった『とんもり谷戸』を目指しました。
ここに来ているのは地元の人だけで、それほど人も多くはなくのんびりとした雰囲気で「牧歌的だなぁ〜!」と、深呼吸したくなるような場所でした。
「アヤメ」

鮮やかな紫色の花びらに黄色と白の模様が、着物の柄のようでとっても素敵でした。
「キショウブ」

菖蒲が咲くと、初夏の到来を感じます。今日は気温こそ少し低いですが、陽射しはもう初夏を思わせます。紫外線対策をちゃんとしないと・・・。
「ヘビイチゴ」

ヘビが食べるイチゴとか、ドクイチゴとも呼ばれていますが無毒です。ただ、味が無くて食用には不向きなようです。
「トラフシジミ」

ちょうど翅を広げた瞬間を捉えるができ、ラッキーです。光沢のある宝石のような輝きで、ブローチにしたら素敵だなぁ〜と、思いながら見とれてました。
「風紋」

谷戸にある水辺を渡る風・・・「風薫る五月」を形にするとこうなるのだと、風が教えてくれました。
ちょっと新しい場所で、少し趣きも変わり生田緑地の広さ、奥深さを再発見できた一日でした。
帰り道に立ち寄った初めてのスーパーには、明治大学で作っている野菜が売られてました。これも新たな発見で、面白かったです。レタスをゲットしてきました。今夜の夕食で、食べてみるつもりです。楽しみ〜!!
トビの島、江の島
GWは伊豆へ向かい、ダイビングシーズンの始まり!となるのがここ数年の我が家の恒例行事でしたが、今年はワケあって大幅にスタートがずれ込みます。
なので、昨日はゴールデンウィークの合間をぬって、念願の「生しらす丼」を食べに江の島に行きました。
片瀬江ノ島の駅を降り立ち、江の島に向かうとすぐ目に飛び込んでくるのは、トビの勇猛な姿・・・

高い空を気持ち良さそうに風にのって、ゆったりと旋回しています。
実は、食べ物を物色中・・・

狙いを定めて急降下、

何を採るの?

浜辺にばらまかれたポップコーンをキャッチ!

トビは、人間の食べるものを狙っています。ビニール袋なんて持ってたら要注意です!
「ウミウ」

江の島の反対側の海で、ウミウを発見。
こちらは、大物の魚をゲット! ちょっと大き過ぎて、なかなか呑み込めず、しばらく魚を振り回してようやく呑み込んだと思ったら、また潜ります。あっという間に次の獲物をまたゲット! まだ足りなかったんだと、見ているこちらがビックリ!!
「しらす丼」

ランチは、念願の生しらす丼にありつきました。
こちらは、友達が頼んだ、生しらすと釜揚げしらすのハーフ丼です。久しぶりの生しらすは、やっぱりおいしかったです。今がしらすの旬ですが、生は湘南の漁港近くでしか食べられないので、ここまで来ちゃいました。旬の時期に毎年一度は食べたい生しらすです。
今回の江の島小旅行は、生しらすも食べれたし、沢山のトビを目の前で見ることができて、とっても楽しかったです。でも、午後を過ぎると人出がものすごく、これまたビックリでした。ゴールデンウィーク中は、もっと混雑するのかも・・・。
ゴールデンウィークの生田緑地
ゴールデンウィークになると、初夏が近づいてきた気がします。
生田緑地も、春から夏への準備へと変わってきます。菖蒲の葉が青々と茂り、花を咲かせる時を待っています。
「ゲンゲ」

マメ科ゲンゲ属の草花で、レンゲソウ(蓮華草)、レンゲとも呼ばれています。紫、ピンク、白のグラデーションがとっても綺麗です。自然の作り出す色は、とってもオシャレだと思いませんか?
「ホウチャクソウ」

ユリ科の植物で、こちらは白から緑のグラデーションが美しい花です。花は、これ以上開きません。和名は、花の形が寺や五重の塔の軒に吊す宝鐸に似ているところからきています。
「ヤマエンゴサク」

ヤマエンゴサク(山延胡索)はケマンソウ科キケマン属の植物です。薄紫色のかわいい花で、形がとてもユニークです。
「ムラサキサギゴケ」

湿ったあぜ道などの陽当たりの良い場所に生える多年草の植物です。生田緑地の中でも、谷戸にある田圃の淵に咲いてました。陽の光をたっぷりと浴びて、気持ち良さそうです。
花が次から次へと咲いて、虫たちも大忙しで花から花へと飛び回っています。
飛び回らない虫たちは、葉っぱや地面をゴソゴソと蠢いています。気をつけて観察しないと・・・危ない!危ない!