オペラ『ラ・チェネレントラ』
『ラ・チェネレントラ』とは、イタリア語で「シンデレラ」のことだそうで、和訳すると「灰かぶり姫」だそうな。これも初めて知りました。
初のベルカントオペラです。

写真「COPYRIGHT(C)SHOCHIKU CO.,LTD.ALL.RIGHTS RESERVED.」
この『ラ・チェネレントラ』には、魔法使いもカボチャの馬車もガラスの靴も出てきません。
意地悪な継母は義父に替わっていて、二人の姉とともにイジメルされるところは同じですが、ガラスの靴は腕輪に替わっていたり、王子と召使いが入れ替わっていたりと喜劇仕立てになっています。
主演の二人は、史上最強のロッシーニ歌手、ジョイス・ディドナートとファン・ディエゴ・フローレスでMETの解説によると現代の奇跡だそうです。
ロッシーニ歌手と言われるだけあって、いままで観たオペラとは歌い方がまったく違っていました。横隔膜を目一杯使う独特な歌い方で、これがベルカント唱法というのか〜と感心して観てました。これは、大変そうです。ちょっと真似てみましたがとても続けてできるような歌い方ではありません。
オペラも歌唱法によって専門の歌手がいるんだなとまた一つ知りました。
新しい分野はいいですね。全てが新鮮で知らないことだらけなので一つ一つ理解していくのが楽しいです。
ジョイス・ディドナートは今回でこの役は終わりにするそうで、貴重な映像になりそうです。まだまだ十分大丈夫そうな気もするのですが、プロにとってはまた違うのでしょうね。
オペラTV観劇もこれで4作目になりました。
だいぶはまってきたので、そろそろ生の声が聴きたくなってきています。
ロッシーニ『ラ・チェネレントラ』 2014.5.10メトロポリタン・オペラハウス
演出 チェーザレ・リェーヴィ
指揮 ファビオ・ルイージ
ジョイス・ディドナート(アンジェリーナ/チェネレントラ)
ファン・ディエゴ・フローレス(ドン・ラミーロ王子)
ルカ・ピザローニ(アンドーロ)
アレッサンドロ・コルベッリ(ドン・マンフィコ)
ピエトロ・パニョーリ(ダンディーン)
3時間24分 イタリア語
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オペラ『カルメン』
オペラTV観劇のお次は、ビゼーの『カルメン』です。
一演目が長いので、数回に分けて観ていますが、週一ペースでだんだん慣れてきました。

写真(

『カルメン』は、知っている曲が多くて楽しいです。
良く知っている曲が、こんな歌詞でこんな場面で使われるんだなと、これまた新鮮です。
ライブビューイングの演目紹介では、「追う女と追われる女の永遠の愛の悲劇!」と書かれています。
オペラのキャッチフレーズはなかなか言い得て妙で、歌舞伎もこういうところは見習って欲しいです。
カルメン役のアニータ・ラチヴェリシャヴィリ(写真中央)がなんといってもはまり役で、手練手管で真面目なドン・ホセをどんどん魅了していきます。真面目な者を陥れると、最後は悲劇というのがお決まりで、物語としてはとても分かりやすいです。
ここまで3作品を観てきて、オペラのテーマは全て愛なんじゃないかなと思い始めてきました。
愛の形や表現もいろいろありますが、声を主体とする演劇としてはやっぱり愛をテーマにするのが相応しいのかもしれません。
それと、オペラにはなぜこんなに大勢の人達が出演しているのかという疑問も、分かってきました。
オペラのメインは、やはりアリアの独唱で次に複数の人で唄うアンサンブルですが、重要な場面ではコーラスが結構活躍します。このコーラスをやるのに大勢の人が必要なんだなと分かりました。生オーケストラがもちろん付いていますが、楽器はあくまでも伴奏です。オペラのメインはやはり人の声ですから、楽器はあくまでも声を補う補助的なものという位置づけのような気がします。
だんだんとオペラが楽しくなってきました。
次は、ロッシーニを観る予定です。
ビゼー『カルメン』 2014.11.1メトロポリタン・オペラハウス
演出 リチャード・エア
指揮 パブロ・エラス=カサド
アニータ・ラチヴェリシュヴィリ(カルメン)
アレクサンドロス・アントネンコ(ドン・ホセ)
イルダール・アブドラザコフ(エスカミーリョ)
アニータ・ハーティング(ミカエラ)
3時間22分、フランス語
オペラ『エフゲニー・オネーギン』
オペラTV観劇第二弾は、
チャイコフスキーの『エフゲニー・オネーギン』です。

