みんなが知ってる歌舞伎十八番
今日は、頑張って歌舞伎(昼の部)に行って来ました。バリアフリーになっていない駅もまだまだ沢山あるので、いつもとは異なるルートでJR有楽町駅からタクシーも利用して新橋演舞場に行きました。
10月は「芸術祭大歌舞伎」です。
「芸術祭」とは、文化庁が昭和21年以来、広く一般に優れた芸術を鑑賞する機会を提供したり、芸術の発展を図る目的で、毎年秋に開催される芸術の祭典です。

今回は「歌舞伎十八番」の一つである『勧進帳』を役者を替えて昼夜演じ分けるという、今までに記憶がない珍しい趣向で楽しみにしていました。
「歌舞伎十八番」と言うと、歌舞伎の代表的な18演目を指すものと思われがちですが、実は違います。荒事(あらごと)の集大成として、市川團十郎家が得意とするお家芸である18演目のことをいいます。『勧進帳』以外には『助六』とか『暫(しばらく)』などがあります。
では他の家系でのお家芸はというと、例えば市川猿之助家は「猿翁十種」と言い『黒塚』や『悪太郎』、尾上菊五郎家は「新古演劇十種」で『土蜘』『羽衣』など、家ごとでその呼び方があり各々の得意演目があります。

今回の『勧進帳』は、昼の部では、武蔵坊弁慶を市川團十郎、富樫左衛門を松本幸四郎が演じ、夜の部は、弁慶を幸四郎、富樫を團十郎が演じるという入れ替わりです。ただ、この二人・・・歌舞伎界で1、2を争う滑舌の悪さ!!弁慶と富樫の問答が何を言っているか全くわかりません。初めて『勧進帳』を見る方にとっては、この配役は厳しいでしょう。役者としての大きさは素晴らしいものがあります。

もう一つの演目は、『国性爺合戦』。この題名、ちょっと読み方むずかしいですよね。「こくせいじじいのかっせん???」・・ではなく、「こくせんやかっせん」と読みます。
これは、中国明の時代を舞台とする近松門左衛門の名作の一つです。尾上松緑演じる和藤内の豪快さ、片岡秀太郎演じる渚の人間の情愛、そして色彩美あふれる歌舞伎舞台の様式美がとても印象的な舞台でした。
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