助六由縁江戸桜
4月から1年間続く歌舞伎座新開場杮葺落公演ですが、歌舞伎役者総出演による本当の意味での杮葺落公演は6月で一区切りとなります。その最後を飾るのは、やはりこの演目「助六」です。歌舞伎全演目の中で最も華やかで歌舞伎らしく、歌舞伎の面白さが詰まった歌舞伎一の人気演目です。
「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の板絵

助六役は、今年2月に亡くなった十二世市川團十郎が務める予定でした。
舞台は、江戸吉原三浦屋前。花魁「揚巻」の花魁道中で華やかに幕が上がります。江戸紫の縮緬鉢巻きを頭に結び、黒羽二重の小袖に紅絹裏、真っ赤な襦袢と真っ赤なふんどし、黄色の足袋姿で尺八を後ろに差し、蛇の目傘にくり抜き下駄という出で立ちで颯爽と花道から「助六」現れます。
「海老蔵」は立派に父團十郎の代役を務めました。目力の凄さ、カッコ良さは当代随一の歌舞伎役者、助六にピッタリです。ただ海老蔵の声は裏返ってしまうのと、こもった声で聞きづらいところがあります。ある批評家は、発声練習が足りないと・・・言ってました。いずれにしても、これからの歌舞伎界を背負うホープです。團十郎を継ぐ日が待ち遠しい!
華やかな「助六」の中で、今回最も面白かったのが、坂東三津五郎演じる「通人里暁」いわゆる通行人なのですが、今流行りの言葉が次々と繰り出され、まさに「じぇじぇ!じぇじぇじぇ!」と言った感じです。
余談ですが、お弁当に「助六」というのがあるのはご存知ですか? いなり寿司と巻き寿司が入っているあれです。「助六」の愛人である花魁「揚巻」になぞらえ、油揚げのいなり寿司と巻き寿司を入れ「助六」と洒落たものなんです。歌舞伎座でも当然、「助六」弁当は売ってます。
「河東節連中」

歌舞伎には欠かせない三味線音楽ですが助六だけは特別です。助六には「河東節(かとうぶし)」連中が努める決まりです。
「一幕見席」

歌舞伎座最上段に位置する「一幕見席」です。椅子席90、立ち見60の全150席。専用入口から入り、場内の他の場所へは行かれません。三階席とは仕切りがあります。見たい演目だけを見れるので、とてもリーズナブルですが、舞台までは相当遠いです。
ここを利用するのは、歌舞伎通の人や時間のない外国人観光客が多いです。初めての方で、まだよく分からないからなるべく安く歌舞伎に触れてみたいという方もいらっしゃるとは思いますが、あまりお勧めはできません。
双眼鏡がないと役者の顔はよく見えないですし、歌舞伎座内も散策できません。ここは何度も見てる人たちが今日の出来を確認するようなそんな場所です。
「助六」は歌舞伎初心者にも楽しめるお奨めの演目です。何度観ても華やかで楽しいです。役者を揃えないと出来ない演目なので、襲名披露や顔見世興行のような時にしかやらないのが難点です。機会があるときに是非一等席で堪能してみてください。花道をたっぷり使うので上の階はお勧めできません。
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No title
助六、うちの相方の大好物です(笑)
そんな由来があったんですね。じぇじぇじぇ!
そんな由来があったんですね。じぇじぇじぇ!
tamayaccoさん
助六観るには、やっぱり弁当も助六かなと思ったけど、全然違うもの食べました
助六は好きですけど、もう少し量を多くしてもらいたい(笑)
助六は好きですけど、もう少し量を多くしてもらいたい(笑)