写真(

エンディング直前の写真ですが、どうですか?
別れのシーンですけど、美しいですね〜。
これに歌が絡むんですから、それはそれは感動します!
衣装も美しく、ロシアの至宝、クラムスコイの「忘れえぬ女(わすれえぬひと)」を彷彿とさせます。
「オネーギン」は愛のすれ違いを描いた作品ですが、バレエの演目としても有名で、大好きな作品です。
バレエの方は、チャイコフスキーの作曲ではなくチャイコフスキーの曲をあっちこっちから集めて編曲した、クルト=ハインツ・シュトルツェという人の曲になっています。
原作は、プーシキンの小説でロシア人なら誰でも知っているという程有名な恋の物語。そして、ロシア語によるオペラです。オペラというものは、イタリア語かドイツ語だけと思っていましたがこれも新しい発見です。
バレエなら幕間を挟んで2時間程の物語が、オペラになると一気に3時間47分の長丁場になってきます。踊りだけで簡単に表現出来る場面でも、一つ一つに台詞がつき、しかも歌として表現する訳ですから長くもなります。このあたりが慣れるまでにちょっと時間がかかりそうです。ここは、もう少し巻いてもいいんじゃないの〜としばし思ったり・・・。
今回もソプラノのタチヤーナ役はネトレプコですが、前回観た「マクベス」の悪女と正反対の役柄です。手紙のアリアでは、素晴らしい歌声を聞かせてもらえますが、ネトレプコに合っている役柄としては「マクベス夫人」のほうかもしれません。
アリアとしては、レンスキー役のピョートル・ベチャワに魅了されました。それこそ切々と情感豊かに歌い上げ、その後の悲劇へと観ているもの全ての心を一気に持っていかれます。
このあたりが、歌のあるオペラの最大の魅力で、歌舞伎やパレエとはまた違った感動を与えてくれるのだと思います。
それにしても、アンナ・ネトレプコ・・・。生で聴いてみたくなってきました。
チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』 2013.10.5メトロポリタン・オペラハウス
演出 デボラ・ワーナー
指揮 ワレリー・ゲルギエフ
マリウシュ・クヴィエチェン(エフゲニー・オネーギン)
アンナ・ネトレプコ(タチヤーナ)
オクサナ・ヴォルコヴァ(オリガ)
ピョートル・ベチャワ(レンスキー)
アレクセイ・タノヴィッツキー(グレーミン)
3時間47分、ロシア語
オペラ鑑賞始動
舞台大好きの南十字星ですが、
唯一、まだチャレンジしていないのが「オペラ」です。
前々から気になってはいたものの、日本では良質のオペラに日々接する機会がなく、
来日公演は、なまなかな覚悟では手が出せないぐらいの高額で、これはちょっと無理かな〜と思って諦めていました。
それが変わってきたのが、ニューヨークに行ってからです。
ニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスに行って刺激を受けました。
ここに来れば、一流のオペラを気軽に観ることが出来ると。
見て鑑賞するものでも、自らが行って楽しむものでも、数多く触れてこなさなければ決して自分のものになりません。スポーツの基本練習で、身体に覚えさせないと上達しないのと同じで、観劇も数多くみることによって鑑賞眼が深まっていきます。まずたくさん観て、勉強は後からというのが私達のいつもの観劇スタイルです。
WOWOWで、メトロポリタンオペラのライブビューイングを流してくれています。
今年から、猛然とオペラのテレビ観劇がスタートしました。

