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勘三郎の当たり役、一條大蔵を今日は吉右衛門で


 今月は、国立劇場で中村吉右衛門が一條大蔵卿を演じています。
 この演目は、とても楽しみにしていたものです。


 国立劇場(東京・三宅坂)の正面  今日は抜けるような青空でした。
国立劇場



『鬼一法眼三略巻(きちほうげんさんりゃくのまき)』
 この中の「一條大蔵卿長成」は、作り阿呆ぅ、つまり正気だが阿呆を装う役で吉右衛門が家の芸として磨き上げてきたものです。実はこの役は、十八代目中村勘三郎の当たり役でもあり、襲名披露公演でも演じました。また、勘九郎が今年の襲名披露公演でも演じています。
 勘三郎の大蔵卿の阿呆ぅぶりは、本当の『バカ殿』と思えるほど見事で、ひょうきんで面白く、笑い転げてしまったのを覚えています。勘三郎は、観客をとことん楽しませることに徹していました。我が家では、この大蔵卿が一つの基準になっており、これを超える演技はなかなか無いと思っていました。
 そして、今日の吉右衛門です。しかも家の芸というから期待も膨らみます。作り阿呆の吉右衛門が登場した瞬間、これがあの吉右衛門かと目を疑いました。そこには阿呆は阿呆でも、とっても上品な「作り阿呆ぅ」を磨きあげてきたもので、芸術性が高く、勘三郎が目指していたものとはまた異なるものだと感じました。大蔵卿は、前半の「作り阿呆ぅ」をいかに本物っぽく見せるかで最後の正気の部分が光ります。吉右衛門の大蔵卿はメリハリが利いていて流石家の芸というだけのことはあり見事でした。
 ただ、観ている間、勘三郎の大蔵卿が重なってグッと込み上げてくるものがあります。お歯黒の公卿姿で、観客に向かって「う・ふ・ふ・ふ・ふ」と笑う勘三郎の一條大蔵は生涯忘れられません。
演目 


 歌舞伎界の名優で踊りの達人だった六代目尾上菊五郎(十八代目勘三郎の祖父)の鏡獅子像
六代目尾上菊五郎 鏡獅子の像 


 中村吉右衛門は、幅広い役をこなし『人間国宝』にふさわしい役者ぶりです。
歌舞伎を観る前までは、『鬼平犯科帳』の吉右衛門の大ファンでした。今は、歌舞伎役者としてファンになっていることに気づきました。





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Author:南十字星
 自然観察と歌舞伎が大好きな夫婦でつくっているブログです。生田緑地と伊豆海洋公園をフィールドにネイチャーフォトを楽しんでます。

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