写真(
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最初に触れたのが、ヴェルディの「マクベス」です。
主演は、現在最高の歌姫「アンナ・ネトレプコ」。
メトロポリタンオペラのライブビューイングは松竹が主催なので、いつも歌舞伎座にポスターが貼られていて気になっていたのも幸いしています。
この「マクベス」を観て、一気にオペラは面白いかも。。になってきました。
究極の悪女マクベス夫人。森に巣くう大勢の魔女達。魔女達に惑わされたマクベス。
まだ、初めて観たので色々な疑問が頭に浮かびつつも、ネトレプコの熱演にどんどん引込まれていきます。
斬新な演出、豪華な衣装と舞台、大勢のキャストによる合唱、切々と歌い上げるアリア、映像は字幕付きなのでとても分かりやすいです。
一演目の時間としては、幕間を入れて3時間超えとちょっと長いのが気になります。
節目節目で切々と歌い上げる場面があるので、バレエよりも展開がだいぶ遅い気がします。
それでも、思いのほかのめり込める感じがしたので好印象のスタートになりました。
ヴェルディ『マクベス』 2014.10.11メトロポリタン・オペラハウス
演出 エイドリアン・ノーブル
指揮 ファビオ・ルイージ
アンナ・ネトレプコ(マクベス夫人)
ジェリコ・ルチッチ(マクベス)
ルネ・パーペ(バンクォー)
ジョセフ・カレーヤ(マクダフ)
3時間18分、イタリア語
喜劇公演に中村梅雀、山村紅葉、古手川祐子
今月の新橋演舞場は、『喜劇名作公演』です。いつものメンバーに加え、多彩な出演者で華やかな雰囲気です。

「喜劇」と聞くと、なんだか観に来たくなってしまいます。今回は、いつものメンバー(渋谷天外、水谷八重子、波乃久里子、曽我廼家寛太郎、曽我廼家文童、藤山扇治郎)に加え、テレビドラマでおなじみの俳優、中村梅雀、山村紅葉、古手川祐子が出演していて、舞台が華やかなです。
最初の演目『名代 きつねずし(いなりずし)』は観終わった後、とってもいなりずしが食べたくなりました。今月の新橋演舞場特製弁当は、「きつねずし弁当」です。ちょうど、このお弁当を買ったので幕間で美味しく頂くことができました。演目に合わせたお弁当とは、何とも粋な感じです。しかも「金田中」の料理人の手によるお弁当ですから、味に間違いはありません。
第二の演目『単身赴任はチントンシャン』は、中村梅雀の一人二役で、早替わりもあって楽しく笑える舞台です。梅雀が良い味を出していて、テレビで観ていて親しみがありましたが、舞台で観るといっそう親しみを感じます。
最後の演目『じゅんさいはん』は、水谷八重子の舞台女優の凄さを感じました。つかまえどころのないお調子者をさす「じゅんさいはん」と呼ばれていた旅館の若女将を演じる、水谷八重子は、おっとりとしていて何もわからないようでいて、本当は何もかも呑み込んだなかなかの大物です。ふわ〜っと、自然体で演じている中に奥深さといぶし銀の味わいがあります。
今回の演目は、どれも大笑いできるという作品ではありませんが、「名作」というだけあって良く出来たストーリーで、気軽に楽しめる舞台でした。
空いてる席がちょっと目立ち、温かみのあるこういう舞台が廃れていってしまうのではないか?ちょっと心配です。劇場に足を運んで、お気に入りの舞台探しをもっとしてみてほしいなぁ〜と思います。生でないと味わえない雰囲気を感じてほしいです。